• 2020.10.12

銀行間の低金利競争が再スタートか?2020年11月の住宅ローン金利動向を予想します

執筆者: 千日太郎 (オフィス千日合同会社 代表社員)
2020年11月住宅ローンの金利予想

こんにちはブロガーの千日太郎です。

多くの主要銀行で9月から10月にかけて住宅ローンの金利を下げました。

いよいよ2020年度の下半期に入り、本決算のかき入れ時に向けて銀行間の低金利競争が始まったと見ています。

長期金利の側面では安倍氏が任期途中で辞任し2021年9月までは菅首相が続投する予定となっていますが、これによる目立った動きはありませんでした。

国内に材料が乏しくむしろ米国市場に連動する傾向が強くなっています。

こうした状況を踏まえて11月の住宅ローン金利動向を予想します。

※当記事の金利や情報は2020年10月9日時点のものを記載しております。
最新の金利情報は、必ず金融機関の公式サイトをご確認ください。
千日が毎月公開している金利予想の手法は一貫しており、記事の前半で解説していますので、必ず目を通しておいてください。

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

千日太郎

オフィス千日合同会社 代表社員

保有資格・検定

公認会計士

大阪で公認会計士を営みながら、オフィス千日合同会社 代表社員として、「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える」では金利予想やプロの視点から推奨する住宅ローンの組み方を情報発信。「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」では一般の人からの匿名の相談に無料で乗って、そのコンサル内容をネットに公開している。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

住宅ローンの金利予想は
調達金利と融資金利の側面から行う

金融機関は調達金利と融資金利の差益によって儲けを得ています。

お金を商品にしていると考えれば、調達金利は商品の原価であり、融資金利は商品の売価です。

金融市場➤(調達金利)➤金融機関➤(融資金利)➤私たち

調達金利:金融市場から資金を調達するために払う金利
融資金利:私たちに住宅ローンを融資するときに課す金利
➤:お金の流れ
():金利の種類

千日太郎の金利予想は、金融市場の動向から少し先の調達金利を予想し、金融機関の営業方針から融資金利の傾向を推理して予想を出しています。

この方法で金利予想が的中するには、少し先の金融市場が想定内の動きをし、また、金融ビジネスに対する私の理解が的を外していないことが前提となります。

なお、今の新型コロナウイルスの環境下では変化のスピードと振れ幅が大きいので、その点ご了承ください。

調達金利の側面:
2020年11月の住宅ローン金利に影響する金融市場の動向

金融機関にとっての調達金利が上がったり下がったりする要因の一つが金融市場の長期金利であり、具体的には10年国債の利回りをいいます。

利回りとは投資した元本に対する成果として得られる利益が年に何パーセントかという割合を言います。

そして、債券の価格と利回りは逆に動くのです(負の相関関係)。

早い話が以下のような法則です。

✓債券の価格が上昇すると利回りが下落する
✓債券の価格が下落すると利回りが上昇する

投資家のセオリーとして、戦争や不況などで世界経済のリスクが上がると値下がりの危険がある株式を売却し、国債などの安全資産を買います。

このため不況時は債券価格が上がり、利回りが下落するのがセオリーです。

トランプ氏のコロナ陽性から退院で米長期金利は上昇傾向

日米長期金利2020年10月_1

10月2日にトランプ米大統領の新型コロナウイルス陽性が明らかとなったことで投資家の間で運用リスクを回避する動きが広がり、安全資産とされる債券が買われました。

債券が買われると債券価格は上昇し、長期金利は下がります。

上のグラフで米国の長期金利が下がっていないのは、直後の3日4日が土日で現物取引が行われなかったためです。

そして、週明けの5日のトランプ大統領の退院によって債券に売りが入り、米長期金利は大きく上昇しました。

長期金利は債券価格によって決まります。

投資家は今後のマーケットの先を読んで売買を行いますので、潜在リスクに対してはより過敏に反応し、それが顕在化した時点ではすでに価格(金利)に反映されているのです。

日本の長期金利の動向

日米長期金利2020年10月_2

日本の長期金利をクローズアップしてみました。

特にトランプ氏の退院直後から急上昇しています。これは米長期金利上昇の波及です。

米国債と同様に安全資産としての日本の債券が売られて債券価格が下がり、金利が上昇しているのです。

直近での長期金利の高騰は、米大統領選の最中にトランプ大統領が新型コロナウイルスに感染するというショッキングな出来事に端を発して投資家が売買を活発に行ったことが原因ですので、今後状況が見えてくれば元の水準に下がってくるでしょう。

