• 2020.06.15

住宅ローンの返済比率は手取りの20%がおすすめ!今すぐできる計算方法を解説

執筆者: 政所温也 (株式会社Choices 代表取締役)
返済比率は年収に対するローン合計返済額の割合


住宅ローンを検討していると、「返済比率は〇〇%」という言葉がよく出てきますよね。

返済比率とは年収に占める年間返済額の割合(=返済負担率)のことで、住宅ローン選びの重要な指標です。

しかしながら、

  • 適正な返済比率は何%なのか
  • 無理のない返済比率にするためにはどのような対策を取るべきか

といった点で悩んでしまう方も非常に多いのです。

そこで当記事では、

  • 住宅ローン返済比率の基本的な知識
  • 返済比率の計算方法
  • 理想の返済比率と金融機関の審査に通る目安
  • 返済比率が高くなってしまったときの対処法

について、わかりやすく解説していきます。

「返済比率や住宅ローンの返済に不安がある」という方は、参考になさってください。

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

政所温也

株式会社Choices 代表取締役

保有資格・検定

2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、損害保険募集人、損保自動車専門試験合格

2010年にファイナンシャルプランナー(FP)として独立し活動中。過去に大手金融ニュースメディアや損保公式サイトでも執筆活動を行った実績があり、「読みやすく理解しやすいライティング」を得意としている。2020年9月現在で、1,700記事以上の執筆実績がある。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

住宅ローンの返済比率とは何?

冒頭でも触れたように、住宅ローンの返済比率(返済負担率)は「年収のうち年間返済額がどの程度の割合になるのか?」を示す指標です

したがって返済比率が高すぎると年収に占める住宅ローン額が大きくなり、家計が圧迫されるわけですね。

返済比率は住宅ローンを組む際に、

  • 年収に対して無理のない計画になっているか
  • 金融機関の審査が通る範囲の借り入れになっているか

を判断するために用います。つまり住宅ローン選びにおいて非常に重要な指標なのです。

住宅ローンを検討する場合、「返済比率を常に意識して借り入れを考えること」が非常に重要なポイントとなります。

次項で返済比率の具体的な計算方法もご説明していきましょう。

返済比率の計算方法を紹介

返済比率は、以下の計算式で求めることができます。

返済比率の計算式

  • 年間のローン返済額÷年収×100=返済比率(%)
    【計算例】
  • 年間のローン返済額120万円(毎月10万円)÷年収600万円=返済比率20%

上記のように、返済比率を左右するのは年間のローン返済額です。

返済比率が高いと年収に対し無理のある借り入れとなり、金融機関の審査も借入後の返済生活も厳しいものになってしまいます。

そのため住宅ローンを組むときは、「ご自身の年収に見合った適正な返済比率」に抑えることが大切ですよ。

返済比率は他の借入も影響する 

返済比率を左右する「年間のローン返済額」には、住宅ローン以外の借り入れも含まれます。

返済比率に含まれるローンの具体例としては、

  • マイカーローン
  • クレジットカードのリボ払い
  • スマホの分割払い
  • 奨学金の返済

などがあります。

もし住宅ローン以外で返済中の借り入れがある場合は、それらも含めて返済比率を計算しなければなりません。

つまり借り入れが多い方ほど返済比率も上がり、住宅ローンで借りられる金額も少なくなってしまうということです。

他に借り入れがある方は合計額を計算し、早期完済できるかどうかを必ず確認するようにしましょう。 

理想の返済比率と金融機関での目安

実は、無理のない返済を続けていける「理想的な返済比率」と、住宅ローン審査に通る「金融機関規定の返済比率」は異なります。

それぞれの返済比率の目安を以下にまとめましたので、ご覧ください。

返済比率の目安

  • 理想的な返済比率:手取り収入に対して20%
  • 金融機関の返済比率の目安:額面収入に対して25%~35%

例えば額面収入が30万円で手取り収入が24万円の方であれば、

  • 理想的な返済比率の場合…4.8万円/月
  • 金融機関の返済比率の場合…7.5~10.5万円/月

という計算になります。

ではなぜ理想の返済比率と金融機関が規定する返済比率にこのような差が生まれるのかというと、金融機関の見ているポイントが「審査に通過できる信用力があるかどうか」だからです。

