• 2020.05.14

住宅ローンは借り換えと繰り上げ返済どちらを選ぶべきか徹底解説

お札の上にある英の模型
auじぶん銀行
住宅ローンを借り換えるか繰り上げ返済、自分の場合はどちらがお得になるんだろう?

と悩んでいませんか?

超低金利ないまのうちに借り換えしたほうが良いのか、それとも手軽な繰り上げ返済で早期完済を目指すべきか。

どちらにしても利息の軽減効果は期待できますが、できることならより有利な方法を選びたいですよね。

そこで当記事では、借り換えと繰り上げ返済の違いや具体的な比較シミュレーションをわかりやすく解説していきます。

具体的なメリットの差額も計算し掲載しています。

「借り換えか繰り上げ返済、どちらを選ぶべきなのか悩んでいる」という方は参考になさってください。

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

政所温也

株式会社Choices 代表取締役

2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士 | 当サイトの執筆を担当している「政所温也」と申します。専門用語ばかりにならないよう、「わかりやすく行動しやすい」執筆を心がけています。ぜひ参考にしてみてください。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

繰り上げ返済と借り換えの違い

繰り上げ返済と借り換えはどちらも住宅ローンの負担を軽減できる方法ですが、それぞれには以下のような違いがあります。

繰り上げ返済と借り換えの違い

  • 繰り上げ返済
    …住宅ローンの契約はそのままで元金を減らし、利息を軽減する
  • 借り換え
    …住宅ローン契約そのものを見直して利息を軽減する

住宅ローンの契約をそのままで見直しする繰り上げ返済は、諸費用も安く手続きも手軽です。

対して住宅ローン契約そのものを見直す借り換えは、諸費用が高く手続きも手間もかかりがちです。

これだけを聞くと、

繰り上げ返済のほうが良いのでは?

と思うかもしれません。

しかしながら借り換えは契約そのものを変えられるからこそ、状況によって大きな利息軽減効果を得られるメリットがあるわけです。

つまり手軽さで言えば繰り上げ返済が有利ですが、利息軽減効果という点では借り換えしたほうが有利になるケースが多いということです。

借り換えと繰り上げ返済、一概にどちらが良いとはいえません。

したがって上記のような違いがあることを理解したうえで、ご自身に適した方法を選択するのが重要ですよ。

繰り上げ返済の仕組みが分からない方は、下記の記事を参照ください。

関連記事住宅ローンの繰上げ返済タイミング!借り入れ金利1%より高いか低いかで見極める

借り換えと繰り上げ返済どちらを選択するべきか比較

借り換えと繰り上げ返済の選択で悩んだら、

  • 利息軽減効果にどの程度の差があるのか
  • 総返済額がどれだけ変わるのか

をシミュレーションで比較してみましょう。

なぜこのように比較するのかといえば、具体的なメリットを見て判断しやすくなるからです。

両方のメリットを見て「これだけお得になるなら借り換えしたい」と思う方もいれば、

これだけの金額しか違わないなら手軽な繰り上げ返済で良いかな

と思う方もいるでしょう。

住宅ローンの負担がどの程度変わるかを可視化できれば、ご自身の中で「どちらにすべきか」という線引きをしやすくなります。

具体的な数字を見ると意外とすんなり判断できるものですよ。

ここでは、

  1. 借り換え費用の同額を繰り上げ返済に充てる場合
  2. 借り換え費用と同等のコストカットを繰り上げ返済で実現する場合

という2パターンの比較シミュレーションをご紹介していきましょう。

借り換え費用と同額繰り上げ返済に充てる場合

ここでは借り換え費用の同額を繰り上げ返済に充てた場合、どの程度総返済額が変わるのかを比較しました。

シミュレーション条件と比較表は下記のとおりです。

当初の返済条件

  • 借入金額 4,000万円
  • 返済期間 35年
  • 金利年 2.0%(固定金利を想定)
  • ボーナス返済なし
  • 元利均等返済

当初の条件のまま35年間住宅ローンを返済した場合、諸費用の114万円と借入返済総額を合計して約5,679万円の総返済額となります。


そのまま返済を続けた場合の返済額
毎月の返済額 132,505円
総返済額 55,651,862円
当初諸費用 1,140,000円
総額 56,791,862円

