• 2020.03.19

中国で発生した新型肺炎の影響は?2020年3月の住宅ローン金利動向を予想します

家の模型と緑と聴診器
auじぶん銀行

こんにちはブロガーの千日太郎です。

新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で1月の後半から末にかけて長期金利は大幅下落し、2月に入ってから上昇したかと思えば、再び下がるという非常に不安定な動きをしています。

3月は新築マンションの完成引き渡しが集中する時期であり、この時期に住宅ローンの金利がどうなるか?

長期金利の動向には注目が集まっていますね。

この新型コロナウイルスのリスクを市場がどう判断するか?
という点が予想のポイントとなりそうです。

※当記事の金利や情報は2020年2月時点のものを記載しております。最新の金利情報は、必ず金融機関の公式サイトをご確認下さい。

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

千日太郎

千日太郎です。大阪で公認会計士事務所を営むかたわら、(千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える)を通じて金利予想やプロの視点から推奨する住宅ローンの組み方を情報発信することをライフワークにしています。ナビナビ住宅ローンで公開する記事が、少子高齢化社会でマイホームを買うあなたの良きナビケーターとなることを、心から願っています。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

住宅ローンの金利予想は調達金利と融資金利の側面から行う

千日が毎月公開している金利予想は、そのスタートから一貫して同じ方法によって行っています。

具体的な金利の予想を見る前にどのような方法で予想をしているのかを確認していただき、納得の上でご利用ください。

金融機関では、小売店が原価と売価の差益によって儲けを得るように、調達金利と融資金利の差益によって儲けを得ています。

お金を商品にしていると考えれば、調達金利は商品の原価であり、融資金利は商品の売価です。

金融市場➤(調達金利)➤金融機関➤(融資金利)➤私たち
調達金利:金融市場から資金を調達するために払う金利
融資金利:私たちに住宅ローンを融資するときに課す金利
➤:お金の流れ
():金利の種類

千日の金利予想は、金融市場の動向から少し先の調達金利を予想し、金融機関の営業方針から融資金利の傾向を推理して予想を出しています。

今のところ金利予想が的中しているのは、少し先の金融市場がわたしの想定内の動きをし、また、わたしの金融ビジネスに対する理解が大きく的を外していないためです。

どちらかにズレがあると、それだけ予想にズレが生じることがあります。

調達金利の側面:2020年3月の住宅ローン金利に影響する金融市場の動向

金融機関にとっての調達金利が上がったり下がったりする要因の一つが金融市場の長期金利(10年国債利回り)です。

こちらは2020年1月から2020年2月12日までの日米長期金利の推移をグラフにしたものです。

米国と日本ではもともとの金利のベースが異なるので、両者を比べやすくするように米国の1.95%と日本の0%が同じ高さにくるようにしており、目盛りは0.05%刻みで統一しています。

2月日米長期金利

米国長期金利(オレンジの折れ線グラフ)が顕著に動いています。

2020年に入ってからすぐ下がっているのは米軍がイランのソレイマニ司令官を殺害したことが原因ですが、すぐに上昇しています。

本格的に下降しているのは、1月22日あたりから、つまり新型肺炎の感染リスクが認識されてからです。

その後2月に入ってから上がっているのは、感染力が高い一方で死亡率は3%と毒性が低く、SARSの死亡率10%を下回っているということがあるでしょう。

2002年にSARSが流行したときには感染者の把握が遅れたため大流行となりましたが、その反省があり、中国政府は感染者を正確に把握し、逐一公開しています。

そして2月7日あたりから再び金利が下がっています。

中国に生産拠点を置く大手自動車メーカーが、中国工場の操業停止によって部品供給が止まり中国国外の生産にも影響が出る可能性があることを公表したことで、世界経済に波及する懸念が意識されたからでしょう。

米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は2月11日、新型コロナウイルス感染による肺炎拡大で「米国にいくらか影響がある可能性が極めて高い」と警戒感を表明しています。

