• 2020.11.16

大統領選バイデン氏勝利!2020年12月の住宅ローン金利動向を予想します

執筆者: 千日太郎 (オフィス千日合同会社 代表社員)
2020年12月住宅ローンの金利予想

こんにちはブロガーの千日太郎です。

10月から11月にかけて主要銀行の住宅ローンの長期固定金利が上がってしまいました。

マーケットでは、米大統領選挙で民主党のバイデン氏が当選を確実とし、米国政治の不透明要素が解消したことで株価は上昇し長期金利も上昇傾向にあります。

さらに同じ週には3メガバンクの中間決算発表があり、三菱UFJとみずほが通期の純利益予想を上方修正しています。

こうした状況を踏まえて、2020年12月の住宅ローン金利動向を予想します。

※当記事の金利や情報は2020年11月15日時点のものを記載しております。
最新の金利情報は、必ず金融機関の公式サイトをご確認ください。
千日が毎月公開している金利予想の手法は一貫しており、記事の前半で解説していますので、必ず目を通しておいてください。

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

千日太郎

オフィス千日合同会社 代表社員

保有資格・検定

公認会計士

大阪で公認会計士を営みながら、オフィス千日合同会社 代表社員として、「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える」では金利予想やプロの視点から推奨する住宅ローンの組み方を情報発信。「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」では一般の人からの匿名の相談に無料で乗って、そのコンサル内容をネットに公開している。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

住宅ローンの金利予想は調達金利と融資金利の側面から行う

金融機関は調達金利と融資金利の差益によって儲けを得ています。

お金を商品にしていると考えれば、調達金利は商品の原価であり、融資金利は商品の売価です。

金融市場➤(調達金利)➤金融機関➤(融資金利)➤私たち

調達金利:金融市場から資金を調達するために払う金利
融資金利:私たちに住宅ローンを融資するときに課す金利
➤:お金の流れ
():金利の種類

千日太郎の金利予想は、金融市場の動向から少し先の調達金利を予想し、金融機関の営業方針から融資金利の傾向を推理して予想を出しています。

この方法で金利予想が的中するには、少し先の金融市場が想定内の動きをし、また、金融ビジネスに対する私の理解が的を外していないことが前提となります。

なお、今の新型コロナウイルスの環境下では変化のスピードと振れ幅が大きいので、その点ご了承ください。

調達金利の側面:
2020年12月の住宅ローン金利に影響する金融市場の動向

金融機関にとっての調達金利が上がったり下がったりする要因の一つが金融市場の長期金利であり、具体的には10年国債の利回りをいいます。

利回りとは投資した元本に対する成果として得られる利益が年に何パーセントかという割合を言います。

そして、債券の価格と利回りは逆に動くのです(負の相関関係)。

早い話が以下のような法則です。

✓債券の価格が上昇すると利回りが下落する
✓債券の価格が下落すると利回りが上昇する

投資家のセオリーとして、戦争や不況などで世界経済のリスクが上がると値下がりの危険がある株式を売却し、国債などの安全資産を買います。

このため不況時は債券価格が上がり、利回りが下落するのがセオリーです。

バイデン氏の勝利で米長期金利は急上昇

2020年10月1日~11月13日までの日米長期金利の動向をグラフにしました。

2020年12月住宅ローンの金利予想(日米長期金利)1

青の折れ線グラフの米長期金利は右肩上がりに上がっています。

米大統領選の投開票があった11月3日前後には大きく乱高下していますが、その後バイデン氏が勝利を確実にし、米政治の不透明感が和らぐに従って市場もリスクオンに振れ、債券を売却し株式を購入する流れへ移行しています。

一方で、全米の新型コロナウイルスの1日当たりの新規感染者が11月13日に18万1194人に達しており、連日最多記録を更新しています。

今の株価の上昇と金利上昇が実体経済とは乖離したものならば、じきに反動で下がることになりますが、今のこの勢いが月末まで続く可能性もあります。

日本の長期金利は上がりにくい

では日本の長期金利はどうなのか?同じ期間でクローズアップしてみました。

2020年12月住宅ローンの金利予想(日米長期金利)2

一般的な法則として、米国の長期金利が高騰すると日本の長期金利にも波及するのですが、日本の長期金利は米国のように大きく上昇していません。

安全資産としての日本国債への需要は根強く、債券価格が下がると即座に買いが入り、債券価格が高く維持されていることを意味します(債券価格が上がると利回りは下がる)。

主に日本国債を購入する国内の機関投資家は慎重姿勢を崩しておらず日本国債を買い支える傾向があるのですね。

そのため、米国の長期金利が実体経済と乖離してこのまま上がっていったとしても、日本の長期金利は、米国ほど上がらないだろうと予想しています。

融資金利の側面:
2020年12月の住宅ローンの金利に影響する銀行の営業方針

11月13日の週に日本の3メガバンクの2020年度中間決算が出そろいました。

三菱UFJとみずほが通期の純利益予想を上昇修正しています。

しかしこの上方修正は「良い」ということではなく、「思ったほど悪くなかった」ということです。

3グループの中間純利益を前年同期で比較すると全体的に2019年度よりもマイナスになっています。

(単位:億円)
中間純利益 三菱UFJ 三井住友 みずほ
2019年9月 6,069 4,319 2,876
2020年9月 4,008 2,701 2,155
増減 ▲2,061 ▲1,618 ▲721

3メガ銀行の利益が前年同期比較でマイナスとなった主要因は、コロナ不況による与信関係費用の増加です。

与信関係費用は主として債務者の倒産などで回収が不可能になった際に貸金を棒引きする「貸倒償却」や、債務者の財政状態が悪化したことで引き当てる「貸倒引当金繰入額」などによって構成されています。