住宅保証機構の返済額シミュレーションを使用し算出。
※各返済額はあくまで概算値です。実際には融資実行日のズレによりわずかな差額が生じる場合があります。

ここから15年後に借り換えをした場合と、同じく15年後に繰り上げ返済をした場合で、返済額の差がどうなるのかを見てみましょう。

借り換えをした場合

借り入れから15年後に「金利1.25%」の住宅ローンに借り換えた場合、総返済額で約135万円の軽減になります

借り換えをした場合の返済額の違い
  そのまま返済を続けた場合 15年後に借り換え 差額
毎月の返済額 132,541円 123,437円 -9,104円
総返済額(残りの20年間) 31,809,821円 29,648,964円 -2,160,857円
借り換え諸費用 0円 803,200円 +803,200円
諸費用を含めた住宅ローン総額(残りの20年間) 31,809,821円 30,452,164円 -1,357,657円

※借り換え条件:住宅ローン残高 2,620万円 / 残りの返済期間 20年 / 借り換え後の金利 年1.25% / 諸費用80万3,200円 / ボーナス払いなし / 元利均等返済
※住宅保証機構の返済額シミュレーションを使用し算出。
※各返済額はあくまで概算値です。実際には融資実行日のズレによりわずかな差額が生じる場合があります。

借り換えには諸費用が必要になりますが、完済までの総額で見れば、返済負担を大きく軽減できることが分かります。

繰り上げ返済をした場合

借り換えから15年後に繰り上げ返済をした場合、約17万円~約38万円の返済負担軽減になります

期間短縮型で繰り上げ返済をした場合
  そのまま返済を続けた場合 繰り上げ返済(期間短縮型) 差額
毎月の返済額 132,505円 132,505円 ±0円
総返済額 55,651,862円 55,264,328円 -387,534円
当初諸費用 1,140,000円 1,140,000円 ±0円
諸費用を含めた住宅ローン総額 56,791,862円 56,404,328円 -387,534円

※繰り上げ返済時の条件:残りの返済期間20年 / 繰り上げ返済金額805,011円 / 期間短縮型を利用
※住宅保証機構の返済額シミュレーションを使用し算出。
※各返済額はあくまで概算値です。実際には融資実行日のズレによりわずかな差額が生じる場合があります。


返済額軽減型で繰り上げ返済をした場合
  そのまま返済を続けた場合 繰り上げ返済(返済額軽減型) 差額
毎月の返済額 132,505円 128,457円 -4,048円
総返済額 55,651,862円 55,480,622円 -171,240円
当初諸費用 1,140,000円 1,140,000円 ±0円
諸費用を含めた住宅ローン総額 56,791,862円 56,620,622円 -171,240円

※繰り上げ返済時の条件:残りの返済期間20年 / 繰り上げ返済金額800,000円 / 返済額軽減型を利用
※住宅保証機構の返済額シミュレーションを使用し算出。
※各返済額はあくまで概算値です。実際には融資実行日のズレによりわずかな差額が生じる場合があります。

当初の金利年2.0%のままで繰り上げ返済するよりも、借り換えで金利を年1.25%に引き下げたほうが、総返済額をよりお得にできることがわかりますね

上記のように当初の金利が比較的高い場合は、繰り上げ返済より借り換えをしたほうがお得になるケースが多いです。

借り換えるかどうかを判断する一般的な目安は「金利差が年1.0%以上」と言われていますが、今回の例では年0.75%の金利差でも十分借り換えメリットのある結果になりました。

