住宅ローン控除が3年延長!増税前か増税後、最適な購入タイミングはいつ?

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2019年10月の消費税増税対策として、住宅ローン控除の期間が3年延長されることが決まりました。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、年末時点の住宅ローン残高に対する1%相当額分の税金が、お得になる節税制度です。現在の住宅ローン控除期間は10年ですので、3年間延長されれば、13年もの間税金がお得になるということですね。

これだけを見ればとてもありがたい延長ですが、その一方で

  • 3年延長はいつまでなのか、条件はあるのか
  • 延長後の控除内容は現行の制度と同じなのか
  • 消費税増税前か増税後、結局いつ買うのがお得なのか
  • そもそも住宅ローン控除の内容がよくわからない

これらのポイントが気になる人も多いと思います。

当記事では、住宅ローン控除の仕組みと3年延長の条件をご説明しながら、消費税増税前と増税後の住宅購入費用を比較し、よりお得になる購入タイミングを検証しています。

住宅ローン控除の3年延長が気になっている人、住宅の購入タイミングについて悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

住宅ローン控除の期間が10年から13年に延長される

現在の住宅ローン控除の期間は10年ですが、消費税増税にあわせて13年に延長されることになりました。

しかしこの変更は一時的な特例であり、恒久的なものではありません。延長はあくまで消費税増税による住宅の消費低迷を回避するための特例なので、特例期間が終わればまた現行の制度内容に戻ります。

特例期間中の変更点は以下のとおりで、延長される3年間の控除内容は現行の控除内容と異なる点に気をつけましょう。

< 住宅ローン控除の変更点>
現行の住宅ローン控除 特例適用後の住宅ローン控除
控除期間 10年間 13年間
控除金額
( 所得税と住民税)
1~10年目: 住宅ローン年末残高の合計額×1% (年40万円を限度※1) 1~10年目: 住宅ローン年末残高の合計額×1% (年40万円を限度※1)
11~13年目: 以下①②いずれか低い金額を控除
①住宅ローン年末残高の合計額×1% (年40万円を限度※1)
②建物価格の2% (※1年の控除額は2%の3等分のみ)

出典:「平成 31 年度税制改正の大綱」(財務省)

※1:「認定長期優良住宅」や 「認定低炭素住宅」の新築など、新築後未使用の購入を目的として住宅ローンを組んだ場合、限度額は年間50万円になります。

3年延長される間の控除額

  1. 住宅ローン年末残高の合計額×1%(年40万円を限度※1)
  2. 建物価格の2%(3等分して3年で控除)

いずれか低い金額となっています。多くの場合は①よりも②のほうが低い金額になるため、実質、建物価格の2%が11~13年目の控除額上限になると考えておきましょう。

例えば、建物価格が3000万円だった場合、2%分である60万円を3年かけて控除します。1年で2%全てを控除できるわけではないので、注意してくださいね。

そもそも住宅ローン控除とは

「そもそも住宅ローン控除自体がよくわからない…」という人もいると思います。あらためて、住宅ローン控除のポイントと控除金額例をご説明していきますね。まずは、下記のポイントと金額例をご覧ください。

<住宅ローン控除のポイント>

  • 年末の住宅ローン残高の1%相当額が、所得税や住民税から控除される
  • 毎年の上限は40万円で、10年間で最大400万円(※1)が控除される
  • 会社員の場合、初年度は確定申告、2年目からは会社の年末調整が必要
  • 所得税で控除しきれない場合は、翌年度の住民税額から、前年分の所得税の課税総所得金額等の7%(最高13万6500円)の範囲で控除される

※1:「認定長期優良住宅」や 「認定低炭素住宅」の新築や新築後未使用の購入を目的として住宅ローンを組んだ場合、限度額は年間50万円になります。

<住宅ローン控除 金額例>

  • 2018年末時点のローン残高が2000万円
  • ローン契約は単独名義
  • ローン契約者の所得税(2018年度分)は約10万円
  • ローン契約者の住民税(2019年度分)は約17万円
  • 控除金額=2000万円×1%相当額(20万円)のうち、所得税10万円分が還付金として返ってくる。控除しきれなかった残りの金額は翌年の住民税から控除される

