• 2020.06.12

マイナス金利の導入で住宅ローンはどうなった?借り換えのポイントを解説

マイナス金利の図
マイナス金利で住宅ローンの金利が低い今こそ借り換えのチャンス!

とよく聞きますが、住宅ローンとマイナス金利の関係性をご存知の方は少ないのではないでしょうか。

確かに日銀が2016年にマイナス金利政策を導入してから、今の住宅ローン市場は低金利と見聞きする機会が増えましたよね。

それに伴い下記のような疑問を抱いている方も多いと思います。

そもそもマイナス金利がなぜ住宅ローンに影響するの?

結論から言うと、マイナス金利導入が引き金となって住宅ローンの低金利時代が到来している、というのが事実です。

マイナス金利導入前の2016年以前に住宅ローンを借りている方は、今借り換えすることで負担を大きく軽減できる可能性がありますよ

当記事ではマイナス金利政策と住宅ローン金利の関係性をお伝えしながら、マイナス金利の間に借り換えする具体的なメリットについて解説します。

住宅ローンの借り換えに悩んでいる方は、当記事を参考にすることで今借り換えすべきかどうかを判断できるようになります。

ぜひ参考になさってください。

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

政所温也

株式会社Choices 代表取締役

保有資格・検定

2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、損害保険募集人、損保自動車専門試験合格

2010年にファイナンシャルプランナー(FP)として独立し活動中。過去に大手金融ニュースメディアや損保公式サイトでも執筆活動を行った実績があり、「読みやすく理解しやすいライティング」を得意としている。2018年11月現在で、1,300記事以上の執筆実績がある。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

マイナス金利政策とは?住宅ローン金利との関係

「マイナス金利政策」とは

2016年1月より導入されている日本銀行(以下、日銀)の金融政策のことです。

日銀とはいわゆる政府の銀行で、税金などを預かって様々な金融政策を行います。

その金融政策の1つがマイナス金利だということです。

マイナス金利は景気の向上や物価の上昇を目的とし、2020年現在も継続されています。

マイナス金利政策は正式名称で「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」と言い、主に3つの政策で成り立っています。詳細は下記のとおりです。

マイナス金利付き量的・質的金融緩和の内容

  1. マイナス金利の導入
    →民間金融機関が利用している日銀当座預金に対し、一定金額を超える部分の適用金利をマイナス0.1%にする
  2. 金融市場の調節
  3. 長期国債やETFなどの資産の買い入れ

出典:2016年1月29日「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入(日本銀行)

