• 2020.05.14

経済活動再開でどうなる?2020年6月の住宅ローン金利動向を予想します

2点の家の模型と赤い上昇・青い下降の折れ線グラフ
auじぶん銀行

こんにちはブロガーの千日太郎です。

政府は緊急事態宣言を5月31日まで延長することを決定しました。

さらに14日には状況を再分析した上で宣言を途中解除する可能性についても言及しています。

これに対して米国、ヨーロッパではすでに段階的に都市封鎖を解除し、経済活動再開をスタートしています。

6月金利を読み解くキーは各国の経済活動再開が吉と出るか(景気後退に歯止めがかかるか?)凶と出るか(感染拡大の第二波につながってしまうのか?)にかかってくるでしょう。

※当記事の金利や情報は2020年5月7日時点のものを記載しております。
最新の金利情報は、必ず金融機関の公式サイトをご確認ください。
千日が毎月公開している金利予想の手法は一貫しており、記事の前半で解説していますので、必ず目を通しておいてください。

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

千日太郎

公認会計士ブロガー 公認会計士ブロガー

千日太郎です。大阪で公認会計士事務所を営むかたわら、(千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える)を通じて金利予想やプロの視点から推奨する住宅ローンの組み方を情報発信することをライフワークにしています。ナビナビ住宅ローンで公開する記事が、少子高齢化社会でマイホームを買うあなたの良きナビケーターとなることを、心から願っています。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

住宅ローンの金利予想は調達金利と融資金利の側面から行う

金融機関では、小売店が原価と売価の差益によって儲けを得るように、調達金利と融資金利の差益によって儲けを得ています。

お金を商品にしていると考えれば、調達金利は商品の原価であり、融資金利は商品の売価です。

金融市場➤(調達金利)➤金融機関➤(融資金利)➤私たち
調達金利:金融市場から資金を調達するために払う金利
融資金利:融資金利:私たちに住宅ローンを融資するときに課す金利
➤:お金の流れ
():金利の種類

千日の金利予想は、金融市場の動向から少し先の調達金利を予想し、金融機関の営業方針から融資金利の傾向を推理して予想を出しています。

この方法で金利予想が的中するには、少し先の金融市場がわたしの想定内の動きをし、また、わたしの金融ビジネスに対する理解が的を外していないことが前提となります。

どちらかにズレがあると、それだけ予想にズレが生じることがありますが、新型コロナウイルスの環境下では変化のスピードと振れ幅が大きいので、その点ご了承ください

調達金利の側面:2020年6月の住宅ローン金利に影響する金融市場の動向

金融機関にとっての調達金利が上がったり下がったりする要因の一つが金融市場の長期金利であり、具体的には10年国債の利回りをいいます。

利回りとは投資した元本に対する成果として得られる利益が年に何パーセントかという割合を言います。

そして、債券の価格と利回りは逆に動くのです(負の相関関係)。
早い話が以下のような法則です。

✓債券の価格が上昇すると利回りが下落する
✓債券の価格が下落すると利回りが上昇する

投資家のセオリーとして、戦争や不況などで世界経済のリスクが上がると値下がりの危険がある株式を売却し、国債などの安全資産を買います。

このため不況時は債券価格が上がり、利回りが下落するのが普通なのです。

3月のコロナショックがもたらした影響

しかし、3月のコロナショックの局面においては、リスクがあまりに強く意識されて債券さえも売却して現金化する動きが主流となったため、債券価格が下がり、長期金利が上がってしまうという事態に発展しました。

