• 2020.06.19

住宅ローンを借り換えした時の税控除、年末調整はどう対応すれば良い?注意点を解説します

住宅ローン年末調整のアイキャッチ

今、日本ではマイナス金利政策が継続しており、住宅ローンに関わりのある長期金利が低い状態が続いています。

この機会に住宅ローンの借り換えを検討される方も多いでしょう。

住宅ローンを利用すると、税金の控除を受けられます。

税金の控除を受けるためには、確定申告、もしくは職場での年末調整が必要です。

このため、住宅ローンの借り換えにあたっては以下のような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

  • ローン借り換えをしたら、どのように年末調整の手続きをすればよいのか?
  • ローン借り換え後の控除額はどのように計算するのか
  • 借り換え時期が10月を過ぎてしまい、ローンの残高証明書が手元にない場合はどのようにすればよいのか

基本的には、住宅ローンの借り換えをした場合でも、年末調整で税控除の適用を受けられます。

しかし、借り換え後も控除を受けるための条件を満たしている必要があるほか、借り換え時期によっては年末調整に間に合わないので確定申告が必要となる場合もあるので、注意が必要です。

この記事では、住宅ローン借り換え後の年末調整での注意点や、控除額の計算方法などについて解説します。

この記事を執筆・監修している専門家

監修者

白坂大介

ジョインコントラスト株式会社 代表取締役

保有資格・検定

2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、証券外務員1種

お客様と一生涯のお付き合いができる仕事に憧れ、大学卒業と同時にハウスメーカーに就職。 2008年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。 2013年にはジョインコントラスト株式会社を設立し、webサイト「家計教師.com」を運営。 主にマイホーム購入や住宅ローン、生命保険、資産運用など、一般家庭向けのコンサルティングや講演会を行なっている。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

執筆者

秦 創平

ライター

保有資格・検定

管理業務主任者、シニアライフコンサルタント

国内不動産会社の経験が10年・海外不動産投資会社の経験が2年あり。一般的な住宅から投資物件まで取り扱ってきた。現在はフリーライターとして不動産関連の記事を中心に執筆している。

借り換え後も年末調整をすれば住宅ローン控除を受けられる

住宅ローンの借り換えをしても、年末調整を行うことで、税金の控除を受けられます。

ただし、税控除を受けるためには所定の基準を満たすことが必要です。

なお、年末調整をすることで控除される所得税が還付され、12月分の給与と併せて支払われます。

生命保険料控除などの還付金と同じような方法ですね。

年末調整をおこなったら、12月分の給与明細で還付金が含まれているか忘れずに確認しましょう。

ただし、お勤めの会社の給与の締日や支払日によっては、1月に支給される給与で還付される場合もあります。

いずれにしても還付されているか給与明細でもきちんと確認しましょう。

ローン控除を受けるための借り換え条件

住宅ローンの控除を受けるためには、借り換え後の住宅ローンに関して以下の条件を満たしていることが必要です。

  1. 返済期間が10年以上に設定されている
  2. 合計所得が3,000万円以下である
  3. 借入金を借り換え前の住宅ローン返済に当てる

最初の2点については、住宅ローン控除を受けるための基本的な条件であり、借り換え後にもこれらの条件を満たしている必要があります。

なお、3点目については、住宅ローン控除はあくまで住宅購入の資金に対する借入が税控除の対象となるため、借り換え後も税控除を受けるためには、借り換えによる借入金は当然のことながら従来の住宅ローンの返済に充てる必要があります。

借り換えても控除期間は延長されない

一点注意が必要なのは、住宅ローンの借り換えをしても、新たに10年間の税控除が適用されるわけではないというポイントです。

税控除が適用されるのは、「居住の用に供した年から一定期間である」とされています。

あくまでも住宅に住み始めてから10年間のみです。

例えば、2年返済した時点で借り換えたとすると、借り換え後の返済期間が10年以上あったとしても、残り8年間しか税控除は受けられません。
※参照:国税庁「No.1233 住宅ローン等の借換えをしたとき」

繰り上げ返済には注意が必要

住宅ローンの繰り上げ返済は借り換えと異なりますが、注意点を解説しておきます。

住宅ローンの税控除は「居住のように供した年から10年間」受けられるものです。

一方、住宅ローンの繰上げ返済には、以下のように2つのタイプがあります。

住宅ローンの繰上げ返済

  • 返済額軽減型
  • 期間短縮型

返済額軽減型は、繰上げ返済することによって、返済期間はそのままで、毎月の返済額を減らす返済方法です。

一方、期間短縮型は、毎月の返済額はそのままにした上で返済期間を短縮します。

もし、期間短縮型の繰上げ返済を行なった結果、「住宅ローン全体の返済期間」が借り入れ当初から数えて10年を下回った場合は、控除を受けられなくなってしまうので注意が必要です。

住宅ローンを最初に借りた時からの返済期間が10年を超えていればよいので、「繰上げ返済後の返済期間」が10年を下回ったとしても、当初からの返済期間が10年を超えていれば問題はありません。