このうち1.のマイナス金利導入が、住宅ローン金利の引き下げに大きな影響を及ぼしたのです。

マイナス金利で民間金融機関は融資を活性化した

マイナス金利導入とは、民間金融機関が日銀に必要以上にお金を預けると、金利がマイナスになる仕組みのことです。

預金金利がマイナスになるということはすなわち、お金を預けている側(金融機関)が逆に利息を支払わなければならなくなり、金融機関は損をするということです。

中央銀行である日銀にお金を集めるよりも、市場にできる限りお金を放出して経済を刺激すること。

これこそマイナス金利政策の狙いと言えるでしょう。

そのためマイナス金利政策の導入以降は、民間金融機関が企業や個人にどんどん融資をすることになりました。

住宅ローン金利を決めるのはあくまでも金融機関なので、マイナス金利政策が直接住宅ローン金利を引き下げたわけではありません。

つまりマイナス金利政策の導入により、間接的に金融機関の住宅ローン金利が影響を受けたということです。 

マイナス金利が導入され、住宅ローン金利は軒並み引き下げられた

2016年1月のマイナス金利政策の導入に影響を受け、各金融機関は住宅ローン金利を軒並み引き下げました。

マイナス金利導入前の2010年5月に年2.510%だった金利は2016年5月には年1.100%まで下がり、そして現在も下記の金利水準となっています。

フラット35の金利
1.300%

2020年07月適用金利

自己資金10%以上

借入期間21年~35年の場合

機構団信加入

このように全期間固定金利のフラット35でも、マイナス金利導入以前と以降では大きな変化があったのです。

住宅ローン金利は年1%でも違うと支払総額が数百万円変わることもあります。

そう考えるとマイナス金利による住宅ローン金利の変化がどれほど大きな影響をもたらしたのか、理解しやすいですよね。

ここではさらに深堀りして、下記のポイントについて触れていきます。

重要なポイントなので、それぞれ必ず確認しておいてくださいね。

住宅ローン金利が引き下げられた背景

マイナス金利で融資が活発になったのはわかるけど、
なんで住宅ローン金利が大幅に引き下げられたの?

と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。

確かにマイナス金利政策で日銀が行ったのは市場の融資開放であり、住宅ローン金利を直接引き下げたわけではありません。

住宅ローンの金利を決定するのは、先述したように各金融機関です。

しかし事実として、マイナス金利導入以降から2020年現在まで各金融機関は軒並み住宅ローン金利を引き下げています。

住宅ローン金利が引き下げられた理由は、おもに下記の2つです。

マイナス金利導入で各金融機関が住宅ローン金利を引き下げた理由

  1. マイナス金利政策で長期金利が低下し、固定金利が低下した
    長期金利とはフラット35などの長期固定金利に影響を与える重要な指標のことです。
    国内の代表的な長期金利は10年物国債の利回りですが、日銀はマイナス金利導入を始めとする金融政策により、国債を大量に買い入れしました。
    つまり日銀は国債の買い入れにより、長期金利を抑えるようコントロールしているわけです。
    結果長期金利は低下し、フラット35を始めとする長期固定金利も引き下げられることになったのです。

  2. 融資顧客を増やしたい各金融機関の競争が激化、変動金利が低下した
    マイナス金利政策により、金融機関は今まで以上の融資顧客を確保しなければならない状況になりました。
    多くの顧客を取り込むための手っ取り早い施策が、住宅ローン金利の引き下げだったわけです。
    マイナス金利導入以降は各金融機関が独自に実施する金利割引(優遇)が拡大し、特に変動金利の顧客獲得競争が激化しました。
    変動金利の適用金利が驚くほど低いのは、変動金利を目玉商品とする金利優遇策によって顧客拡大を狙っている金融機関が増えたからなのです。

上記をまとめると、金融機関が住宅ローン金利を引き下げたのには、下記のような背景があったからです。

  • 長期固定金利の引き下げ
    …日銀の長期金利誘導による国債の利回り低下によるもの
  • 変動金利の引き下げ
    …金融機関の競争が激化して金利優遇が拡大したことによるもの

どちらももとを辿ればマイナス金利政策が要因ですが、金利低下の背景が少し異なります。

特に固定金利に影響を与える国債の利回りは日銀のコントロール下にあるとはいえ、日々揺れ動く指標です。

固定金利は融資実行月によっても微妙に変動するため、その点もふまえたスムーズな借り換えが重要になってきますよ

金利が引き下げられたことで借り換えメリットが大きくなった

マイナス金利導入で金利が引き下げられている今、住宅ローン借り換えによるメリットは非常に大きくなっています。

ご自身が借り換えによるメリットを得られるかどうかを簡易的に判断する場合、下記のポイントをチェックしてみてください。

借り換えによるメリットを判断する目安

  • 借り換え前と借り換え後の金利差:年0.3%以上
  • 住宅ローン残存期間:10年以上
  • 住宅ローン残高:1,000万円以上

一般的には「住宅ローンの借り換えは金利差が1%以上あると良い」といわれることが多いのですが、実際には年0.3%の金利差でも総支払額を軽減できるケースもあるのです。

