• 2020.06.05

住宅ローンで頭金なしは危険?フルローンのメリット・デメリットとは

オーバーローンで住宅ローンを借りたときの影響をシミュレーション

マイホームの購入にあたり、多くの人は銀行から住宅ローンを借ります。

その際に問題となるのが「頭金」です。
  • 家を買いたいけど、頭金を用意できない
  • 頭金にまわせるほど貯金に余裕がない
  • 手元に資金を残したまま住宅ローンを借りたい

など、さまざまな事情から頭金なしで住宅ローンを借りたいと考えている人もいますよね。

結論を言うと、頭金なしでも住宅ローンを借りることは可能ですが、おすすめはできません

頭金なしで住宅ローンを組んでいると、

  • 毎月の返済負担額が大きくなる
  • 金利が上がった時のリスクが大きくなる

など、様々なデメリットがあるのです。

これらの頭金なしで組むデメリットについては、記事本文で詳しく解説していきますね。

この記事では、頭金なしで住宅ローンを組むことをおすすめしない理由から、フルローンのメリット・デメリット、頭金あり/なしの返済シミュレーションまで、詳しく紹介します。

住宅ローンの頭金の目安も説明しているため、住宅購入に伴い資金計画を立てている人はぜひ参考にしてください。

この記事を執筆・監修している専門家

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

執筆者

中野良唯

ジョインコントラスト株式会社

保有資格・検定

AFP、宅地建物取引士

大手ハウスメーカーでの営業所長を経て、生命保険会社へFPとして転職。 その後、独立系FPとしてコンサルティングの幅を広げるためジョインコントラスト株式会社へ移籍。 現在は「家計教師.com」に所属するFPとして、家計の個別コンサルティングや各種セミナー、企業や学校などで講演会なども行なっています。

住宅ローンは頭金なしでも組めるがおすすめできない

かつては、物件価格の20~30%の頭金がなければ、銀行から住宅ローンを借りることはできませんでした。

そのため「銀行の住宅ローンを借りる際は、頭金が絶対に必要」というイメージを持っている人もいるでしょう。

しかし現在では、頭金なしでの住宅ローンに対応している金融機関も、多くあります

そのため「貯蓄はないけど今すぐにマイホームを買いたい」という人にとっては、頭金がなくても住宅ローンを借りられることはうれしいことかもしれません。

しかし頭金なしで住宅ローンを借りる際にはデメリットも多く、フルローンでマイホームを買うことはおすすめできません

頭金がないと住宅ローンの審査でマイナスに見られる

次の章からは、頭金なしの具体的なメリット・デメリットを解説していきますが、その前に重要なことをお伝えしておきます。

それは「頭金を用意できないと、審査条件が厳しくなる」ということです。

住宅ローンの審査では、

  • 継続的かつ安定的な収入が見込めるのか
  • 年収に対する住宅ローンの借入金額が適切かどう

など、契約者の返済能力が厳しくチェックされます。

頭金がないと住宅ローンの借入金額が増えるとともに月々のローン返済額も増えることから、住宅ローンの返済が困難となる貸し倒れのリスクが懸念されるため、審査が厳しくなる傾向にあります。

住宅ローンを頭金なしで組む場合のメリット・デメリット

記事の冒頭でも紹介したように、頭金なしの住宅ローンにはメリットもありますが、それよりも多くのデメリットが存在します

頭金なしで住宅ローンを借りようと考えている人は、頭金がないことによるデメリットを把握した上でフルローンの利用を検討しましょう。

ここからは、頭金なしで住宅ローンを組むメリット2点と、デメリット4点を紹介します。

頭金なしで住宅ローンを組むメリット

頭金なしで住宅ローンを組むデメリット

メリット1:貯蓄を生活費として残しておける

頭金なしで住宅ローンを借りると、貯蓄を生活費として残せることがメリットです。

頭金に充当できるほどの貯蓄がある場合でも、

  • 親の介護費用
  • 子どもの学費
  • 事業資金

など、頭金以外の目的のために貯蓄を残しておきたい人もいるでしょう。

当然のことですが、頭金なしで住宅ローンを借りる場合は、手持ちの貯蓄が減ることはありません。

頭金を捻出するために貯蓄を切り崩した場合、病気やケガで就業不能状態となり収入が得られなくなるといった不測の事態に対応できないことで、住宅ローン返済が困難となることも考えられます。