融資金利の側面:
2020年11月の住宅ローンの金利に影響する銀行の営業方針

9月から10月にかけては、多くの主要銀行で主力とする固定金利を下げてきました。

長期金利としては概ね横ばいでしたので、長期金利が主たる理由ではないことは明らかです。

ということは、各行が金利を下げた理由は2021年3月の本決算をにらんでのこと、ということでしょう。

3月決算を見込んであらかじめ住宅ローン金利を下げていく動きは珍しいことではなく、例年見られることです。

しかし10月は下半期に入ったばかりですから、2020年は少し早かったなという印象です。

上半期には新型コロナウイルス感染拡大の影響から、かなり業績が落ち込んでいるので、少しでも下半期で融資を獲得し、挽回したいということかもしれません。

金利タイプ別2020年11月の金利予想

では、金利タイプ別に2020年11月の金利がどうなっていくのか予想していきます。

10月9日までの公開情報を前提とした予想になります。

30年超の超長期固定金利は横ばい又は下がる

こちらは、30年超の超長期固定金利の代表であるフラット35(買取型)の金利と長期金利の推移を2020年7月から2020年10月までとったものです。

フラット35(買取型)と長期金利2020年10月

フラット35の金利は前月の20日前後に決まりますので、その時点に青い棒グラフのフラット35(買取型)金利を立てています。

この記事を書いている時点の長期金利は0.035%となっていますが、これは一時的な米国長期金利の上昇の影響を受けているためであり再び落ち着いてくるのではないかと予想しています。

長期金利が高くなる=債券価格が下がるということは、その割安感に注目して購入する投資家が出てきます。

プラスの利回りの安全資産はリスク回避志向の投資家にとって、十分な魅力があります。

こうして買いが入れば債券価格は上昇し、再び長期金利は下がるでしょう。

総合的に考えて11月のフラット35金利はおおむね横ばいで推移すると予想しています

なお、民間住宅ローンの30年超の超長期固定金利は、フラット35と似た動きになる傾向がありますが、下半期に入って低金利競争が始まっている背景を鑑みると、民間住宅ローンの30年以上の超長期固定金利については、横ばい又は期待含みで下がると予想しています。

20年前後の長期固定金利は横ばい又は下がる

主要銀行の2020年10月の20年固定金利は一斉に下げてきました。

1位を付けているネット銀行は4か月連続で金利を下げており、今後も下がっていく期待が持てます。

ナビナビ住宅ローンの人気ランキングの1位でもありますので、チェックしてみてください。

直近の長期金利はトランプ氏の退院で上昇した米長期金利の波及で上昇していますが、一過性のものであれば再び下がるでしょう。

一方で銀行間の低金利競争がスタートしており、11月は横ばい又は期待含みで下がると予想しています。

10年前後の中期固定金利は横ばい

主要銀行の10年固定金利はコロナショックで上昇した後、6月から9月まで横ばいで推移してきましたが、9月から10月にかけてしばらくぶりに金利を下げました。

銀行間の金利競争は後述の変動金利にシフトしてきており、10年固定金利は底を打っている感が強く、長期金利の動向とも関係なく横ばいで推移してきています。

最低金利を付けているネット銀行が下げたのはわずか0.01ポイントであったのは、現環境下で下げられるギリギリまで下がっているためだと思います。

主に大きく下げたのは2位グループのメガバンクでした。

そのため、11月はおおむね横ばいで推移する(2位グループは下げる可能性あり)と予想しています。

変動金利は横ばい

変動金利は、長期金利ではなく中央銀行の政策金利に影響を受けます。

政策金利とは、中央銀行が民間銀行に融資するときの金利です。

景気後退時には政策金利を下げ、好景気時には政策金利を上げます。

日本銀行には、今のところ政策金利について新たな政策情報はありません。

また、米連邦準備理事会(FRB)は6月10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2022年末までゼロ金利政策を維持する見通しを表明しており、8月27日には、物価上昇率が一時的に目標の2%を超えるのを容認する新たな政策方針を導入しています。

米国が当分の間利上げしない前提とするなら、日本がそれ以前に上げることは考えにくいです。

そのため、しばらくの間は変動金利が上がることは無いと予想しています。11月の変動金利は横ばいで推移するでしょう

まとめ~下がる傾向だが引き続き注意が必要

今後の長期金利の動向としては国内に材料がなく、米国の長期金利の上昇が波及して上がっている状態です。

今後何もなければ、再びもとの水準にまで下がっていくと予想しており、それならば、銀行間の低金利競争で住宅ローン金利は下がると予想しています。

しかしこれはあくまでこの記事の執筆時点で千日太郎個人が予想していることにすぎません。

実際の金利動向はその通りにならない可能性は大いにあり得ます。

引き続き、日々の金利動向に目を配っておくことをお勧めします。

今後、住宅ローンの実行までの間に、「どんな事件が起こり、それに金利がどう反応するのか?」を正確に予想することは非常に困難です。

ある程度複数の金利タイプで審査を出しておき、想定外の事態に対する保険としてください。

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