わかりやすくいえば、金融機関はあなたの借り入れ後の生活を想定して審査しているわけではないということですね。

つまり金融機関の審査に通ったとしても、その住宅ローンが安心できるプランかどうかは別問題なのです。

当然ながら、住宅ローンの返済額は各家庭の状況やライフプランを考慮して検討しなければなりません。

せっかく借りたとしても返済できないのでは元も子もないからです。

金融機関がそこまで考えて融資を決定しているわけではないので、利用者自身が返済比率を元に安心できる返済プランを立てる必要があります。

ここでは理想的な返済比率と金融機関の目安について、わかりやすく解説していきます。

住宅ローンを利用するうえで非常に大切なポイントですので、必ずチェックしておきましょう。

理想の返済比率は手取り収入の年収の20%

結論からいうと、住宅ローンの理想的な返済比率は「手取り収入の20%以内」です。

「手取り収入の20%」といきなり言われてもイメージしにくいので、ここでは具体例を用いたシミュレーションをご紹介しましょう。

返済比率が手取り収入の20%以下になる返済シミュレーション

  • 額面年収:600万円
  • 手取り年収:約470万円(※)
  • 手取り月収:39万円(ボーナスを含めた年収を12等分して算出)
  • 金利タイプ:全期間固定金利
  • 住宅ローンの借入金額:2,500万円
  • 住宅ローンの返済期間:35年
  • 適用金利:年1.24%
  • 毎月の住宅ローン返済額:約7万4,000円
  • 年間の住宅ローン返済額:約88万8,000円 
  • 返済比率:年間返済額88万8,000円÷手取り年収470万円=約19%

※上記の手取り年収および月収は概算値です。実際の手取り収入は各家庭の所得控除などで変わってきます。

上記シミュレーションのように手取り収入に対する返済比率が20%以下であれば、余裕をもった返済が可能です。

この金額を見て、

  • 返済額の目安が少なすぎるのでは?
  • もう少し払えそうだけど……

と思った方もいるでしょう。

なぜ理想の返済比率が手取り収入の20%以内なのか、その理由もご説明しておきますね。 

理想の返済比率が20%17%の理由

理想の返済比率が手取り収入の20%以下と主張する背景には、

  • 住宅ローンが長期返済のため、返済期間中に家計の収支が変動する可能性がある
  • 住宅ローンの返済額だけでなく、持ち家の維持や管理にかかる支出が大きくなる

という2つの理由があります。

住宅ローンは長期に渡る借り入れです。何十年もの返済期間中に、教育費の増加や転職による収入減の可能性もあるでしょう。

また住宅ローンを組むと、持ち家を維持・管理するための固定資産税や火災保険料、修繕費などの「住居関連費」が必要になってきます。

住宅ローンを組んだ直後であれば、家計の収支状況が変化することもないでしょう。

また住居関連費についても借り入れ直後は住宅ローン減税や固定資産税の減額措置などがあるため、負担を感じることも少ないと思います。

しかし住宅ローンは数年で終わるものではなく、10年・20年と続くものです。

10年後には子どもが大学進学を迎え、予想以上に出費がかさんでいるかもしれません。

戸建てであれば住宅の劣化が始まり、外壁や屋根の修繕が必要になっているかもしれません。

このように収支状況の変化や住居関連費の増加は、月日が経つほど家計に重く響いてきます。

これらの家計負担に無理なく対応するためにも、住宅ローン返済額は手取り収入の20%以下に抑えておく必要があるのです。

関連記事住宅ローンは年収の何倍で借りるのが正解?あなたに合った借入額を算出

金融機関での返済比率の目安は25%~35%

金融機関での返済比率の目安は額面収入に対して25%~35%程度です。この返済比率は金融機関や契約者の年収によって変わってきます。

ここでは「額面収入に対して返済比率が30%以下になる返済例」を、シミュレーションでご案内しましょう。 

額面収入の30%以下になる返済シミュレーション

  • 額面年収:600万円
  • 手取り年収:約470万円※
  • 手取り月収:39万円(ボーナスを含めた年収を12等分して算出)
  • 金利タイプ:全期間固定金利
  • 住宅ローンの借入金額:4,500万円
  • 住宅ローンの返済期間:35年
  • 適用金利:年1.24%
  • 毎月の住宅ローン返済額:約13万3,000円
  • 年間の住宅ローン返済額:約159万6,000円
  • 返済比率:年間返済額159万6,000円÷額面年収600万円=約27%

