住宅ローンの実質金利の意味と計算方法を徹底解説!

住宅ローン実質金利計算
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住宅ローンで、諸費用を含めた金利を実質金利としている人が見られます。

借入先を選ぶ際には、諸費用を含めて検討する必要がありますので、その判断材料の一つとして実質金利を用いることができます。ただ一方で、実質金利は経済指標で使われる言葉ですので、違和感を覚えないでしょうか。

今回は、住宅ローンの実質金利の意味や関連する言葉を紹介しつつ、実質金利の計算方法について解説していきます。

執筆者情報

F&J FP事務所

F&J FP事務所 ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャルプランナー・住宅ローンアドバイザーとして、住宅ローンや保険の相談・アドバイスをしております。これから住宅ローンを利用しようとしている方々に向けて、公正中立な立場で役に立つ情報を発信できればと考えております。


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住宅ローンを実質金利で考えるのは難しい

この記事をお読みの人は、住宅ローンの実質金利について知りたいと思われます。一部のサイトなどでは、住宅ローンの諸費用を含めた金利を「実質金利」と呼んでいるようです。

金融機関のサイトに記載されている金利からは利息額しか計算できません。しかし実際にはローンについての諸費用が必要です。

このような理由で、諸費用を含めた負担額を考えなければなりませんが、この記事では、諸費用を含めた住宅ローンの金利の(表示)は「総支払額表示」として話を進めていきたいと思います。

総支払額表示のメリットとデメリット

総支払額表示を利用する際のメリットや利点、デメリットや注意点について解説していきます。諸費用を含めた総支払額で比較しなければなりませんので、総支払額表示は利用者のためになります。

ポイントをおさえておきましょう。

総支払額表示のメリットや利点

総支払額表示のメリットは何と言っても比較のしやすさです。現状では、各金融機関のシミュレーションツールを利用して、借入金額と利息額、諸費用を計算しなければなりません。

金融機関によっては総支払額の表示がありませんので、足すだけですが自分で合計する必要があります。その点、総支払額表示であれば、初めて住宅ローンを利用する人(ほとんどの人がはじめてですが)も自分で比較することができます。

総支払額表示のデメリットや注意点

住宅ローンの金利タイプは、全期間固定金利型、変動金利型、固定金利期間選択型を基本として、ミックス型や段階金利型など数多くあります。

全期間固定金利型以外は、借り入れ当初に「総支払額」を確定することができません。変動金利型は返済期間中に金利が変動する可能性がありますし、固定金利期間選択型は固定期間終了後に金利が上がるのが一般的だからです。

関連記事住宅ローンの変動金利は怖くない!リスクを抑えてメリットを活かす賢い使い方

そのため、総支払額表示を採用することで、総支払額が安いと勘違いしてしまう恐れがあります。

さらに金利タイプだけでなく、保証料(又は事務取扱手数料)は借入金額や審査結果によって異なる金融機関が多く、借入金額に影響しない定額タイプやキャンペーン期間で一時的に安くなっているケースもあります。

住宅ローンの商品性を理解し、ご自身の借り入れ条件で総支払額表示を計算する分には構いませんが、第三者が計算したものを信じて比較するにはリスクが伴います。

前提条件が変われば総支払額表示の数値も変わりますので、金融機関全体で統一した表記方法が確立されない限り、総支払額表示による比較はお勧めできません

総支払額表示を重視する意図は理解できる

第三者が計算した総支払額表示を利用するには十分な注意が必要ですが、住宅ローンで借入先を選択する際に、金利だけでなく諸費用を含めて比較しなければならない点は変わりません。

住宅ローンの仕組みがややこしすぎるため、もっと分かりやすくすべきです。そのため「実質金利」という言葉に引っかかりますが、個人が簡単に分かりやすく比較するためにはどうすればいいかという視点は重要だと思います。

ただこれまで解説してきたように、現状では多少面倒でも、各金融機関のシミュレーションツールを使い、諸費用を計算した方がはるかに分かりやすく、間違いも少ないのではないでしょうか。

総支払額表示の計算方法 1

総支払額表示は、エクセルの関数を使えば、簡単に計算することができます。手順としては、「PMT」関数で毎月の返済額を求めたあと、「RATE」関数で利率を出し、これが総支払額表示(%)となります。

金利0.517%、借入期間35年(420月)、借入金額3,000万円を例に計算してみましょう。

金利は小数に直し12月で割ります(月率にする)。あとは借入期間(月)と借入金額(30,000,000)の順に入力します。この結果は「-」符号が付きますので、「PMT」の前に「-」を入れておきます。

=-PMT(0.00517/12,420,30000000)