出典:「No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」(国税庁)

少しわかりにくい部分として、「控除」という言葉があります。控除を簡単にいえば、「差し引かれる金額」という意味なので、「所得税から控除される」ということはすなわち、払った税金から差し引かれて手元に戻ってくるということですね。

上記例を見てもわかるかと思いますが、控除される金額はあくまで自分が支払った税金分だけが対象です。納税額は個人の所得によって異なるため、稼ぎが多い人(納税額が高い人)ほど節税メリットが高くなる仕組みですね。

住宅ローン控除を活用することで支払った税金分からお金が返ってくる、ということさえ理解しておけば問題ないでしょう。

共働き世帯の場合に関しては、夫婦それぞれが住宅ローン契約者になることで、夫も妻もそれぞれ住宅ローン控除を受けられることになります。

3年延長を受けられる条件

先ほどお伝えしたとおり、住宅ローン控除の3年延長は恒久的なものではなく、消費税増税に対する一時的な特例制度です。3年延長を受けられるのは、住宅の購入にかかる消費税率が10%で、一定の条件を満たした人だけなのです。

対象条件に当てはまらない場合、増税後であっても3年延長の特例が受けられないので注意しましょう。3年延長の条件で特に大切なのは、引き渡し日と物件の種類です。それぞれ詳しく解説していきます。 

2019年10月1日以降の引き渡しが対象

3年延長を受けられるのは、マンションや一戸建てなどの住宅の引き渡しと引っ越し、および住民票の移動が

  • 2019年10月1日~2020年12月31日まで
    であることが条件です。

注意点として、住宅の契約から引き渡しまでの期間が長期間になる注文住宅は留意が必要です。注文住宅(特別なカスタマイズができるマンションも含む)を2019年3月31日までに契約した場合、引き渡しが10月1日以降だったとしても、消費税は8%が適用されます。

消費税率8%での住宅購入については、3年延長の対象外となるので気をつけましょう。

中古住宅の個人間売買場合は対象にならない

3年延長を受けられるのは、消費税率10%が課税される場合のみです。

  • 個人から購入する中古住宅は消費税が非課税扱いになるため、3年延長の対象にならない
    という点に注意が必要です。

ただし、不動産業者などの宅地建物取引業者が個人の中古住宅を買い取って個人に販売する「中古再販住宅」は対象になります。また、中古住宅を増改築するためにかかった費用に関しても対象になります。

同じ中古住宅でも、個人からの購入と業者からの購入とでは、課税の点で大きな違いがあるので気をつけてください。
※この違いは、後述する「すまい給付金」でも同じです。

増税前と増税後の比較をする前に知っておくべきこと

消費税増税前と増税後の比較をする前に、3つ知っておくべきことがあります。

<増税前と増税後の比較をする前に知っておくべきこと>

  • 増税後はすまい給付金も20万円多くなる
  • 課税対象になるのは建物だけ
  • 諸費用や引越し代も増税の影響がある

いずれも大切なポイントなので、それぞれ詳しくご説明していきますね。

増税後はすまい給付金も20万円多くなる

住宅ローン控除の3年延長とあわせて、「すまい給付金」も拡充されることが決まりました。すまい給付金とは、消費税増税に伴う住宅購入者の負担軽減を目的とした制度です。

具体的には、一定の所得以下の人を対象に、10万円~30万円までの給付金が支給されます。

すまい給付金の大きな特徴

  • 住宅ローン利用者でなくても利用できる(年齢要件あり)
  • 所得制限がある(目安年収510万円以下)
  • 給付は1回限りで、現金支給(振込)

となっています。

現在、給付金額は最大30万円ですが、消費税増税にあわせて最大50万円に引き上げられることになりました。給付金の増加にあわせて対象者の所得基準も広くなり、増税後は幅広い世帯で給付を受けられるようになります。

< すまい給付金の変更点>
現行のすまい給付金 消費税増税後のすまい給付金
対象者の収入額の目安 510万円以下 775万円以下
給付金額
※所得額に応じて決まる
10万円から30万円 10万円から50万円

住宅ローン控除と同様に、共働きで夫婦それぞれが住宅ローン契約者になっている場合は、夫と妻それぞれが給付対象になります。夫婦名義での契約であれば、住宅ローン控除もすまい給付金もよりお得に利用できるということです。

