• 2020.07.07

ペアローンのメリット・デメリットは? 連帯保証・連帯債務との違いも解説

夫婦で住宅ローンを利用する方法には、大きく3つ、

  1. ペアローン
  2. 連帯債務
  3. 連帯保証

の方法があります。

しかし、以下のような疑問を持つ方も多いでしょう。

  • それぞれにどのようなメリット・デメリットがあるのかわからない
  • それぞれの方法を利用するときの注意点を知りたい
  • 自分に合っている利用方法はどれなのか判断がつかない

この記事では、それぞれの方法のメリット・デメリットや注意点を解説しているほか、自分にあっている方法はどれなのかフローチャートで判断できます。

また、夫婦で住宅ローンを組む場合におすすめの金融機関なども紹介していますので、住宅ローンを検討する際に参考にしてみてください。

この記事を執筆・監修している専門家

監修者

白坂大介

ジョインコントラスト株式会社 代表取締役

保有資格・検定

2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、証券外務員1種

お客様と一生涯のお付き合いができる仕事に憧れ、大学卒業と同時にハウスメーカーに就職。 2008年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。 2013年にはジョインコントラスト株式会社を設立し、webサイト「家計教師.com」を運営。 主にマイホーム購入や住宅ローン、生命保険、資産運用など、一般家庭向けのコンサルティングや講演会を行なっている。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

執筆者

秦 創平

ライター

保有資格・検定

管理業務主任者、シニアライフコンサルタント

国内不動産会社の経験が10年・海外不動産投資会社の経験が2年あり。一般的な住宅から投資物件まで取り扱ってきた。現在はフリーライターとして不動産関連の記事を中心に執筆している。

ペアローンを利用する3つのメリット

住宅購入にあたってペアローンを利用するメリットは以下の3つです。

ペアローンを利用するメリット
  1. 借入金額が増える
  2. 団体信用生命保険に夫婦それぞれが加入できる
  3. 夫婦それぞれで住宅ローン控除を受けられる

それぞれのメリット位ついて、詳しく見ていきましょう。 

メリット1:借入可能額が増える

住宅ローンの審査にあたって重要なポイントは2点あります。

1点目は借りる人の収入です。

審査の上では、収入が多ければ借入金額を増やすことができます。

もう一つは、毎月の返済額が毎月の収入に対して占める割合で、これを返済比率と呼びます。

返済比率が高い場合、年収に対する返済額の負担が大きくなるため、審査には通りづらくなるため注意が必要です。

それらの視点からペアローンでは、夫婦それぞれで年収を基準としてローンを組むので、審査対象となる収入の合計額を多くすることができます

例えば同じ金額をローンで借りるとしても、収入が多くなればなるほど、返済比率が下がります。

夫婦どちらかでは、返済比率が高すぎて審査が通らない場合でも、ペアローンであれば借りることができる可能性が高くなるのです。

メリット2:団体信用生命保険は夫婦それぞれが加入できる

団体信用生命保険(団信)とは

融資の契約者が亡くなってしまった場合などに、住宅ローンの残債と同額の死亡保険金が支払われて残りのローン返済が不要となる保険のことです

多くの住宅ローンではこの保険に加入することが融資条件となっています。

もしも、夫が単独名義でローンを契約した場合、団体信用生命保険に加入するのは夫だけです。

そのため、共働きで夫婦が協力しながらローン返済していたとしても、妻が亡くなってしまった場合には保険金は支払われません。

この場合、その後も夫が単独で残りのローンを返済していくことになるので、収入に対する返済の負担は大きくなります。

その点、ペアローンであれば、夫婦がそれぞれ団体信用生命保険に加入できます。共働きで片方に万一のことがあっても安心できるでしょう。

なお、最近では死亡リスク以外にも、がんに罹患したり、特定の病気になって働けなくなった場合にも保障される保険なども増えており、団体信用生命保険の商品内容は充実しています。

死亡・病気・就労不能などさまざまな特約があるので、事前に確認してみるとよいでしょう。

メリット3:夫婦それぞれで住宅ローン控除を受けられる

住宅ローン控除

住宅の購入を促進するために国が定める税の優遇制度の一つです。
住宅ローンを借りると、ローンの残高に対して一定の割合を所得税と住民税から減税が受けられます。

住宅ローン控除を受けられるのは住宅ローンの契約者のみです。共働き夫婦であっても、ローン契約者がどちらか片方のみでの単独のローンであれば、片方の税金しか控除されません