市場がヒステリックに反応するのは「今後どうなるかわからない」という事象に対してです。

大方の予想として収束に向かうだろうとなっているところで、予想外の事実が出てくると過敏に反応する、そんな不安定さをはらんでいるのが今の状況です。

今後の金利は基本的に新型コロナウイルスの収束に伴って上昇傾向にありますが、突発的事故により、下がる可能性があります。

融資金利の側面:2020年3月の住宅ローンの金利に影響する銀行の営業方針

2020年3月は多くの日本企業の決算月であり、新築マンションの引き渡し、異動による引っ越しなどで住宅ローンの実行が集中する時期です。

住宅ローンを販売する金融機関にとっても、かき入れ時なのです。

住宅ローンの金利は3月1日に一斉に発表されます。

もしこのタイミングで金利が上がったとしても、すでに契約で決めている引き渡しの日を変更することは難しくなってきます。

つまり、金融機関にとっては金利を上げても利用者に逃げられる可能性が少ないということです。

メガバンクなどでも、2月までの金利を低くしていて、3月になってから急に上げるケースをよく目にしてきました。

直前に金利を上げると少し印象が悪くなるかもしれませんが、2月の末にかけて一時的に長期金利が上がるなど、金利が上がる大義名分があれば金利を上げてくるでしょう。

金利タイプ別2020年3月の金利予想

では、金利タイプ別に2020年3月の金利がどうなっていくのか予想していきます。

2月前半までの公開情報を前提とした予想になります。

30年超の超長期固定金利は横ばいor下がる

30年超の超長期固定金利の代表であるフラット35の金利は、2019年10月から2020年2月まで連続して上昇し続けています。

フラット35の金利と長期金利2月

フラット35の金利は前月の20日前後に決まりますので、その時点に青い棒グラフのフラット35(買取型)金利を立てています。

直近の長期金利に対応するフラット35の金利(左の軸)は、おおむね1.25%~1.28%位ではないかというところでしょう。

20年前後の長期固定金利は横ばいor(期待含みで)下がる

2019年12月から2020年1月にかけては、多くの銀行で20年固定金利を上げてきたのですが、これはフラット35の動きと同じでした。

基本的にはフラット35が横ばいor下がるならば、それに近い固定期間である20年固定金利も横ばいor下がると予想すべきです。

ただ、現在の20年固定金利は妥当な金利水準に近づいてきているので、下がる要素は少ないでしょう

また、前述のとおり3月は金融機関にとって収穫期ですから、あえて低金利をアピールする必要性も少なくなってくるのです。

下がってくれないかな…という期待も込めての予想です。

10年前後の中期固定金利は上がるor(期待含みで)横ばい

2019年上半期までの主要銀行の住宅ローンは、10年固定をメインとして価格競争の様相を呈してきました。

そのため、10年固定はだいぶ下がりきっている状態で、これ以上に下げると必要な利益が取れない状態になってきます。

しかし、2月の10年固定金利は一部の金融機関で金利を下げました。

これは1月末に新型コロナウイルスのリスクが認識されて大幅に長期金利が大幅に下がったことによるものです。

そして予想をしている2月の前半では1月末の金利水準から上がってきています。

2月には金利を下げて10年固定に人を集めておき、融資を実行する3月には金利を上げる大義名分がありますね。

銀行としては10年固定を上げるお膳立てができています。

しかし、できれば横ばいを維持してくれないかな…という期待も込めての予想です。

変動金利は横ばい

変動金利は日銀の政策金利の影響を受けますので、黒田総裁が政策金利を下げれば、変動金利が下がり、逆に政策金利が上がれば全ての銀行で一斉に変動金利が上がります。

しかし、いまのところ日銀が政策金利を上げるそぶりは一切ありません。

2020年1月には、ジャパンネット銀行が変動金利としては初めて0.4%台を切る0.399%という金利を発表しました

そして2月には、auじぶん銀行が借り換え限定で0.41%にじぶんでんきセット契約0.03%引き下げを組み合わせることで、適用金利が0.38%となるキャンペーンで対抗しています

3月にさらに下がる余地はなさそうです。
横ばいでしょう。

まとめ~市場は不安定なので複数の金利タイプで審査を通しておこう

新型コロナウイルスの影響は世界経済に波及しそうな勢いですが、それはすでに現時点の金利に反映されています。

基本的には上がる方向なのですが、どのくらいのダメージになるか?
その不透明感が重しになっている感じですね。

3月の金利が決まる下旬までの間に大きな事件が起こらなければ、住宅ローンの金利は概ね横ばいか若干の上昇となりそうです。

ここで書いた金利予想は前半に書きました予想ポリシーに従って出した千日個人の予想であり、実際の金利の動きとは異なってくる可能性は大いにあります。

ある程度複数の金利タイプで審査を出しておき、想定外の事態に対する保険としてください。

なお私の新刊著書『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』が日本実業出版社より絶賛発売中です。

住宅ローンの金利がどうやって決まるか?など住宅ローンで家を買う人が本来知っておくべきことを網羅しました。

この本が、素敵なマイホームで幸せな人生を送られる一助となることを祈っています。

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