• 2020.07.13

2020年7月までの住宅ローンの金利推移を金利タイプごとに振り返り!今もっともおトクな住宅ローンの金利タイプを毎月更新

執筆者: 千日太郎 (オフィス千日合同会社 代表社員)
2020年7月振り返りアイキャッチ

こんにちはブロガーの千日太郎です。

ナビナビ住宅ローンでは、金利タイプ別の来月の金利予想を毎月公表しています。



この記事では、前月の予想に対して実績の金利がどうなったかと過去から今までの金利推移を分析し、現時点でのおススメ度を5段階評価で評価します。

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

千日太郎

オフィス千日合同会社 代表社員

保有資格・検定

公認会計士

大阪で公認会計士を営みながら、オフィス千日合同会社 代表社員として、「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える」では金利予想やプロの視点から推奨する住宅ローンの組み方を情報発信。「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」では一般の人からの匿名の相談に無料で乗って、そのコンサル内容をネットに公開している。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

新型コロナウイルスが住宅ローン金利に与えた影響と
お得な金利タイプとは?

新型コロナウイルスがもたらした「コロナショック」で金融市場の長期金利が急上昇しました。

投資家のリスク回避が行きすぎて安全資産まで売って現金化しようとする動きから、債券価格が下って長期金利が上がってしまったのです。

5月末あたりから経済活動が徐々に開始されコロナショックが沈静化した後は、コロナショック前と同じレベルで推移し今に至ります。

つまり長期金利はコロナ前と変わらない水準ですが、景気は確実にコロナ前よりも悪くなっているのですから、コロナ前と比べると少し割高な金利になっているのです。

住宅ローンを借りる私たちにとっては、逆風ですね。

しかし、住宅ローンの金利タイプの中には金利を下げているものもあります。

このブログでは金利タイプごとにコロナ前後の動向を分析し、お得な金利タイプをあぶり出します。

金利タイプ別2020年1月~2020年7月の金利推移

では、直近2020年7月までの、住宅ローン金利タイプごとの前月予想の答え合わせとこれまでの金利推移、おススメ度について見ていきましょう。

30年超の超長期固定金利

30年超の超長期固定金利の代表はフラット35です。

住宅金融支援機構の証券化支援事業をもとに民間金融機関と共同で2003年から提供されている住宅ローンであり、民間銀行が金利を決める際にも参考になっています。

コロナショック後はおおむね横ばいで推移

2020年 1月 2月 3月
コロナショック
 4月
千日予想 横ばい
or
上がる
横ばい
or
上がる
横ばい
or
下がる  
下がる
実績 上がった
的中!!
 上がった
的中!!
 下がった
的中!!
上がった!
2020年 5月 6月 7月  8月
千日予想 横ばい 横ばい 横ばい 横ばい
実績 横ばい
的中!!
 0.01下がった
ほぼ的中
0.01上がった
ほぼ的中

4月にはコロナショックの異常事態によって長期金利が高騰し、フラット35金利も上昇しましたが、その後5月~7月の長期金利は平常化し0%程度で推移し、フラット35(買取型)の金利は1.3%前後の横ばいで推移してきました。

金利予想としては7月までほぼ横ばいという予想が的中しており、8月も横ばいと予想しています

詳しくは、下記記事(2020年8月金利予想)を読んでみてくださいね。

2020年7月までの推移とおススメ度

下記のグラフのように長期金利とフラット35金利はコロナショックの前後で変わらず、おおむね一定した金利差で推移しています。

2020年7月振り返りフラット35と長期金利

(注)グラフのフラット35の金利は買取型の最低金利としており、長期金利は住宅金融支援機構が販売する機構債の表面利率の発表日前日の新発10年国債利回りの終値としています。

2019年度後半のフラット35(買取型)金利推移
7月 8月 9月 10月 11月 12月
1.18% 1.17% 1.11% 1.11% 1.17% 1.21%
2020年度のフラット35(買取型)金利推移
1月 2月 3月 4月 5月 6月
1.27% 1.28% 1.24% 1.30%  1.30% 1.29%
7月 8月 9月 10月 11月 12月
1.30%