しかし、ペアローンであれば夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられます。

受けられる控除額は、年末時点の住宅ローン残高に対して1%で、最大の控除額は年間40万円となっています。つまり、住宅ローン残高4,000万円の場合に最大40万円の控除が可能となります。

ただし、実際に支払っている税金以上には控除は受けられませんので、控除枠を余らせてしまう場合には、上手にペアローンを利用して控除を最大限活用することが重要です。

連帯保証の場合は主債務者のみ控除の対象になる

住宅ローン控除の対象となるのは、あくまでもローンの契約者のみであり、連帯保証人は控除の対象となりません。

どちらか一人が主たる債務者で、もう一方の一人が連帯保証人という住宅ローンの契約形態では、主たる債務者の一人分しか住宅ローンの控除対象とならないので、注意しましょう。

ペアローンのデメリットと対策

ペアローンにはメリットばかりではなく、以下のようなデメリットもあります。

ペアローン利用のデメリット

それぞれについて、詳細と対策を見ていきましょう。 

デメリット1:印紙代は2回分必要になる

夫婦がそれぞれ主たる債務者となって住宅ローンを組むと、金融機関とはそれぞれが契約することとなり、契約書も2人それぞれで作成することになります。

住宅ローンの契約の際には、初期費用として契約書に貼付する印紙代がかかりますが、この印紙代は契約書1通ずつに対して発生します。

つまり、ペアローンで夫婦がそれぞれローン契約すると、印紙代も契約書2通分発生するのです。

印紙代は記載された契約金額によって異なりますが、1,000万円超5,000万円以下の場合は一通2万円、2通分で4万円になります。

対策:印紙代不要の住宅ローンを利用する

印紙代がかさんでしまうデメリットは、印紙代不要の住宅ローンを利用することで解決できます。

近年では従来の都市銀行などに加えて、ネット銀行も住宅ローン商品をそろえています。

例えば、「auじぶん銀行」は契約の際に印紙代がかかりません。

auじぶん銀行とそのローン商品については、後述の項で詳細を解説します。

デメリット2:団信で一人分のローンしかカバーできない

メリットの項で「ペアローンであれば、夫婦二人とも団体信用生命保険に加入できる」とお伝えしたものの、団体信用生命保険はそれぞれの残債に対してしか保障されません。

つまり、存命の方の住宅ローンは返済が残ります。

もしも夫婦どちらかに不幸があった場合、返済負担は軽くなるものの、返済自体がすべてなくなるわけではない点に注意しましょう。

対策:夫婦それぞれの収入で無理のない借入額にする

団体信用生命保険に関するデメリットについては、夫婦それぞれの返済金額を調節することで解決するのが賢明です。

夫は夫の収入で無理なく返済できる範囲を契約し、妻も同様の範囲でローン契約するようにしましょう。

ペアローンは借入金額を増やすことができるメリットがあるものの、万一のことを考慮すると、借りすぎは禁物です。

ペアローンと連帯債務の違い

ローン返済の負担を夫婦で分ける方法として、ペアローンとは別に「連帯債務」という方法もあります。

ペアローンでは、夫婦それぞれがローン契約を締結するため、結果的に2つのローン契約を結びます。

一方、連帯債務では収入を夫婦で合算して審査するのですが、締結するローン契約は1本だけです。

ペアローンでは夫婦それぞれの収入によってローン金額を決定する一方、連帯債務では夫婦それぞれの住宅に関する持分を決定し、借入金額を持分に応じて分け合います。

ペアローンと連帯債務との主な違いは以下の表の通りです。

  ペアローン 連帯債務
ローン契約本数 2本 1本
ローン金額 夫婦それぞれの収入に応じて決める 住宅の持分比率に応じて分け合う
住宅ローン控除 夫婦それぞれ利用可能 夫婦それぞれ利用可能
団体信用生命保険 夫婦それぞれが加入可能 片方のみが加入可能
印紙代 契約2本分 契約1本分
契約手数料 契約2本分 契約1本分