「金利差が年1%もない」と借り換えを断念していた方は、一度借り換えシミュレーションをしてみて具体的なメリットを確認してみてください。

総支払額がいくら軽減できるのかを具体的に可視化できれば、借り換えの判断もしやすくなりますよ

借り換えシミュレーションを行う際は下記のツールを活用してください。

ツールを活用することで借り換えメリットを簡単に可視化することができます。

▼おすすめ「借り換えシミュレーションツール」▼

参考住宅ローンの借り換え比較シミュレーションツール

マイナス金利によって借り換えした人が増加

2016年のマイナス金利導入によって住宅ローン金利が大幅に引き下げられたため、住宅ローンを借り換える方が急増しました。

国土交通省の調査によると民間金融機関での借り換え割合が、2016年(平成28年度)以降に大幅に増加していることがわかります。下記のグラフをご覧ください。

■民間金融機関による住宅ローン新規貸出額のうち、使途別の割合

マイナス金利前後の借り換え貸出額のグラフ

出典:「平成29年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」よりP25「(2)新規貸出額の使途別実績」(国土交通省)

同調査によると、調査対象民間金融機関での借り換え取扱い件数は平成27年度(2015年)約7万件でした。

それがマイナス金利政策導入直後の平成28年度(2016年)には、およそ2倍の約15万件になったのです。

借り換え件数が倍増したのは、マイナス金利政策の影響が相当大きかったからだと想定されます。

そして2020年現在もマイナス金利政策は継続中で、住宅ローンの借り換えブームも続いています。

マイナス金利政策の目標は景気向上や物価上昇ですが、これらの実現にはまだ時間がかかりそうですよね。

そのため2020年以降も、低金利による借り換えブームは続く可能性が非常に高いです。

住宅ローンの借り換えを検討しているのであれば、低金利が続いている今のうちに行うのがおすすめですよ。 

マイナス金利時の住宅ローン借り換えの注意点

マイナス金利政策が継続中の今、住宅ローンの借換えは絶好のタイミングと言えます。

ただし借り換えにはいくつか注意点もあるので、以下のポイントに気をつけてください。

住宅ローンを借り換える際の注意点

  • 借り換えの諸費用も含めたうえで、住宅ローンの総支払額がいくらになるのかを確認すること
  • 新規借入れ時と比べて借り換え時の審査は厳しいため、年収制限や返済負担率に気をつけること

借り換えでは新規で住宅ローンを借りるときと同様に数十万円の諸費用がかかります。

したがって借り換えの際は借り換え諸費用と金利差による住宅ローン利息の減少額を合算し、総支払額がいくら軽減できるのかを必ず確認しましょう。

せっかく借り換えをするのですから、経済的なメリットの確認は必須です。

先ほどご紹介したシミュレーションツールで総支払額を確認し、冷静に借り換えの判断をしてください。

また借り換えの審査は、新規借入れ時よりも年収や返済負担率を厳しく見られる傾向があります。

審査に通らなければ借り換えもできません。

スムーズな借り換えのためにも金融機関の年収制限は細かくチェックし、返済負担率も高くなりすぎないように気をつけましょう。

まとめ

マイナス金利政策の影響により、住宅ローンは歴史的な低金利が続いています。

借り換えをするなら金利が低い今こそ絶好のタイミングではないでしょうか。

マイナス金利政策下による借り換えでは、以下のポイントに気をつけてくださいね。

  • マイナス金利政策は日銀の金融政策で、間接的に住宅ローン市場の低金利化をもたらしている
  • 固定金利も変動金利も低金利傾向だが、金利の決まり方が異なる。特に固定金利は国債利回りが影響するため変動しやすく、融資実行月には要注意
  • 金利差が最低でも年0.3%あれば、借り換えメリットが生じる可能性がある
  • 借り換えの際は諸費用も含めた総支払額の計算や、審査時の年収制限と返済負担率に気をつけよう

物価上昇などの政策目標が実現していない以上、まだしばらくはマイナス金利政策が続く見込みです。

上記重要ポイントを参考にしつつ、最適な住宅ローン借り換えを実現させてくださいね
保険相談
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