繰り上げ返済は支払利息を減らす効果があるので、そのメリットは大きいです。

実行する前に税控除による効果と支払利息の軽減効果を比較するようにしましょう。

所得税の控除を申請すれば、住民税は自動的に控除される

住宅ローンの利用によって控除を受けられるのは、所得税と住民税です。

所得税と住民税とで手続きは変わらないのかといった疑問を持つ方もいるかもしれません。

結論からお伝えすると、住民税の控除に関しては別途の手続き等不要です。

職場での年末調整や所得税の確定申告を行うことで、勤め先の会社もしくは税務署から各自治体へ情報が共有されます。

【注意】借り換え後はローン残高の計算方法が変わる

住宅ローン借り換えの注意点として、借り換えた金額などの条件によってローン残高の計算方法が変わるというポイントが挙げられます。

借り換え前と「同じ金額 or 少ない金額」で借り換えたケース

借り換え前のローン残高と同じ金額または、借り換え前のローン残高よりも少ない金額で借り換えた場合は、それまでと同じ計算方法となります。

つまり、借り換え後の住宅ローンの年末残高に対して住宅ローン控除が適用となります。

借り換え前より「大きい金額」で借り換えたケース

借り換え前の住宅ローン残高よりも多い金額で、借り換え後の住宅ローンを借りた場合は、計算方法が異なります。

税控除適用額の計算方法は以下の通りです。

新しいローンの年末残高 × 借り換え前のローンの残高 ÷ 新しいローンの借入額


つまり、借り換えによる新たな借入に対して占める、従来の住宅ローン分の割合を計算し、その割合に基づいた住宅ローン残高分に対してのみ税控除が適用されることになります。

例を用いて計算してみましょう。

借り換え前のローン残高 1,500万円
新しいローンの借入額 1,700万円
新しいローンの年末残高 1,600万円
1,600万円 × 1,500万円 ÷ 1,700万円 = 1,411万7,647円

住宅ローン残高のうち、この金額に対して1%となる14万1,176円が控除限度額となります。

なお、借り換え前のローン残高と新しいローンの借入額が同額であった場合は、新しいローンの年末残高の1%が控除限度額となります。

つまり、上記の例における控除限度額は16万円です。

新しいローンの借入額が、従来のローン残高よりも多くなった場合には、単純にローンの年末残高の1%が控除限度額とはなりませんので注意しましょう。

このように、借り換えによって借入金額が増えるケースの多くは、住宅ローンの借り換えには保証料や事務手数料、登記費用などの諸費用がかかってしまうためでもあります。

借り換えには諸費用なども必要となるため、それらの資金計画も考慮しておきましょう。

今年の10月以降に借り換えた場合は、確定申告が必要

各金融機関は9月末のローン残高に基づいて残高証明書を発行します。

このため、借り換え時期が10月以降になった場合は、残高証明書に記載されている金額と実際の残高とに相違が発生します。

実際の年末残高を証明するためには、借り換え後の金融機関からの残高証明書が必要となりますが、年末調整には間に合わない場合もあるでしょう。

年末調整に残高証明書が間に合わなかった場合、住宅ローン控除を受けるためには、自分で確定申告する必要があります。

ちなみに、もしも年末調整によって税控除の申請を忘れてしまったという場合でも、確定申告をすることで、5年前まではさかのぼって手続きできます。

なお、確定申告にあたっては、ローン残高の計算が必要です。

ローン残高の計算にあたっては、解説した通り、借入金額によって計算方法が異なるので注意しましょう。

借り換えによって確定申告するときの注意点

確定申告の受付期間は毎年2月16日から3月15日までです。

期間中に、税務署の窓口・e-Taxシステムの利用・郵送、のいずれかの方法によって申告しましょう。

ただし、税務署へ行って提出する場合には、例年期間中の窓口は混雑しています。

できる限りインターネットのe-Taxシステムまたは郵送によって申告することをおすすめします。

インターネットもしくは郵送によって申告した場合に、何らかの不備があったとしても、電話などで税務署から連絡がありますので、きちんと対応すれば問題ありません。

住宅ローン契約後2年目以降の年末調整には
「住宅借入金等特別控除申告書」が必要

借り換え後に限った話ではありませんが、住宅ローン契約後、2年目以降に税控除を申請するためには、「住宅借入金等特別控除申告書」という書類が必要です。

住宅借入金等特別控除申告書は、住宅ローンの契約期間が10年以上に達している証明として必要な書類です。

この書類は、1年目に確定申告をすると、税務署から送られてきます。

住宅ローンの残高証明と同じく重要な書類なので、受領後はしっかり保管しておきましょう。

なお、万一、住宅借入金等特別控除申告書を紛失してしまった場合は、税務署に依頼することで再交付を受けることができます。

まとめ

住宅ローンを借り換えしても、借り換え後のローンが基準を満たしていれば、引き続き税控除を受けられます。

控除を受けるための主な基準は以下の通りです。

控除の基準

  • 返済期間が10年以上に設定されている
  • 合計所得が3,000万円以下である
  • 借入金を借り換え前の住宅ローン返済に充当する

なお、借り換え後の住宅ローン控除では、以下の内容に注意しましょう。

借り換え後住宅ローン控除の注意点

  • ローン借り換えをしても税控除の期間は延長されない
  • 新しいローンで借り換え前のローン残高よりも大きな金額を借りると、年末ローン残高の全額が控除対象とはならない。
  • 10月以降に借り換えを実行すると確定申告が必要になる可能性がある
  • 住宅ローンの残高証明書に加えて住宅借入金等特別控除申告書が必要になる

超低金利時代となっている現在では、借り換えることで月々の返済負担を抑えられる可能性があります。

借り換え後も住宅ローン控除は引き続き受けることもできますので、
ここでの注意事項も参考に、借り換えも賢く利用しましょう。
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