連帯債務を利用する上でのメリットは「ローン契約は1本だけど夫婦で収入合算できる」ことです。

住宅金融支援機構が展開している「フラット35」は夫婦で収入を合算できます。

ペアローンと連帯債務、連帯保証どれを選ぶべきか

ローンの利用方法には、ペアローンと連帯債務のほかに連帯保証という方法もあります。

どれを利用するのが自分にとって最も有効なのか判断するためには、以下のフローチャートを利用してみてください。

ペアローンのフロチャート

どのような人がどれに向いているのか、具体的に解説します。

ペアローンに向いている人

以下のような方はペアローンの方が向いています。

ペアローンに向いてる人

  • 夫婦が二人とも健康である
  • 夫婦それぞれの生命保険料を節約したい
  • 初期費用の負担よりも返済の負担を軽減したい

ペアローンでは夫婦が二人とも団体信用生命保険に加入できると解説しましたが、団体信用生命保険に加入するためには、保険会社の診査を受ける必要があります。

一般の生命保険と同じく、団信でも健康状態に問題があると、保険に加入することができません

夫婦が二人とも健康状態に問題ないのであれば、団体信用生命保険の加入することができます。

団信に加入できることにより、家計支出の中でも大きな割合を占める住居の費用については、団体信用生命保険でカバーできることになるため、生命保険を見直すことも可能です。

さらには一般的な住宅ローンでは、団体信用生命保険の保険料を金融機関が負担してくれます。そのため生命保険料の節約にもつながります。

連帯債務型に向いている人

続いて、以下のような人は連帯債務型のローンが向いています。

連帯債務型のローンに向いてる人

  • 夫婦どちらかの健康状態に不安がある
  • 初期費用を抑えたい

前項で解説したように、団体信用生命保険には健康状態の診査があります。

夫婦どちらか一人が、持病や健康状態に問題があり団信に加入ができず、住宅ローンを借りることができない場合があります。そのような場合にはペアローンではなく、収入だけを合算する連帯債務型の住宅ローンを選択すると良いでしょう。

連帯債務型はどちらか一人しか団信には加入できないため、どちらか一人でも健康状態に問題がなければ、ローンを借りることが可能になります。

連帯保証型はメリットが少ない

もう一点、もし債務者が住宅ローンを返せない場合に連帯して返済義務を追うことになる連帯保証型という契約形態もありますが、ペアローンおよび連帯債務型と比較すると特段なにかメリットがあるというわけではありません

この場合、ローン契約が1本なので連帯債務型と同様に初期費用は抑えられますが、団体信用生命保険は債務者の1人しか加入できず、連帯保証人は住宅ローン控除の対象にもなりません。