ただし先ほども触れたように、個人間売買のケースはそもそも非課税になるので、給付対象外となります。

出典:「給付基礎額と都道府県民税の所得割額」(国土交通省)

課税対象となるのは建物だけ

実は、住宅の購入で課税対象となるのは「建物部分」だけです。土地部分の購入は非課税になるため、購入費用すべてに消費税増税の影響があるわけではないということに注意しましょう。

消費税の増税がどれだけ費用に影響するか考えるときは、正確な建物金額を知っておく必要があります。多くの場合、不動産業者のチラシやネットで掲載されている販売価格は税込金額です。消費税額さえわかれば、建物価格は逆算で簡単に求めることができますよ。

<建物価格逆算の例>

  • 新築戸建物件 : 4000万円(内、消費税150万円)
  • 建物価格 : 150万円÷8%=1875万
  • 増税後の消費税 : 187万5000円(増税による差額は37万5000円)

上記の建物価格はあくまで一例で、実際の建物価格は物件が中古or新築、マンションor戸建てなどの条件で大きく異なります。

新築マンションの場合は建物価格と土地価格が5割:5割であることが多いのですが、戸建て住宅や中古住宅物件の所在地などで差があるため、必ず確認しておくようにしましょう。

もし消費税額がわからない場合は、検討している不動産業者に確認し、正確な建物価格を把握しておきましょう。  

諸費用や引越し代も増税の影響がある

消費税増税で影響があるのは建物価格だけではありません。住宅ローンの利用にかかる諸費用(ローン事務手数料や仲介手数料)や、引っ越しに伴う家具の購入費、引っ越し代なども消費税増税の影響を受けることになります。

<消費税が影響する費用の目安>
仲介手数料
(新築マンションはかからないことが多い)
購入価格×3%+6万円が上限
ローン事務手数料 都市銀行や地方銀行は3万円、ネット銀行は借入額×2%
司法書士報酬代 約2万5000円~5万円
引っ越し代 3人家族で10万円~20万円
家具購入費 3人家族で100万円前後

上記の諸費用例はあくまで目安です。特に家具や引っ越し代などは各家庭で差があるため、目安を参考にしながら必要な金額を見積もっておきましょう。

増税前と増税後で、結局いつ家を買うのがお得になるのか

増税前と増税後、結局いつ買うのがお得なのでしょうか。ここが1番気になるポイントですよね。新築住宅の場合と中古住宅の場合、それぞれ比較しながら検証していきましょう。

新築住宅の場合

新築住宅でローンを組むとき、増税前の購入と増税後の購入、どちらがお得なのかを比較検証しました。

なお、新築住宅では仲介手数料不要のマンションが多いため、仲介手数料の有無により戸建てとマンションのケースを比較しています。

結論からいうと、年収650万円、建物価格1800万円という前提条件の場合、戸建てもマンションも、消費税増税後に購入したほうがお得です。消費税増税2%の影響よりも、住宅ローン控除の3年延長分36万円、すまい給付金20万円分が大きく影響していますね。

<検証の前提条件>
物件価格 3600万円
(建物価格1800万円/土地価格1800万円)
住宅ローン借入金額 2800万円
住宅ローン借入期間 30年
住宅ローン金利 1.33%(全期間固定金利)
住宅ローン利用者の年収 650万円
住宅ローン名義 世帯主単独名義
扶養家族 配偶者1名+子ども1名
引っ越しや家具購入費 120万円
諸費用 戸建て122万円
(仲介手数料114万円/融資事務手数料3万円/司法書士報酬5万円)
マンション8万円

※戸建て・マンションでそれぞれ前提条件が同じ場合
※2019年1月現在のフラット35の金利を参考にしています
※繰り上げ返済をしていないという前提で試算しています
※新築マンションは仲介手数料不要という前提で計算しています