新型コロナウイルスの脅威はこれまでの戦争などの局所的なリスクを超えたところにある、人類として直面している脅威といっても過言ではありません。

安全資産すらも危ないと考えて現金化しようとするのはそういうことなのですよね。

4月の経済活動自粛がもたらした影響

4月は新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、各国が経済活動をシュリンクさせた時期です。

日本では自主的な「お願い」ベースでしたが、欧米各国では強制力のある徹底したものでした。

これによって、機関投資家のリモートワークが進み、金融市場の取引を従来のように即時に行われなくなってきました。

4月に発生した様々な経済トピックに対する金融マーケットの反応もまた従来と比べて鈍くなっています。

5月14日の経済活動再開がもたらすリスク

日本は緊急事態宣言を延長していますが5月14日までの状況によっては、再開する可能性を示唆しています。

これは千日太郎個人の見解にすぎませんが、日本政府は14日に経済活動を再開していくことを前提として動いていくと考えられます。

米国とヨーロッパではすでに段階的に経済活動を再開しています。

もし、あらかじめ明確な基準を設けてしまい、14日にそれをクリアできないと経済活動を再開することはできなくなってしまいます。

大阪府の吉村知事は「大阪モデル」として経済活動再開のための具体的な数値目標を出していますが、すでに再開を決めている政府の立場からすると、クリアできなければ自粛を延期するというガチの勝負は、まずやらないだろうなと思うんですよね。

そのため、千日太郎の金利予想は14日に緊急事態宣言が解除されて経済活動が再開される前提で行うこととします。

となると14日以降は、これまで鈍かった金利の動きが大きくなっていく可能性があります。

また、日本を含む主要国の経済活動再開は感染拡大第2波のトリガーにもなり得ることは言うまでもありません。

これは再び3月のような乱高下となる可能性があることを意味します。

融資金利の側面:2020年6月の住宅ローンの金利に影響する銀行の営業方針

銀行が6月の住宅ローンの金利を決定するのは5月末あたりです。

前述のように、日本においては延期された緊急事態宣言の期限は5月末ですが、できれば14日に再開したい本音が透けて見えます。

なお、6月は銀行の第1四半期の決算月です。

4月5月は新型コロナウイルスの感染拡大のため、かなり収益が低迷していますので、6月に少しでも取り戻したいという方向に動きやすいですね。

そうなると、手数料収入や融資残高を獲得するために、低金利競争が再燃する可能性があります。

しかし一方で、6月はもともと完成物件が少なく、市場全体のパイ自体が小さいという問題があります。

また、4月までの経済活動自粛によって工事が遅れており、5月14日に再開できたからといってすぐ6月に間に合うような簡単なものでもありません。

住宅ローンの争奪戦としては、第2四半期(中間決算)の9月にフォーカスしたものになる可能性もあります。

このように、5月14日に経済活動が再開されると仮定したとしても、住宅ローンの金利をどうするかは各行にとって大きな舵取りとなりますので、銀行によっても対応に差が出そうです。