4月以降横ばいで推移しており、7月から8月にかけても横ばいと予想しています

最も金利が低かった2019年9月10月よりも上がってしまい、そこから横ばいなので、コロナ不況の経済実体からすると少し割高感があるのは否めません。

オススメ度は基本的に高いものの、前月の4.0から横ばいとします。

★★★★ オススメ度は5点満点で4.0点★★★★

20年固定金利

当初固定金利の20年については、コロナショックの後は前述の超長期固定金利と同じく、おおむね横ばいで推移してきましたが、7月には明らかに上昇してしまいました。

アフターコロナはおおむね横ばい

7月の金利予想としては横ばいだったのですが、予想に反して上昇してしまいました。

2020年 1月 2月 3月
コロナショック
4月
千日予想 上がる  横ばい
or
上がる
横ばい
or
(期待含みで)
下がる
横ばい
or
(期待含みで)
下がる
実績 上がった
的中!!
横ばい
的中!!
 下がった
的中!!
下がった
的中!!
2020年 5月 6月 7月 8月
千日予想 横ばい  横ばい
or
上がる
横ばい 横ばい
実績  横ばい
or
上がった
的中!!
横ばい
的中!!
0.05上がった!
ほぼ的中

コロナショック直後の4月から6月にかけては金利を横ばいとした銀行と若干上げた銀行が混在しており、銀行ごとにコロナリスクへの対応で特色が出ていました。

しかし6月から7月にかけては、ほぼ全ての主要銀行で0.05ポイント前後の上昇となりました。

2020年8月の20年固定は「横ばい」と見ています。20年固定金利は各金融機関の営業方針でコロコロ変わる金利タイプですので下がるタイミングを読むのが難しい面があります。

詳しくは、下記記事(2020年8月金利予想)を読んでみてくださいね。

2020年7月までの推移とおススメ度

コロナショックの3月以降は「住宅ローン控除で借入が多いほどおトクになる」1%のラインを辛うじて下回る水準で推移してきたのですが、7月には1%に乗ってきてしまいました。

2020年7月振り返りフラット35と20年固定

(注)グラフのフラット35の金利は買取型の最低金利としており、20年固定金利は7月から金利を下げてきている金融機関の2019年初頭から直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。

住宅ローン控除で住宅ローン残高×1%の税金がかえってくるので、住宅ローンの金利が1%未満であれば逆に儲かるということで、お勧めしています。

1%未満のときよりはお勧め度が下がるものの、金利の水準としては低くお得なので基本的にはお勧めです。

しかし、超長期金利と同じことなのですが、直近で最も低金利だった2019年9月ごろの水準よりは高く、今はコロナ不況で本来ならもっと低金利であってほしいという不満はありますよね。

オススメ度は前月にダウンさせた4.0点を維持し、横ばいとします。

★★★★ オススメ度は5点満点で4.0点★★★★

10年前後の中期固定金利

主要銀行の10年固定金利は、これまでおおむね長期金利の動向とシンクロしてきました。

しかし、最近のトレンドとしてはコロナショック前の2月に長期金利が大きく下がっても10年固定はさほど下がらず、7月までほぼ横ばいで推移しています。

新型コロナウイルスの影響でもさほど下がらなかった

2020年 1月 2月 3月
コロナショック
4月
千日予想 横ばい
or
上がる
横ばい 上がる
or
(期待含みで)
横ばい
 横ばい
or
(期待含みで)
下がる
実績  横ばい
的中!!
下がった! 横ばい
的中!! 
横ばい
的中!!
2020年 5月 6月 7月 8月
千日予想 横ばい  横ばい
or
上がる
横ばい 横ばい
実績  横ばい
or
上がった
的中!!
横ばい
的中!! 
横ばい
的中!! 

ちなみに2020年8月の10年固定金利も「横ばい」と予想しています

詳しくは、下記記事(2020年8月金利予想)を読んでみてくださいね。

2020年7月までの推移とおススメ度

フラット35と20年固定についてはある程度の動きが見られますが、10年固定の最低金利については、ほとんど横ばいで推移しています。

10年固定と2020年7月振り返りフラット35と20年固定

(注)グラフのフラット35の金利は買取型の最低金利としており、10年固定金利は過去から低金利で主力商品としている金融機関の2019年初頭から直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。

ただし6月から7月にかけて横ばいだったのは主に最低金利を出していたネット銀行であり、2位グループの大手銀行は金利を上げています。

ネット銀行の10年固定金利は11年目から金利の引き下げ幅が大きく減ってしまい、急に高い金利になってしまうのが弱点です。

これに対して2位グループの大手銀行は、当初10年の金利はネット銀行ほど低くないものの、11年目からの金利引き下げ幅もある程度あるため、ネット銀行よりも11年目からの金利上昇が抑えられます。