※上記の手取り年収および月収は概算値です。実際の手取り収入は各家庭の所得控除などで変わってきます。

額面年収に対して30%の返済比率だと、

  • 借入金額…4,500万円まで
  • 毎月の返済額…毎月13万3,000円まで

の借り入れが可能ということになります。

ただ、手取り月収39万円で毎月13万3,000円もの住宅ローンを組むと、住居関連費を含めた返済負担は収入の40%以上を占めることになります。

この状態では、将来収入が下がったり教育費など他の支出が増えたりした場合に、返済破綻する可能性が非常に高いです。

このようにシミュレーションを行うと、額面年収で考える返済比率はあくまで審査の基準でしかないということがわかります。

実際にほとんどの民間金融機関では審査に通過できる返済比率を正式に公開しているわけではないので、上記はあくまで目安でしかありません。

つまりたとえ返済比率35%以下の借り入れだったとしても、他の要素で審査に落ちる可能性はあるのです。

したがって実際に住宅ローンを組むときは「理想の返済比率」を参考にしたほうが、審査面でも安心できるプランになるでしょう。

フラット35の場合は返済比率に条件がある

フラット35の場合に関しては、返済比率の目安がわかりやすく公開されています。

フラット35 返済比率の目安

  • 額面年収400万円未満:返済比率30%以下
  • 額面年収400万円以上:返済比率35%以下

出典:【フラット35】ご利用条件(住宅金融支援機構)