しかし、自粛の時点から低金利の商品を打ち出している銀行は経済活動再開後にも低金利を継続する可能性が高いので、今から要チェックです。

金利タイプ別2020年6月の金利予想

では、金利タイプ別に2020年6月の金利がどうなっていくのか予想していきます。

5月7日までの公開情報を前提とした予想になります。

30年超の超長期固定金利は横ばい

こちらは、30年超の超長期固定金利の代表であるフラット35(買取型)の金利と長期金利の推移を2020年1月から2020年5月までとったものです。

フラット35(買取型)と長期金利2020年6月

フラット35の金利は前月の20日前後に決まりますので、その時点に青い棒グラフのフラット35(買取型)金利を立てています。

連休明けの水準のまま5月20日ごろに機構債の表面利率が発表されれば下がるのですが、その前に5月14日の経済活動再開があります。

私が経済活動の再開を前提として考えているように、市場もまた14日に再開されるという前提で動きそうです。

ならば、この一時的な長期金利の上昇でフラット35の金利が上がってしまうことになります。

こうしたケースではあえて日程を前倒しして機構債を発表するケースがあります。

4月のケースは長期金利が0.1%に上がってしまう前に機構債の表面利率を発表し、フラット35の金利がイレギュラーな事象で高騰してしまうのを防止しています。

4月のケースは想定外でしたが、5月14日に再開に向けての見直しが行われることは今からわかっています。

住宅金融支援機構もその前後で長期金利の変動があることを織り込んで、発表スケジュールを考えているはずです。

今後、14日に向けて長期金利が上がっていくようならば日程を前倒しにして機構債の表面利率を発表するでしょう。

6月もおおむね横ばいで推移すると予想しています。

なお、民間住宅ローンの30年超の超長期固定金利は、このフラット35と似た動きになる傾向がありますので、フラット35の金利が横ばいとなった場合は民間住宅ローンの30年以上の超長期固定金利も横ばいとなる可能性が高いです。

20年前後の長期固定金利は横ばいor上がる

2020年5月の20年固定金利の最低金利は新生銀行です。

それまで一位だったauじぶん銀行が4月から5月にかけて0.921%から0.971%に金利を上げました。

これに対して新生銀行は0.95%のまま横ばいにしたため順位が入れ替わりました。

ポイントは、金利の引き下げ競争で順位が入れ替わったのではなく、それまで一位だったauじぶん銀行が自ら下りたということです。

こうなると、5月から6月にかけて金利が下がるというのは期待しにくいですね。

良くて横ばい、悪いと上がる傾向があります。

10年前後の中期固定金利は横ばいor上がる

これまで主要銀行の住宅ローンは10年固定をメインとして価格競争の様相を呈してきました。

そのため、10年固定は限界まで下がりきっている状態で、これ以上に下げると銀行が最低限の利益を取れない状態になってきます。

それを裏付けるかのように10年固定金利の最低金利は2月から5月にかけてauじぶん銀行やソニー銀行などのネット銀行は横ばいの0.55%となっています。

しかし、三菱UFJ銀行や三井住友信託銀行などのリアル銀行は金利を上げてしまいました。

やはり、前述のとおり6月はパイが少なく低金利で獲得できる融資件数が少ない月ですので、ネット銀行の最低金利の予想は横ばいですが、リアル銀行では上昇する傾向があります。

変動金利は横ばい

変動金利は日銀の政策金利の影響を受けますので、黒田総裁が政策金利を上げれば、変動金利が上がり、黒田総裁が政策金利を下げれば全ての銀行で一斉に変動金利が下がるのがセオリーです。

リーマンショック以後、日銀は景気を上向かせるために政策金利を下げることで、短プラを低い水準に抑えてきました。

そして、日銀が政策金利をマイナス0.1%にまで下げても短プラはまったく下がらず今に至っています。

つまり、政策金利の影響を受ける変動金利は、今の水準が底でありこれ以上は下げられない水準まで下がっているという状況なのです。

また日銀は4月27日の金融政策決定会合で追加の金融緩和政策として、年間80兆円をめどとしている国債購入の上限を撤廃し、さらに積極的な買い入れを行うとの方針を表明しています。

そのため、この5月に新型コロナウイルス環境下での金融緩和政策として政策金利をさらに深堀りすることはまず無いと考えられます。

変動金利は横ばいで推移するでしょう。

まとめ~経済活動再開のポイントと住宅ローンの金利動向

ここで書いた金利予想は一定の仮定に基づく予想ポリシーに従って導き出した千日個人の予想であり、実際の金利の動きとは異なってくる可能性は大いにあり得ます。

特に、各国の経済活動再開を巡っては、金利が上昇する要素(景気回復)と金利が低下する要素(感染拡大)の両方があります。

そして、感染拡大の第2波が想定を超えるものであった場合は、再び債券が売られて、金利が高騰するシナリオもあります。

今後、住宅ローンの実行までの間に、「どんな事件が起こり、それに金利がどう反応するのか?」を正確に予想することは非常に困難です。

ある程度複数の金利タイプで審査を出しておき、想定外の事態に対する保険としてください。

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