当面の生活費を確保しつつマイホームを買えることは、頭金なしで住宅ローンを借りる大きなメリットと言えます。

メリット2:住宅ローン控除の金額が多くなる

頭金なしで住宅ローンを借りると借入金額=ローン残高が増えやすくなるため、住宅ローン控除で還付される税金が多くなります

頭金なしと頭金ありの場合、住宅ローン控除による還付金はどれくらい変わるのかを見てみましょう。

わかりやすくするため、住宅ローンの元金を1年間で100万円返済したとして計算しています。

頭金なし 頭金あり
住宅購入費用 3,500万円 3,500万円
頭金 0円 700万円
ローンの借入金額 3,500万円 2,800万円
年末のローン残高 3,400万円 2,700万円
控除額 34万円 27万円

上記のケースの場合、住宅ローン控除額が年間で7万円も変わることがわかります。

このように、頭金なしで住宅ローンを借りると、住宅ローン控除の恩恵を最大限に受けられる場合があることもメリットのひとつです。

デメリット1:毎月の返済額が大きくなる

頭金を支払うときもよりも頭金なしはローンの借入金額が増えるため、頭金なしで住宅ローンを借りると毎月のローン返済額も大きくなります

家計に占める住宅ローン返済額の割合が大きくなった場合、収入によっては住宅ローンの返済が重い負担となり、いずれはローンの返済が困難となるかもしれません。

実際に、子どもの成長に伴い教育費がかかるようになったときに収支のバランスが一気に崩れてしまうケースも存在します。

さらに、住宅ローンを借りることで発生する利子は借入残高にかかるため、借入金額が大きくなるほど利子も増え、住宅ローンの総支払額も増えてしまいます

頭金による出費を抑えることができたとしても、毎月の住宅ローン返済額が大きくなることで家計を圧迫する恐れがある点が、頭金なしで住宅ローンを借りるデメリットです。

デメリット2:住宅ローン審査に通りにくい可能性がある

記事の前半でも触れたように、頭金がないと住宅ローンの審査が厳しくなります

住宅ローンの審査において、銀行側は貸したお金がちゃんと返済されるのかどうかを重視して審査します。

銀行における住宅ローンの審査条件のひとつが「返済負担率」です。

返済負担率は「年間のローン返済額が年収に占める割合」を指し、ローンの借入金額が増えると返済負担率の割合も大きくなります。

一般的に返済負担率は25%以内だと住宅ローンの返済に無理が生じにくいと考えられていますが、頭金がないと必然的に返済負担率は高くなってしまい、融資条件を満たさないと銀行に判断される恐れがあります。

そのため、頭金がないことが住宅ローンの審査に少なからず影響を及ぼすことを理解しておきましょう

デメリット3:借入金額が大きいので金利が上昇すれば返済負担が大きくなる

頭金なしだとローンの借入金額が増えて毎月の返済額も大きくなることは、「デメリット1:毎月の返済額が大きくなる」でも紹介しました。

借入時は低金利で問題なく返済できたとしても、将来に金利が上昇すれば、月々の住宅ローン返済額はさらに増える恐れがあります。

特に注意が必要なのは「変動金利」と「当初固定金利」で住宅ローンを借りたときです。

変動金利の場合
ほとんどの銀行で固定金利よりも変動金利のほうが低金利に設定されているため、住宅ローンの契約時は低金利で借り入れることができますが、半年ごとの見直しで金利が上昇すればローン返済額は増えます。
当初固定金利の場合
2年、3年、5年、10年など、固定金利の期間を選択できますが、固定金利期間を再設定するタイミングで金利が上昇していた場合はローン返済額も増えます。

変動金利と当初固定金利のどちらにおいても、住宅ローンの契約時は低金利でも将来的に金利が上昇することで、返済負担が大きくなるリスクがあります。

そのため、頭金なしで住宅ローンを借りる際は、金利の上昇に伴いローン返済額が増えることによって住宅ローンの支払いに無理が生じてしまう可能性があることに注意しなければなりません。

