• 2020.06.22

住宅ローン控除には耐震基準適合証明書が必要?確定申告のときに慌てないよう準備しておくコツ

耐震基準適合証明書アイキャッチ

長らく住宅ローンの低金利が続いているうえ、住宅借入金等特別控除(以下、住宅ローン控除)という税控除も受けられる現在、住宅の購入を検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし、築古の中古住宅を購入した場合、住宅ローン控除の申請にあたり、税務署から「耐震基準適合証明書を出してください」といわれ、困ってしまう人が少なくありません。

以下の住宅を購入する場合、税控除の申請にあたり耐震診断適合証明書が必要になります。

  • 耐火建築物(マンションなど)の場合:
    築25年以上の物件
  • 耐火建築物以外(木造戸建てなど)の場合:
    築20年以上の物件

この記事では、耐震診断適合証明書の内容や使い道のほか、その取得方法などについて解説します。

この記事を執筆・監修している専門家

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

監修者

中野良唯

ジョインコントラスト株式会社

保有資格・検定

AFP、宅地建物取引士

大手ハウスメーカーでの営業所長を経て、生命保険会社へFPとして転職。 その後、独立系FPとしてコンサルティングの幅を広げるためジョインコントラスト株式会社へ移籍。 現在は「家計教師.com」に所属するFPとして、家計の個別コンサルティングや各種セミナー、企業や学校などで講演会なども行なっています。

執筆者

秦 創平

ライター

保有資格・検定

管理業務主任者、シニアライフコンサルタント

国内不動産会社の経験が10年・海外不動産投資会社の経験が2年あり。一般的な住宅から投資物件まで取り扱ってきた。現在はフリーライターとして不動産関連の記事を中心に執筆している。

住宅ローン控除に必要は「耐震基準適合証明書」とは

耐震基準適合証明書とは

建物の耐震性を証明するための書類です。
中古物件を購入した場合、住宅ローンの税控除を受けるために必要になることがあります。

住宅ローンの税控除を申請するには、購入する住宅が「現行の耐震基準」を満たしている必要があります

耐震基準は建築基準法の中で定められており、現行の耐震基準は1981年に改正された基準です。

よく「新耐震基準」と呼ばれています。

1981年以降、建築基準法で定められている耐震基準に変化はありません。

しかし、日本で大きな地震があるたびに「耐震改修促進法」という法律や「住宅の品質確保の促進等に関する法律(=品確法)」などが制定されています。

品確法は2001年に制定されており、品確法の中に「耐震等級」という基準が定められました。

耐震性能耐震等級とは別の基準なので、混同しないように注意しましょう

耐震基準適合証明書は、建物が「耐震基準」を満たしていれば取得できます。

耐震基準適合証明書を発行する6つのメリット

住宅購入時点で耐震基準適合証明書が手元にない場合、証明書を取得するため、耐震診断を受ける必要に迫られることもあります。

耐震診断を受けるためには、専門業者に依頼するなどの手間や診断料などのコストが必要です。

また、診断した結果で耐震改修が必要と判断されると、さらなる出費をすることになるので、多くの家主は耐震診断に積極的ではないという問題もあります。

一方、日本では度々大きな地震が起きていることから、行政では建物の耐震化を促すべく、建物の耐震診断に関する補助制度を設けています。

時間やコストがかかる耐震診断ですが、行政からの支援を受けられる上に、
耐震基準適合証明書を取得できれば受けられるメリットも多いです。

「耐震基準適合証明書」取得のメリット

  1. 築年数が古い住宅でもローン控除を受けられる
  2. 登録免許税が安くなる
  3. 不動産取得税が安くなる
  4. マイホーム取得資金は贈与税の特例を受けることができる
  5. 地震保険料が10%割り引かれる
  6. 住宅の耐震性について安心できる