他にも借り換えでメリットを得やすいケースを挙げると、

  • 残りの返済期間が長い
  • 借入残高が多い

という条件を満たしている場合です。

これらのケースでは借り換えによるメリットが大きくなりやすいので、ご自身の状況に当てはめて検討してみてください。

借り換えか繰り上げ返済で悩んでいる方は上記のようなシミュレーションを行い、総返済額のお得度を冷静に比較してみましょう。

関連記事借り換えにおすすめの住宅ローン7選!失敗しないために知るべきポイントも解説

借り換え費用と同等のコストカットを繰り上げ返済で実現する場合

次は、借り換え費用と同等のコストカットを繰り上げ返済で実現する場合に、繰り上げ返済費用がいくら必要になるのかを見てみましょう。

返済条件は先述のままでコストカットを同額にするため、繰り上げ返済の金額だけを変えたシミュレーションを以下にまとめました。

期間短縮型で繰り上げ返済をした場合
  そのまま返済を続けた場合 繰り上げ返済(期間短縮型) 差額
毎月の返済額 132,505円 132,505円 ±0円
総返済額 55,651,862円 54,290,830円 -1,361,032円
当初諸費用 1,140,000円 1,140,000円 ±0円
諸費用を含めた住宅ローン総額 56,791,862円 55,430,830円 -1,361,032円

※繰り上げ返済時の条件:残りの返済期間20年 / 繰り上げ返済金額3,011,633円 / 期間短縮型を利用
※住宅保証機構の返済額シミュレーションを使用し算出。
※各返済額はあくまで概算値です。実際には融資実行日のズレによりわずかな差額が生じる場合があります。

先ほど触れた「借り換え費用と同額を繰り上げ返済に充てる場合」のシミュレーションでは、15年後に借り換えで総返済額を約135万円軽減できる結果でした。

その借り換えによる135万円というコストカットを繰り上げ返済で実現するためには、利息軽減効果の大きい期間短縮型でも「約300万円」もの繰り上げ返済が必要になります。