大手銀行が金利を上げてきた理由としては現在が需要期ではないということもあるでしょう。

10年固定の中での選択肢が少なくなっているのが注意点です。

ただし、低金利でお得なのは変わらないので、おススメ度は前回の4.5点を維持します。

★★★★★ オススメ度は5点満点で4.5点★★★★★

変動金利

7月の変動金利にはちょっとした動きがありました。

住信SBIネット銀行とSBIマネープラザは借り換えを対象に金利を0.398%に引き下げました。

これは最低金利のジャパンネット銀行の0.399%を出し抜こうとしたものと思われます。

しかしジャパンネット銀行は7月の変動金利を0.399%から0.38%に下げて逃げ切り、SBIが変動金利の最低金利に向けて伸ばした手は虚しくも空を切ったのです。

期間限定のキャンペーンを除きおおむね横ばい

2020年 1月 2月 3月 4月
千日予想 横ばい 横ばい 横ばい  横ばい
実績 少し下がった 横ばい
的中!!
横ばい
的中!!
少し下がった
2020年 5月 6月 7月 8月
千日予想 横ばい  横ばい 横ばい 横ばい
実績  横ばい
的中!!
横ばい
的中!!
少し下がった

どの銀行も赤字覚悟の低金利でほぼ下げ代が無いなかで、各行が工夫をこらして有利性をアピールしています。

やはり見た目が一番低いのが変動金利なので広告効果は大きいのですね。

なお、2020年8月の金利予想は「横ばい」としています

詳しくは、下記記事(2020年8月金利予想)を読んでみてくださいね。

2020年7月までの推移とおススメ度

住宅ローンの変動金利は銀行間で資金の融通を行うと市中金利に連動し、これは中央銀行(日銀)が民間銀行に融資する政策金利の影響を受けます。

2020年7月振り返り日米政策金利の比較

3月15日には米連邦準備理事会(FRB)が緊急利下げを行い実質的なゼロ金利政策を導入しました。

そして6月10日には、2022年末までゼロ金利政策を継続する方針を表明しています。

少なくとも2022年末までという長期間にわたりマイナス成長が続くFRBの見通しが正しいとすれば、日銀が政策金利を上げるということはまず考えられないですね。

そのため、しばらくの間は変動金利が上がることは無いと考えられます。

これまで銀行の低金利競争は10年固定と変動金利で行われてきましたが、10年固定はネット銀行で横ばい、リアルの大手銀行では上がっています。

これに対して変動金利はネット銀行で下がり、リアルの大手銀行では横ばいです。

コロナ後の低金利競争は10年固定から変動金利に移ってきていると言えますね。

しかし、変動金利は6か月ごとに金利を見直し、銀行の判断で上げることのできる金利タイプです。

一時的に低くなっているからという理由だけで飛びつくのは危険ですよ。

そのため、オススメ度はあえて前回の4.5点を維持します。

★★★★★ オススメ度は5点満点で4.5点★★★★★

まとめ~複数の金利タイプで審査を通すことが保険になる

東京の新型コロナウイルス感染者数は連日200人を超えるようになり、感染第2波への懸念はさらに上がっています。

企業も自治体も、再度の自粛に耐える余力は残されておらず、この脅威が市場の想定を超えたらどうなるのか?その予測は極めて困難です。

この記事の執筆時点で、ということですが千日太郎の考えるおススメの住宅ローンは以下の通りです。

金利タイプ オススメ度 コメント
変動金利 4.5点 もともと低金利からさらに低金利になった。
さらにコロナショックによって短期的に金利が上がる要素は減っている。
30年超の
固定金利
4.0点 フラット35の金利はコロナ不況下の割に高止まりでポイントダウン。
しかし歴史的に見れば十分に低金利水準と言える。
20年
固定金利
4.0点 フラット35と同様に横ばいで、コロナ不況下の割には高止まり。
ただし1%未満ならば住宅ローン控除でメリットが大きい。
10年
固定金利
4.5点  コロナショック前後で変わらず低金利に張り付いている。

ある程度複数の金利タイプで審査を出しておき、想定外の事態に対する保険としてくださいね。

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