デメリット4:売却時にローンが残る可能性がある

自宅を担保に入れている場合、やむを得ない事情で住宅ローンの返済が困難となったときは、自宅の売却価格でローンの残高を支払うことになります。

しかし、頭金を用意せずにフルローンで借りると借入金額が多くなる分、自宅の売却価格だけではローンを完済できない恐れがあります。

住宅は購入した時点で中古物件となり、資産価値が下落します。

さらに、住宅の販売価格にはハウスメーカーや不動産会社の利益が含まれているため、販売価格よりも自宅の売却価格が高くなることはありません。

そうした理由から、頭金なしで住宅ローンを組んだものの自宅を売却することになれば、自宅の売却価格が住宅ローンの残債を下回り、「家を手放したにもかかわらず住宅ローンが残る」という事態に陥ることもあり得るでしょう。

頭金あり/なしの返済シミュレーション

頭金ありと頭金なしでは住宅ローンの借入金額が異なり、総支払額にも差が生じます。

実際にどれくらいの違いが出てくるのかを示すために、頭金ありと頭金なしの場合における返済シミュレーションを行いました。

返済シミュレーションにおける共通の借入条件は下記のとおりです。

返済方法 元利均等返済
住宅ローン フラット35
返済期間 35年
ボーナス支払い なし

上記の借入条件でシミュレーションを行うと、以下の結果となりました。

  頭金なし 頭金あり
物件価格 30,000,000円 30,000,000円
頭金 0円 3,000,000円
住宅ローンの借入金額 30,000,000円 27,000,000円
住宅ローンの金利 1.43% 1.17%
毎月の返済額 90,830円 78,374円
住宅ローンの返済総額 38,148,654円 32,917,480円
総支払額 38,148,654円 35,917,480円
差額 2,231,174円

2019年11月時点の金利で算出

返済シミュレーションによると、頭金ありで住宅ローンを借りると金利が低くなることで、頭金なしの場合よりも総支払額が約220万円も減ることがわかります。

また、頭金ありよりも頭金なしのほうが毎月の返済額が約1万円も高くなるため、収入によっては月々の返済額1万円の差が家計に大きな影響を与えるかもしれません。

返済シミュレーションの結果から考えると、頭金なしで住宅ローンを借りることにはリスクがあると言えるでしょう。

頭金は借入金額の1割~2割が一般的

頭金なしで住宅ローンを借りることにはデメリットやリスクがあることから、頭金を用意して住宅ローンを借りようと検討している人もいるでしょう。

頭金を用意する場合は、予定している住宅ローン借入金額の1割~2割を目安にしてください。

住宅ローンの総支払額を抑えるのなら頭金は多ければ多いほどよいのでは?

と考える人もいますが、頭金を増やすために何年もかけて貯金することは得策ではありません

貯金している間に物件価格や金利が上昇すると、かえって総支払額が増えてしまう可能性があります。

また、貯金のすべてを頭金に充ててしまうと手持ちの資金がなくなり、金銭的なトラブルが生じた場合に対処できなくなってしまいます。

そのため、最低でも3か月分の生活費が手元に残るようにして頭金を準備しましょう。

頭金とは別に3か月分の生活費を貯めておけば、住宅ローンを借りたあとに想定外の出費が発生したとしても対応することが可能です。

頭金ありで住宅ローンを組むと、頭金なしの場合よりも毎月のローン返済額を抑えられるため、住宅ローンの返済期間中もゆとりのある生活が送れるでしょう。

まとめ

頭金がなくても住宅ローンを借りることは可能です。

しかし、頭金なしだと住宅ローンの審査に通りにくく、融資が受けられない恐れがあります。

たとえ頭金なしで住宅ローンの審査に通ったとしても、頭金がないことで住宅ローンの借入金額は大きくなり、月々の返済負担は重くなります。

ローン返済中に金利が高くなれば、住宅ローンの総支払額はさらに増えてしまいます。

とはいえ「手持ちの資金を減らさず住宅ローンを借りられる」「年末時点のローン残高が増えることで住宅ローン控除の還付金も増える」など、頭金なしのフルローンにはメリットがあることも事実です。

頭金を用意しないことによるメリットデメリット返済シミュレーションの結果なども踏まえて、頭金なしで住宅ローンを借りるかどうかは慎重に検討しましょう。

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