築年数が古い住宅でもローン控除を受けられる

住宅ローンの税控除対象とされる建物には、建築年数に関する基準があります。

  • 耐火構造の建物(マンションなど):
    築25年以内の建物であること
  • 非耐火構造の建物(木造戸建てなど):
    築20年以内の建物であること

耐火構造の建物とはコンクリート造の建物を指し、非耐火構造の建物とは木造の建物のことを指していると捉えてよいでしょう。

つまり、中古住宅を購入したときに、基準以上の築年数が経過している建物だと住宅ローンの税控除を受けられません。

しかし、耐震基準適合証明書があれば、築年数が経過している建物であっても税控除を受けられます。

住宅ローンの税控除制度は広く知られていますが、この基準は世間にあまり浸透していません。

また、耐震基準適合証明書が手元になく、税務署から提出を求められて初めて知るというケースが少なくありません。

不動産会社に問い合わせた頃には手遅れとなっていることがほとんどなので、住宅ローンを利用して築古の中古住宅を購入するのであれば、必ず事前に確認しておきましょう。

登録免許税が安くなる

住宅を購入すると、法務局に届け出て住宅の所有権を登記する必要があります。

また、住宅ローンを利用すると、建物に金融機関の抵当権が設定されますが、この抵当権も同様に法務局で登記手続きを行います。

法務局で各権利を登記するためには、登録免許税を納めることが必要です。

登録免許税は、土地や建物の固定資産税評価額に税率をかけて計算します。

税率については以下の通りです。

土地の所有権移転登記 2.0%
建物の所有権移転登記 2.0%
抵当権設定登記 0.4%

耐震基準適合証明書を取得すると、これらの税率が下がります。

軽減後の税率は、所有権移転登記が0.3%、抵当権設定登記が0.1%です。

それぞれ4分の1からそれ以下まで税率が下がりますので、大きな節税効果を得られます。

ただし、注意が必要なのは登録免許税の減税を受けるには、あらかじめ行政から「住宅家屋証明書」という書類を取得する必要がある点です。

なお、築20年以上が経過している一戸建てを購入した場合には、住宅家屋証明書を取得する際、行政に耐震基準適合証明書を提出しなければなりません。

不動産取得税が安くなる

不動産を新たに購入すると、不動産取得税がかかります。耐震基準適合証明書を取得すると、不動産取得税の減税も可能です。

なお、土地も不動産に含まれるので、土地付きの戸建てを購入した場合には、土地に関する不動産取得税も課税されます。

証明書の取得による減税額は、土地が最低45,000円で、建物については築年数により異なります。

マイホーム取得資金は贈与税の特例を受けることができる

子が住宅を購入するにあたり、親が購入資金を用意して子に渡すことがありますが、これは法律上の贈与に相当します。

贈与する金額が非課税枠を超える場合には、贈与税が発生し、子は税金を納めなくてはなりません。

しかし、住宅購入資金を贈与する場合には、

  • 住宅資金等取得資金の贈与税の非課税の特例
  • 相続時精算課税選択の特例

のどちらかを受けることができます。

住宅資金等取得資金の贈与税の特例

贈与を受ける年度と購入する住宅性能によりますが、上限で1500万円まで非課税。

相続時精算課税選択の特例

上限2500万円までを相続発生時まで繰り延べることができます。

それぞれの特例を上手に活用することにより、親・祖父母から住宅資金援助の際に、贈与税を発生させずに受取ることも可能となります。

これらの特例は、資金の贈与をしやすくすることによって、住宅の取得を促すために制定されたものです。

ただし、中古住宅を購入する場合は特例を受けるために、築年数に関する条件をクリアする必要があります。

築年数に関する条件については、住宅ローン控除の条件と同じです。

  • 耐火構造の建物:
    築25年以内の建物であること
  • 非耐火構造の建物:
    築20年以内の建物であること

もし築年数が基準を満たしていなくても、耐震性能適合証明書を提出すれば特例を受けられます。

地震保険料が10%割り引かれる

近年では、大地震も発生することから、地震保険に加入したいと思う人も多いでしょう。

しかし、一般的に地震保険の保険料は割高といわれています。

耐震基準適合証明書があれば、地震保険料の10%割引を受けられます。

住宅の耐震性について安心できる