この関数を入力すると、毎月の返済額である「78,101円」と表示されます。

次に「RATE」関数を使います。借入期間(月)、先ほど求めた毎月の返済額(-を付ける)を挿入します。そのあとに2,950万円と入力しています。

本来なら一定の利息をずっと支払う代わりに3,000万円借りられるはずですが、諸費用を50万円とし、その分が差し引かれた2,950万円を借りたとしています。

また78,101円は毎月の返済額ですので、最後に12をかけて年単位にします。

=RATE(420,-78101,29500000)*12

この関数を入力すると、総支払額表示(%)である「0.616%」と表示されます。金利は0.517%ですので、諸費用を加えた分、金利の値が高くなっています。なお、2,950万円の箇所に3,000万円と入力すると、結果は0.517%となり、表示金利と値が一致します。

総支払額表示の計算方法 2

もっと簡単な計算方法もあります。エクセルの「IRR」関数を使いますが、これは不動産投資などで利用されていて、内部収益率といわれている指標です。

まずエクセルに、借入金額から諸費用を引いた2,950万円と毎月の返済額(-を付ける)を420回分(返済回数分)コピーします。

29500000
-78,101
-78,101
-78,101
※-78,101を合計420回分入力

これで準備は完了です。

あとは空いているセルに「=IRR()」と入力し、(  )内に入力した数値のセルすべてを入れ、12をかけます。

=IRR(K2:K422)*12

この結果は、先ほどと同じく、「0.616%」になります。

なお、内部収益率は、次の式で求めることができます。

C0 + C1/1+r + C2/(1+R)2 + ・・・+Cn/(1+r)n = 0
  • C0 :諸費用を引いた借入額(初期投資額)
  • C1 :毎月の返済額(年間収入)
  • r:利率

これらの関数を使うと、総支払額表示を求めることができますが、返済額が変わらないことをはじめ、借り入れ条件が変わらないことが大前提となっています。そのため、使用するとしても全期間固定金利型のみとするのがいいでしょう。

この仕組みを理解しようとするよりも、普通に金融機関のシミュレーションツールを使用して、金額を比較した方が速いし、分かりやすいと思いますが、いかがでしょうか。

参考:the balance

シミュレーションをしたい際は「住宅ローンのシミュレーションツール」をご活用下さい。

実質金利は手数料を含めた金利を表す?

最後に、この記事で「実質金利」という言葉を利用していない理由について解説しておきます。

実質金利という言葉は、経済指標で「名目金利」と共に使用されます。また東海東京証券のサイトには”預金金利や債券の表面利率などを「名目金利」といい”とあり、「実質金利」と対比させて説明しています。

いずれも住宅ローンについてではありません。個人的には、住宅ローンで「実質金利と名目金利」を使ったことはありません。

経済指標で使用している「実質金利」を住宅ローンで使用するのは混乱してしまいますが、一部のサイトでは保証料(事務取扱手数料)や登記費用、団信保険料などの諸費用を含めて計算した金利を実質金利と呼んでいるようです。

実質金利の対義語が表面金利ですが、金融機関のサイトなどで掲載されている住宅ローンの金利を表面金利としているようです。

一方、金融機関のサイトを訪問し、情報収集した人はご存知だと思いますが、金利だけでなく諸費用も確認しなければならず、複雑で金融機関を比較するのは難しいのではないでしょうか。

そこで出てくるのが、アメリカの銀行が使用しているAPR(annual percentage rate)です。このAPRを実質金利と呼んでいる人もいるようですが、annual(年間の)から、基本的には年率のことを指していると考えられます。

APRについて、海外のサイトを調べますと、” The nominal APR is the simple-interest rate. The effective APR is the fee+compound interest rate.”(出典:ABBREVIATIONS)とあり、”the nominal APR”は単純な年利率、”the effective APR”は諸費用を含めた利率と書かれており、”the effective APR”はEARと略されるようです。

この記事のテーマである「諸費用を含めた金利」はEARのことでしょう。

諸費用を含めた金利に関する解説が長くなりましたが、この記事では、総支払額表示という言葉を使っています。この言葉は、私も保有している住宅ローンアドバイザーの会報12月号に記載されている日本語訳でもあります。

参考:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
東海東京証券
Bank of America

まとめ

いわゆる「実質金利」について分かりましたでしょうか。経済指標の「実質」と「名目」は物価上昇率を加味するかどうかの違いで、住宅ローンの実質金利とは意味が異なるため、経済指標に慣れている人ほど迷われるのではないでしょうか。

住宅ローンにおける金利の名称について金融庁に問い合わせてみましたが、公的な定義はないそうなので、どのような意味で使われているか確認してから情報を読み解く必要がありそうです。

金利を含めた住宅ローンの比較ポイントについて、詳しくは下記の記事で解説しています。
おすすめ住宅ローンの金利比較!選び方からシミュレーション方法まで徹底解説

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