特に何かメリットがあるというわけではありません。

ペアローンの場合には、それぞれが主たる債務者となりますが、同時にそれぞれが双方の連帯保証人となるケースが一般的です。

ペアローンの借入割合の決め方

ペアローンを利用する場合には、最初に夫婦それぞれの借入金額を決める必要があります。

借入額は住宅ローン控除額に影響するので、収入が多い方のローンを大きくするとよいでしょう。

ただし、無理な借入は禁物です。万一、返済中に一人が亡くなってしまった場合、団信の保障でその人の分の返済負担はなくなりますが、残された方の分の返済は当然残ります。

その場合にも返済を続けることができるよう、それぞれの収入に対する返済の負担を考慮して借り入れ額を決めましょう。

どうしてもローン返済全額の保障を備えたい場合には、別途、生命保険に加入するなどして対策をすることも可能です。

夫婦のどちらかが退職する可能性がある場合は要注意

夫婦のどちらかが仕事を退職すると、収入がなくなって住宅ローン控除のメリットを受けられなくなる上、毎月の返済額は退職前と変わらない金額が残ります

子どもが生まれたら仕事をやめて、家事に専念することを希望している場合など、将世帯の収入が大きく変動する可能性があるのであれば、注意が必要です。

団体信用生命保険は、退職したことによる収入の減少までは補償してくれません。

仕事を退職した後でも負担にならない返済額になるよう、住宅ローンを借りる前にしっかりとライフプランを立てましょう。

ペアローンが利用できるおすすめ銀行

現在ではさまざまな銀行がペアローンの商品をそろえていますが、おすすめなのは、auじぶん銀行と三井住友信託銀行です。 

おすすめの銀行

auじぶん銀行住宅ローン

auじぶん銀行の住宅ローンは、金利が金融機関の中でもトップクラスに低いうえ、団体信用生命保険の保障内容がとても充実しています。

主な商品概要は以下の通りです。

変動金利
0.380%

2020年07月適用金利

全期間引下げプラン

じぶんでんきをセットでご契約の場合

借入金額 500万円以上2億円以下
借入期間 1年以上35年以内
返済方法 元利均等返済または元金均等返済
事務手数料 借入金額の2.20%

※参照:auじぶん銀行 住宅ローン

一般的な団信では「死亡もしくは高度障害になった場合に、住宅ローンの残高が0円になる」という内容となっていて、その点ではどの銀行でも同じです。

しかし、auじぶん銀行住宅ローンでは一般団信に加えて「がん50%保障団信」と「全疾病保障」の2つの保障が0円で付帯します

「がん50%保障団信」は、住宅ローンの返済中に"がん"と診断されると、住宅ローン残高の50%が保障される団信です。

また、「全疾病保障」では、すべてのけが・病気*で入院が継続180日以上*となった場合に、住宅ローンの残高が0円になります

*精神障害を除く
*最初の31日は連続した入院である必要がある。

返済中のもしもに備える保障を0円で備えられるのは、auじぶん銀行住宅ローンの大きなメリットです。

三井住友信託銀行「リレープランフレックス」

三井住友信託銀行の住宅ローンも、auじぶん銀行と同じくとても低金利です。

複数用意されているプランは、どれも金利が低めで利用しやすくなっています。

主な商品概要は以下の通りです。

借入金利
0.475%

2020年07月適用金利

借入金額 100万円以上1億円以下
借入期間  1年以上35年以内
返済方法 元利均等返済または元金均等返済
事務手数料 借入金額の2.20%

三井住友信託銀行の住宅ローンは、auじぶん銀行のように、団体信用生命保険が充実しているわけではありませんが「ベビサポ」というサービスを展開しています。

サービス内容は以下の通りです。

  • 出産後一年間は金利を0.1%引き下げ(ペアローンの場合は夫婦ともに適用)
  • 提携企業の子育て用品や家事代行サービスなどを割引

住宅購入者の中でも、結婚や出産をきっかけに住宅の購入を検討する方はとても多いため、最初の住宅購入検討者にとっては使いやすいサービスといえるでしょう。

ペアローンでの繰り上げ返済のポイント

「どちらか片方だけ先に完済してしまいたい」という気持ちから、ペアローンの借入額が少ない方を集中的に繰り上げ返済する人は多いです。

しかし、近年の金利はこれまでにない低金利なので、繰り上げ返済の効果は薄いとする考え方もあります。

また、住宅ローン控除を受けている間は年末の残債に対する割合で減税額が決定されるので、急いで繰り上げ返済するメリットは大きくないと考えてもよいでしょう。

変動金利のローンを利用している状況で、金利が上がってきた時には、上がり幅次第で繰り上げ返済するメリットもあります。

しかしながら、不測の事態も考慮して、手元にある程度の余裕資金を残しておくことは重要です。

繰り上げ返済するのであれば、時期と返済額をよく検討するようにしましょう。

まとめ

ペアローンを利用するメリットは以下の通りです。

ペアローンを利用するメリット
  • 単独でローン利用するよりも借入額を増やせる
  • 夫婦それぞれが団体信用生命保険に加入できる
  • 夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられる

また、以下のような方はペアローンの利用に向いています。

  • 共働きをしていて借入額を増やしたい
  • 夫婦ともども健康である
  • 返済計画の立てやすさなどから全期間固定金利のローンを利用したい

ペアローンの利用にあたって注意すべきポイントは、初期費用が数万円上がることと、仕事を退職する予定があるかどうかを考慮して借入額の割り振りを考えることです。

うまくローンを組むことができれば、ペアローンは、金銭的なメリットをとても大きくすることができる方法です。

ぜひ、この記事を参考に利用を検討してみてください。

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