国は、大地震が起きるたびに建物の耐震性能に関する見直しを図り、新たな制度や基準を策定してきました。

耐震基準は少し前に制定されたものですが、見方によっては、現存する建物が最低限満たしているべき基準ともいえます。

地震はいつ起こるかわからないので、自分が住んでいる住宅が耐震基準を満たしていることを確認できるだけでも、常日頃の安心感につながるでしょう。

耐震基準適合証明書は複数枚用意しよう

耐震基準適合証明書の一番身近な使い道は住宅ローンの控除ですが、ここまで紹介してきたように、税控除以外にも様々な使い道があり、それぞれにメリットがあります。

新たに証明書を取得するのであれば、あらかじめ複数枚数用意しておく方がよいでしょう。

耐震基準適合証明書が必要になるタイミング

証明書取得に関するさまざまなメリットを紹介しましたが、証明書が必要になるタイミングはそれぞれ異なります。

以下の表をご参照ください。

証明書の使途 タイミング
住宅ローンの税控除 住宅に住み始めた翌年の確定申告
登録免許税の軽減 住宅の所有権を登記するとき
不動産取得税の軽減 住宅の取得後、60日以内
相続時精算課税の特例 所有権移転登記日までに取得が必要
地震保険料の割引 地震保険申し込みのとき

耐震基準適合証明書の取得のために必要な手続きと費用

住宅を購入するときに、売主側ですでに証明書を控えていれば、証明書を受け取るだけで済みます。

しかし、築古の住宅を購入するにあたり、あらかじめ証明書を用意してもらえることはあまりありません。

自分で証明書を取得するためには、どのような手続きを踏めばいいのか、また費用がいくらかかるのかについて解説します。

耐震診断の受診

耐震基準適合証明書を取得するためには、耐震診断を受診する必要があります。

耐震診断には予備診断と現地調査の二段階に分けられるのが一般的です。

予備診断では、建物の使用履歴や経年劣化、設計図書の有無などを確認し、どのような現地調査を行うかを決定します。

また、現地調査の主な内容は、コンクリート造の場合はコンクリートの劣化状況確認や中性化試験、ひび割れ有無の目視検査などです。

耐震診断の費用は構造によって異なる

なお、耐震診断の費用については、一般社団法人 日本耐震診断協会が目安を公表しています。

建物の構造が鉄筋コンクリート造か木造かによって費用は異なり、それぞれ以下のとおりとなっています。

鉄筋コンクリート造の建物 面積によって費用が異なり、
1,000円/㎡〜2,500円/㎡
木造の建物 20万円〜50万円程度

簡易診断は無償ですが本診断は有償であり、耐震基準適合証明書の取得という観点で見ると、簡易診断のみで証明書取得できるかは結果次第となります。

耐震基準適合証明書の発行

住宅ローンの税控除を申請する場合は、住宅の売買契約を締結後に、証明書発行の仮申請が必要です。

住宅の引渡し後に耐震診断を行い、基準に適合していることが確認されたら発行手続きを行います。

委託先によりますが、証明書の取得費用は3万円〜5万円程度が相場です。

最初の仮申請が漏れていると、証明書の発行手続きに入れないので注意しましょう。 

(要件を満たしていない場合)耐震改修工事

耐震診断を実施した結果、基準不適合が判明した場合は耐震改修工事が必要です。

耐震改修工事の主な内容としては、「壁を増やす」「壁の配置を変えてバランスを整える」「壁同士の接合部を強化する」などがあります。

工事に関しては、箇所数や内容次第ですが、100万円〜150万円程度を見込んでおきましょう。

なお、耐震診断・耐震改修工事とも自治体による補助制度が制定されていることもあります。

診断および工事の実施前には、webなどであらかじめ調べておくようにしましょう。

まとめ

築古の住宅を購入する場合、住宅ローンの税控除を受けるためには、耐震基準適合証明書を取得する必要に迫られる場合があります。

なお、耐震基準適合証明書は、住宅ローンの税控除以外にも様々な使い道があるので、新たに取得する場合は複数枚数用意しておくとよいでしょう。

住宅の売主が証明書を持っていなかった場合は、自分で耐震診断を実施のうえ、証明書取得手続きをとる必要があります。

耐震診断と耐震改修工事の実施にあたっては、自治体の補助を受けられることもあるので、あらかじめ確認しておきましょう。
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