<新築住宅の増税前後購入比較表>
消費税増税前(8%)の購入 消費税増税後(10%)の購入
建物価格 1944万円 1980万円(+40万円)
引っ越しや家具購入費 129万6000円 132万円(+2万4000円)
諸費用 ・戸建て:131万7600円
・マンション:8万6400円
・戸建て:134万2000円 (+2万4400円)
・マンション:8万8000円 (+1600円)
すまい給付金 対象外(年収条件が外れているため) 20万円(▲20万円)
住宅ローン減税3年延長の合計額 対象外 36万円(▲36万円)
増税による影響額 ・戸建て:▲11万1600円
・マンション:▲13万4400円

( )内は増税後に影響する金額

中古住宅の場合

対して、中古住宅でローンを組む場合はどうでしょうか。中古住宅は上述したとおり、売主が個人なら消費税は非課税で、住宅ローン控除の3年延長やすまい給付金も対象外です。

ここでは、中古住宅で非課税のケース(売主が個人の場合)と課税(売主が業者の場合)になるケースを対象にして比較しました。

結論からいうと、建物価格に消費税がかからない個人宅の購入は増税前のほうがややお得、消費税がかかる業者からの購入は増税後の購入のほうがお得です。

住宅ローン控除の3年延長とすまい給付金が対象になるかならないかで、大きく結果が変わっていますね。 

<前提条件>
物件価格 3000万円(建物価格1200万円/土地価格1800万円)
住宅ローン借入金額 2500万円
住宅ローン借入期間 30年
住宅ローン金利 1.33%(全期間固定金利)
住宅ローン利用者の年収 650万円
住宅ローン名義 世帯主単独名義
扶養家族 配偶者1名+子ども1名
引っ越しや家具購入費 120万円
諸費用 122万円(仲介手数料114万円/融資事務手数料3万円/司法書士報酬5万円)

※個人購入(非課税)と業者購入でそれぞれ前提条件が同じ場合
※2019年1月現在のフラット35の金利を参考にしています
※繰り上げ返済をしていないという前提で試算しています
※非課税のケースは個人からの購入、課税のケースは宅地建物取引業者からの購入という前提です

消費税増税前の購入 ( 消費税率8%) 消費税増税後の購入 ( 消費税率10%)
建物価格 個人から購入:1200万円
業者から購入:1296万円
個人から購入:1200万円
業者から購入:1320万円(+24万円)
引っ越しや家具購入費 129万6000円 132万円(+2万4000円)
諸費用 128万5200円 130万9000円(+2万3800円)
すまい給付金 対象外(年収条件が外れているため) 個人から購入:対象外
業者から購入:20万円
住宅ローン減税3年延長の合計額 対象外 個人から購入:対象外
業者から購入:24万円(▲24万円)
増税による影響額 個人から購入:+4万7800円
業者から購入:▲15万2200円

( )内は増税後に影響する金額
 
増税前の購入か増税後の購入、お得になるケースが多かったのは増税後の購入でした。

どのケースでも3年延長分の金額と、すまい給付金の増額がプラスに作用していました。増税前か増税後かで悩んでいる場合、住宅ローン控除だけでなく、すまい給付金の対象になるかどうかも調べて計算することが大切ですね。

まとめ

新築住宅でも中古住宅でも、増税前後の購入で明暗を分けるのは、住宅ローン控除の3年延長とすまい給付金です。

これらが対象になる場合は、増税後のほうがお得になるケースが多いでしょう。繰り返しますが、3年延長は一時的な特例で、対象期間は2019年10月1日~2020年12月31日までの引き渡し・引っ越し分のみです。

今マイホームの購入を考えている人は、上記の対象期間を意識しておくとより有利に住宅ローンを組めるようになるでしょう。ただ、人生の大半を過ごすマイホーム選びですので、お得だからという理由で焦って購入するのは危険です。

マイホームの最適な購入タイミングは、資金がしっかり準備できたときです。十分な自己資金があれば金利優遇されるだけでなく、最大の難関であるローン審査も通りやすくなります。

まずは各家庭でマイホームの資金計画を立て、計画にそった費用を準備し、その上で購入タイミングを調整するようにしましょう。

執筆者情報

京都FP事務所

京都FP事務所 ファイナンシャル・プランナー

当サイトの執筆を担当している「京都FP事務所」と申します。専門用語ばかりにならないよう、「わかりやすく行動しやすい」執筆を心がけています。ぜひ参考にしてみてください。

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