aつまり借り換えだったら初期費用の約80万円の負担だけで済むのに、繰り上げ返済だと300万円以上もの自己負担が必要になってくるということです。

いくらコストカットが同額でも必要資金額がこれだけ違うと、繰り上げ返済のハードルはとても高くなりますよね。

繰り上げ返済は住宅ローンの契約自体そのままという手軽さが魅力ですが、住宅ローンの状況次第では借り換えしたほうが、負担も軽くなる可能性があります。

借り換えか繰り上げ返済かで悩んだら、

自己資金をどれだけ用意できるのか?
自己資金を支払っても家計に影響はないか

という点も考慮したうえで、ご自身にとって適切な見直し方法を選択してくださいね。

借り換えや繰り上げ返済をする際の注意点

借り換えや繰り上げ返済による住宅ローンの見直しで起こるのは、当然ながらメリットだけではありません。

いくつか注意しておくべき点も存在します。

借り換えの場合と繰り上げ返済の場合で生じる気をつけるべきポイントが異なるため、それぞれに分けて解説していきますね。

借り換えの場合

借り換えでは、「金利の低さだけで無計画に変動金利を選んでしまった」というケースには注意が必要です。

変動金利の場合、将来の金利変動によっては結果的に損失を被る可能性があるので要注意です

特に損をする可能性があるのは、現在全期間固定金利の方が変動金利に借り換えるケースです。

一般的に全期間固定金利は変動金利より金利が高く設定されていますが、その分完済まで金利は変わらず返済額も固定されます。

対して借り換えで変動金利を選んだ場合、その低金利は半年間しか約束されていません。

つまり低金利を求めて変動金利にしても借り換え後に金利が上昇すれば、簡単に返済額も上がってしまうのです。

せっかく諸費用を支払って借り換えしたのに、金利上昇のため借り換え前より総返済額が高くなった

という事態に陥ってしまっては本末転倒です。

このような事態を避けるため、全期間固定金利から変動金利の借り換えを検討する場合は金利が上昇する前提でシミュレーションをしておきましょう。

金利上昇の前提でシミュレーションをしても総返済額がお得になるなら、全期間固定金利から変動金利による借り換えデメリットは少なくなるはずです。

もし「金利上昇を加味すると総返済額はさほどお得にならない」なら、リスクをふまえたうえで借り換えを慎重に検討するようにしましょう。

関連記事【変動金利は怖くない】金利上昇リスクを抑える5つのポイント!仕組みを交えて解説

繰り上げ返済の場合

手軽にできる繰り上げ返済ですが、

  • 住宅ローン控除(減税)利用中の場合など状況によっては最大限の利息軽減効果が得られない
  • 手元の資金を使うことで、いざというときにまとまった支払いができなくなる

というデメリットが生じる可能性があるので要注意です。

特に気を付けたいのが、住宅ローン控除を利用中の場合です。

住宅ローン控除を利用中に繰り上げ返済すると住宅ローン残高が減り、その結果所得税や住民税の軽減額が少なくなる可能性があります。

住宅ローン控除を利用中の方が繰り上げ返済を検討する場合には要注意ですね。

ただし住宅ローン控除で軽減される税金は、あくまで利用者が納税した金額がベースです。

納税額が少なく、住宅ローン控除の軽減額以上に残高がある」という場合は、繰り上げ返済で多少残高を減らしてもデメリットになることはないでしょう。

このように繰り上げ返済で住宅ローン控除に影響が出るかどうかは、利用者の状況によって変わってきます。

したがって繰り上げ返済を利用する際は

  • 利息軽減効果を最大限得られる状況かどうか
  • 繰り上げ返済による利息軽減額と住宅ローン控除の軽減税額を比較し、よく検討する
  • 手元の資金を使いすぎないように、万一のことが起きても対処できるくらいの貯金は残しておく

ことが大切です。

まとめ

住宅ローンの借り換えと繰り上げ返済は、「契約そのものを見直すかどうか」という大きな違いがあります。

そのため両者を比較する際は、それぞれの特徴を理解しておくことが大切ですよ。

その他、当記事で重要なポイントは以下の4つです。

重要ポイント

  • 契約そのものを見直す借り換えは利息軽減効果も大きいが、契約を切り替える手続きに手間がかかる
  • 契約を変えない繰り上げ返済は手軽に利用可能だが、借り換えに比べると利息軽減効果はさほど大きくない
  • 借り換えで変動金利に切り替える際は、金利上昇に気をつける
  • 繰り上げ返済は住宅ローン控除との兼ね合いや手持ち資金の残高に注意する

いずれのポイントも重要なので、忘れないようにチェックしておいてください。

もし借り換えか繰り上げ返済かで悩んだときは、総返済額をシミュレーションで比較すると判断しやすくなりますよ。

ご紹介したシミュレーションや重要ポイントを参考に、ご自身に適した方法で住宅ローンを見直しましょう。

関連記事借り換えにおすすめの住宅ローン7選!失敗しないために知るべきポイントも解説

関連記事【変動金利は怖くない】金利上昇リスクを抑える5つのポイント!仕組みを交えて解説

保険相談
スポンサーリンク

住宅ローン シミュレーション
auじぶん銀行
おすすめ住宅ローン
新生銀行
満足度
4.1
新生銀行
最低金利
0.450%

2020年06月適用金利

変動金利

総合人気ランキング
1位 auじぶん銀行
満足度
4.7
auじぶん銀行
最低金利
0.380%

2020年06月適用金利

変動金利

全期間引下げプラン

じぶんでんきをセットでご契約の場合

2位 住信SBIネット銀行
満足度
4.5
住信SBIネット銀行
最低金利
0.428%

2020年06月適用金利

変動金利

借り換え金利

3位 新生銀行
満足度
4.1
新生銀行
最低金利
0.450%

2020年06月適用金利

変動金利

総合人気ランキングを全て見る

おすすめの記事ランキング

新着記事