これから、年度末にかけて景気が急激に悪化すると返済が困難になる企業が増えて与信関係費用がはね上がります。

与信関係費用は、3メガバンクの年度の予想に対する大きな不確定要因になっているのですね。

3メガバンクは慎重姿勢

日本3メガバンクの中間決算が想定よりも悪くなかった要因として、政府の政策対応などで4月~9月の倒産件数が抑制されたことが指摘されています。

三井住友だけが通期の純利益予想をあえて据え置きましたが、その理由としてコロナの影響で「潜在的リスクを抱えている顧客は結構いると思われる。

下期、あるいは来年度まで影響がずれ込んでくる可能性も十分ある」ためと表明しています。

また純利益を上方修正した三菱UFJとみずほも、コロナ不況からの経済回復シナリオを下方修正しています。

三菱UFJフィナンシャル・グループは、GDPの回復見通しとしてリーマンショック時よりも回復が遅い、「上に凸」なU字回復となるだろうとの見解を公表しています。

属性の高い顧客をターゲットにした低金利競争

そして、銀行にとって住宅ローンは与信関係費用の発生可能性が低い超優良債権なのですよ。

企業向けの事業融資は、前述のように不況が長引いて取りはぐれる可能性が高まっています。

しかし、住宅ローンは生活の基盤であるマイホームに第一順位の抵当権を設定します。

そして債務者は家を取られないように死に物狂いで返済にコミットしますから、コロナ不況の環境下で積極的に獲得していきたい債権なのです。

特に銀行から見て属性の高い人の住宅ローンは、これまで以上に積極的に獲得していきたいと考えるでしょう。

低金利でも融資できる属性の高い顧客をターゲットにした低金利競争に拍車がかかる可能性があります。

金利タイプ別2020年12月の金利予想

では、金利タイプ別に2020年12月の金利がどうなっていくのか予想していきます。

11月15日までの公開情報を前提とした予想になります。

30年超の超長期固定金利は横ばい

こちらは、30年超の超長期固定金利の代表であるフラット35(買取型)の金利と長期金利の推移を2020年8月から2020年11月までとったものです。

2020年12月住宅ローンの金利予想(フラット35()買取型と長期金利)

フラット35の金利は前月の20日前後に決まりますので、その時点に青い棒グラフのフラット35(買取型)金利を立てています。

過去4か月の長期金利は0.01%~0.04%で推移していて、機構債の表面利率が決まるタイミングでは0.02%~0.03%という狭いスパンで推移しています。

その結果フラット35の金利は1.30%~1.32%となっています。

前述の予想どおり、日本の長期金利がそれほど上がらず、また下がってくるならば12月のフラット35金利はおおむね横ばいで推移すると予想しています

なお、民間住宅ローンの30年超の超長期固定金利も、フラット35と似た動きになる傾向がありますので、民間住宅ローンの30年以上の超長期固定金利についても、横ばいと予想しています

20年前後の長期固定金利は横ばいor下がる

主要銀行の2020年11月の20年固定金利は上げたところと下げたところに分かれました。

ただし、10月まで最低金利であったネット銀行は金利を上げてしまったので、新生銀行が最低金利となっています。

直近の長期金利はバイデン氏勝利で上昇した米長期金利の波及で上昇していますが、一過性のものであれば再び下がるでしょう。

一方で銀行間の低金利競争がスタートしており、12月は横ばい又は期待含みで下がると予想しています。

10年前後の中期固定金利は横ばいor下がる

主要銀行の10年固定金利はコロナショックで上昇した後、6月から9月まで横ばいで推移してきましたが、10月と11月に2か月連続で金利を下げています。

ただし最低金利を付けているネット銀行については10月から11月にかけて横ばいとなっています。

現環境下で下げられるギリギリまで下がっているためです。

連続で金利を下げているのは2位グループのメガバンクです。

この傾向は今後も続き、12月はおおむね横ばいで推移する(2位グループは下げる可能性あり)と予想しています。

変動金利は横ばい

変動金利は、長期金利ではなく中央銀行の政策金利に影響を受けます。

政策金利とは、中央銀行が民間銀行に融資するときの金利です。

景気後退時には政策金利を下げ、好景気時には政策金利を上げます。

日本銀行には、今のところ政策金利について新たな政策情報はありません。

また、米連邦準備理事会(FRB)は6月10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2022年末までゼロ金利政策を維持する見通しを表明しており、8月27日には、物価上昇率が一時的に目標の2%を超えるのを容認する新たな政策方針を導入しています。

また、前述のように日本のコロナ不況からの回復ペースはかなり遅いと見込まれています。

そのため、しばらくの間は変動金利が上がることは無いと予想しています。

12月の変動金利は横ばいで推移するでしょう。

まとめ~全体的に横ばいor下がる傾向だが想定外への準備が必要

バイデン氏の勝利確定から株価は大きく上昇していますが、日本の長期金利は概ね横ばいで推移しています。

長期金利が上がらないのは3メガバンクの決算発表ではコロナ不況からの経済回復シナリオを下方修正しており、投資家の先行き不安を反映したものではないかと思います。

だとすれば、月末までの長期金利は上がらず、住宅ローンの金利も横ばいか下がると予想できます。

ただし、これはあくまでこの記事の執筆時点で千日太郎個人が予想していることにすぎません。

実際の金利動向はその通りにならない可能性は大いにあり得ます。

引き続き、日々の金利動向に目を配っておくことをお勧めします。

また、できるだけ複数の金融機関、異なる金利タイプで本審査を通しておき、想定外の事態に対する保険としてください。

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