ただしこの返済比率についても、申込要件の一つにすぎません。

返済比率以内の借入金額だったとしても、他の要素で審査に落ちる可能性もあります。

当然ながら無理のない返済計画を保証する目安でもありません。

加えてフラット35の場合、借り入れ対象の物件が住宅金融支援機構の定めた一定の技術基準に適合している必要があります。

理想の返済比率と物件の技術基準を確認したうえで、フラット35の借り入れを検討してくださいね。

住宅ローンの返済比率が高くなってしまう場合の対処法

年収や他の借り入れ状況によっては、

どうしても返済比率が高くなってしまう

という方もいらっしゃるでしょう。

返済比率が高くなってしまう場合には、

といった対処法があります。
 
返済比率は年間の返済額と年収で決まります。年収をコントロールするのは難しいですが、頭金や他の借り入れを調整すれば、返済比率を抑えることが可能ですよ。

それぞれ対処法別にご案内していきましょう。

頭金を増やす

住宅ローンの返済比率を抑えるのに最も有効な方法は、頭金を入れて借入金額を少なくすることです。

頭金を活用して借入金額を少なくすると返済比率が抑えられるだけでなく、

  • 利息を少なくできる
  • 住宅ローンの適用金利を引き下げられる

というメリットがあります。

特に住宅ローンの適用金利は、今後の返済生活をより安定させるための重要なポイントです。

最近では多くの金融機関で、頭金の額に応じて適用金利を引き下げるお得なプランが用意されています。

返済比率だけでなく適用金利も引き下げられるのは、大きな魅力だといえますね。

ただし注意点として、頭金を増やす際は自己資金の全額を使い切らないようにしてください。

住宅購入時には住宅ローンの諸費用や引っ越し代、家具購入費など、ローン以外に支払わなければならない費用が多数あります。

自己資金の全額を使ってこれらの費用を支払ったとしても、入居後急病などで家計の状況が変わってしまう可能性もゼロではありません。

不測の事態に備えるためにも3ヶ月~1年分の生活費を残したうえで、頭金を捻出するようにしてくださいね。

他の借り入れを完済する

住宅ローン以外の借り入れを完済しておくことも、返済比率を抑えるために重要なポイントです。

他の借り入れがあると返済比率が上がるだけでなく、審査においても不利になる可能性が高いです。

他の借り入れを完済しておけば返済比率に余裕が生まれますし、審査も通りやすくなりますよ

他に借り入れがある方はできる限り全て完済したうえで、住宅ローンを検討するようにしましょう。

全て完済するのが難しい場合には、

  • 消費者金融からの借り入れ
  • クレジットカードのリボ払い

など、金利が高い借り入れから順に完済するのがポイントです。

実は住宅ローンの審査では、「金利が高い借り入れをしている=不利な金利でも借り入れするほどお金にルーズ」という印象を持たれやすいです。

学生時代の奨学金やマイカーローンなど生活していくうえで必要な借り入れと高金利な借り入れでは、審査時の影響がまるで違います。

他の借り入れがある方は、審査の印象も考慮したうえで早期完済を目指しましょう。

完済のポイントについてはナビナビキャッシングの「消費者金融での借金返済を楽にするコツと考え方」を参考にしてくださいね。

返済期間を長くする

返済期間を長くして年間の返済額を少なくすることも、返済比率を抑える1つの手段です。

20代など借り入れ時の年齢が若い場合は、返済期間を長くすることも検討しましょう。

ただし注意点として、返済期間を長くすれば返済比率は抑えられても、総返済額は増えることになります。

加えて借り入れ時の年齢が30代後半~40代の方は、老後も住宅ローンの返済が続くことで、老後生活の負担が重くなる可能性もあります。

借り入れ時の年齢が若い世帯や将来的に収入が増える見込みのある世帯であれば、長期返済のリスクは少ないです。

しかしそれ以外の世帯では、返済が長期化することによってさまざまなリスクが生じる可能性があるので、注意しておかなければなりません。

返済期間の延長で返済比率を抑える方法は、あくまで最終手段です。

返済比率が高いからといって安易に長期返済に変更しないよう、まずは頭金などで対処するようにしてくださいね。

住宅ローンの返済に苦労しない為のポイント

住宅ローンの返済で苦労しないためには、 

といったポイントが重要です。

1つずつ解説していきましょう。

返済によって家計が圧迫されない金額で住宅ローンを組む

返済に苦労しない住宅ローンの基本は、

  • 家計が圧迫されないこと
  • 日常生活に支障が出ない範囲で住宅ローンを組むこと

です。

マイホームは家族の生活の中心になる場所です。しかし家族の生活に影響が出るほど無理のある借り入れをすれば、いずれ生活も破綻することになります。

家族のためのマイホームが家族の生活を壊してしまうなんて、本末転倒ですよね。

住宅ローンはあくまで家庭の一部で、中心になってはいけないのです。

家計に優しい返済額にするためには、先述した「手取り収入の20%以下になる返済比率」で住宅ローンを組むことが大切です。

手取り収入の20%以下であれば不測の事態にも対処しやすく、安定して返済できるでしょう。

繰り上げ返済を活用して利息を減らす

住宅ローンは組んでからが本番なので、借り入れ後も定期的に繰り上げ返済を活用し、総返済額を減らすように努めましょう。

繰り上げ返済のメリットは、やはり手軽に利息を軽減できる点です。利息額を軽減できれば総返済額も少なくなりますし、完済時期の短縮にも有効です。

最近ではインターネットからの繰り上げ返済なら手数料が無料になる金融機関がほとんどです。

こうした繰り上げ返済の手数料体系も確認して住宅ローンを決めると、繰り上げ返済をより活用しやすくなりますよ。

繰り上げ返済のタイミングについては、こちらの記事も参考にしてください。

関連記事住宅ローンの繰上げ返済タイミング!借り入れ金利1%より高いか低いかで見極める

住宅ローン控除やすまい給付金を活用する

2021年12月31日までの入居であれば、住宅ローン控除やすまい給付金の活用により負担を大きく減らすことができます。

それぞれの制度の簡単な概要は下記のとおりです。

住宅ローン控除とすまい給付金の概要

  • 住宅ローン控除:毎年の住宅ローン残高の1%を10年~13年間所得税から控除できる制度
  • すまい給付金:年収に応じて最大50万円の給付金が受け取れる制度

住宅ローン控除は所得税を大幅に軽減でき、すまい給付金は給付金で負担を軽減できるのが大きなメリットです。

いずれの制度も

  • 申請しなければ制度の恩恵は受けられない
  • 消費税増税対策のため実施期間が限定されている

という点に要注意です。

これらの制度を活用する場合は速やかに手続きを行い、フル活用できるようにしてくださいね。

各制度についての詳細はこちらの記事も参照してください。

関連記事家を買ったら住宅ローン控除(減税)の申請をしよう!条件や申請方法を解説

関連記事すまい給付金」で家を買う時の負担を軽減しよう!給付額や申請方法を解説

まとめ

住宅ローンを無理なく返済していくためには、適正な返済比率を考慮した借り入れが大切です。

返済比率を考慮するうえで重要なポイントは、

  • 手取り収入に対する理想の返済比率は20%以下
  • 20%以下の理由は収支変動や住宅ローン以外の住宅関連費に対処するため 
  • 金融機関の返済比率の目安は25%~35%だが、あくまで申込要件の一つ。無理のない返済を保障するものではない
  • 返済比率が高い場合は頭金の増額や他ローンの完済などで対処すること

の4つです。

ご紹介したポイントを参考に借り入れすれば、苦労することなく安定した返済ができます。

返済破綻を防ぐためにも、住宅ローンを借り入れする際は返済比率を念頭においてシミュレーションするようにしましょう。

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