住宅ローンの仮審査はどんな内容?審査基準や通過ポイントをFPが解説

住宅ローン仮審査
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住宅ローンの利用を検討している方にとって、特に気になるのが「審査」でしょう。

住宅ローンは大きな金額を取り扱う分、審査基準も厳しいです。加えて、審査対象になる項目も幅広いため、「自分でも審査に通るのかなぁ…」と自信のない方も多いでしょう。そのような場合に活用できるのが、住宅ローンの仮審査なのです。

しかしながら、住宅ローンの仮審査にどのような情報が必要で、本審査とどのような点が異なるのかをご存知の方は非常に少ないです。この記事では、住宅ローンの仮審査と本審査の違いや審査基準の傾向など、さまざまな視点から解説していきます。

住宅ローンの仮審査とは

住宅ローンの仮審査とは、本来の審査よりも簡易的に行われる事前審査のことです。事前にある程度の項目で審査を行い、通常の審査よりもスピーディに回答を行います。仮審査を行うことにより、利用者にとっても住宅ローン貸付側にとっても手間の無駄を避けることができます。

では、仮審査と本審査には、どのような違いがあるのでしょうか。

仮審査と本審査の違い

住宅ローンの仮審査と本審査の違いをひとことでいえば、「かかる日数と内容」でしょう。住宅ローンの仮審査は、短い場合で3営業日程度の日数で回答を得ることができます。

対して本審査は、短い場合でも1週間程度、長い場合では1ヶ月程度を要するケースもあります。なぜこのような違いがあるのかというと、本審査では保証会社による審査をかけるとともに、「団体信用生命保険」の審査も並行して行われるケースが多いからです。

加えて、本審査では物件の担保価値なども踏まえて審査を行うため、回答に時間を要します。このような理由から、仮審査にかかる日数と本審査にかかる日数には、大きな違いがあるのです。

また、金融機関によって、仮審査では信用情報の照会を行わず、本審査で信用情報を踏まえた回答をなされる場合もあります。そのようなケースで万が一信用情報に何らかの問題があった場合は、仮審査の回答と本審査の回答が変わってしまう可能性があります。

住宅ローンの仮審査の内容

住宅ローンの仮審査を受ける場合、さまざまな情報の入力が必要になります。実際に入力が必要なのは、どのような情報なのでしょうか。住宅ローン仮審査の内容について触れていきましょう。

住宅ローンの仮審査で必要になる情報

住宅ローンの仮審査で必要になる情報の例を一覧にまとめました。

区別 詳細
個人に関する情報 氏名
性別
生年月日
連絡先
申込内容に関する情報 住宅ローンの借入希望額
借入希望日
自己資金の有無
金利タイプ
手数料の扱い
収入状況に関する情報 年収
職業
雇用形態
勤続年数
勤務先の事業規模など
物件に関する情報 土地の有無
広さ
建設予定住所
住居の構造
借入状況に関する情報 クレジットカードの残債
カードローンやキャッシングの残高
自動車ローンの残高
ショッピングローンの残高
リボ払い残高
分割払いの有無

上記はあくまで一例ですが、ほとんどの場合で必要になるのが、「個人に関する情報」「申込内容に関する情報」「収入状況に関する情報」「生活状況に関する情報」の4つです。仮審査を受ける方は、しっかり把握しておきましょう。

仮審査から融資までの流れ

住宅ローン仮審査から融資までの流れを簡単にまとめると、以下のようになります。

住宅ローン仮審査から融資までの流れ

  1. ホームページ、店頭などで仮審査を申請する
  2. 必要情報を記入し、仮審査の申込を完了させる
  3. 仮審査の実施
  4. 仮審査完了後、本人の連絡先に審査結果の連絡が入る
  5. 住宅ローンの本契約を締結し、本審査に移行する
  6. 本審査の実施
  7. 本審査完了後、本人の連絡先に審査回答がある
  8. 契約書類を全て受領し、指定した期日に融資実行

住宅ローンの仮審査を受けた後は本人の意思確認が行われ、希望があった場合に本審査へと進みます。本審査の前には住宅ローンの契約を締結する必要がありますので、郵送または店頭での手続きになるでしょう。

万が一本審査で落ちてしまった場合のため、契約内容には「審査に通過できなかった場合は無効」という旨が記載されているケースがほとんどです。

したがって、「本審査に落ちてしまったけどキャンセルできない」というようなことはまずありませんので、安心してください。

仮審査の内容について詳しく知りたい際は「住宅ローンの事前審査(仮審査)について詳しく解説!」を参考にして下さい。

住宅ローンの審査で重視されるポイント

中には、「住宅ローンの審査に落ちてしまいそうで不安…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。もちろん、冒頭でも触れたように住宅ローンの審査基準は厳しく、自動車ローンやクレジットカードの審査で問題にならないようなことが原因で、審査に落ちてしまうケースもあるのです。

しかし、実際に住宅ローン審査で重要視されるのは、どのようなポイントなのでしょうか。ここでは、調査データとともに審査で優先されるポイントをピックアップし、それぞれの要点を解説していきたいと思います。

政府データから審査で優先されるポイントを解説

平成29年3月公表の「平成28年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」によると、下記に挙げる項目が住宅ローン審査において考慮されているとのデータがあります。

住宅ローンの融資を行う際に考慮されている項目

  • 完済時年齢
  • 健康状態
  • 借入時年齢
  • 担保評価
  • 勤続年数
  • 年収
  • 連帯保証
  • 返済負担率
  • 融資可能額
  • 雇用形態
  • 他債務等の取引状況

項目別の要点に触れていきましょう。

完済時年齢

住宅ローンは高額な融資ですので、その分返済も長期に渡ります。場合によっては、定年退職後も返済を継続しなければならないケースもあるため、審査の際には完済時の年齢が大きく影響します。

例えば、25歳から返済期間35年の住宅ローンを契約する場合と、45歳から返済期間25年の住宅ローンを契約する場合を比較したとすると、当然ながら審査に有利なのは前者です。このように、住宅ローンの審査を受ける際には完済時の年齢も考慮しておく必要があります。

健康状態

住宅ローンを契約する際、ほとんどのケースでは「団体信用生命保険」という保険への加入が必須条件となっています。団体信用生命保険とは、住宅ローンの契約者に不慮の事態があった場合に、生命保険によって住宅ローンの残債を完済してもらえる保険のことです。

注意点として、団体信用生命保険への加入には審査があり、健康状態に問題のある利用者は加入することができません。このような背景から、住宅ローンの審査時には、利用者の健康状態も審査結果に大きく影響することになります。

借入時年齢

住宅ローンでは、利用開始年齢が20歳以上と定められています。しかし実際に20歳で十分な収入基盤を持っている利用者は少ないため、審査面で不利になる可能性があります。また、借入時の年齢が定年に近いなど、今後の収入状況に不安がある場合も、審査結果に影響する可能性があります。

担保評価

担保評価とは、住宅ローンの担保として提供する不動産の評価額のことです。例えば、借入金額3,000万円に対し担保評価が1,000万円だったとします。

万が一利用者が返済不能に陥ってしまった際、担保として提供された物件を売却したとしても残り2,000万円分のお金が回収できなくなってしまいます。

したがってこのようなケースでは、住宅ローンの審査に通過するのは非常に難しいでしょう。逆にいえば、借入金額に対して十分な担保評価が得られそうな場合は、審査結果に良い影響が生じる可能性があります。

住宅ローンの担保について詳しく知りたい際は「住宅ローンの担保って何?審査項目の一つである不動産担保について解説」を参考にして下さい。

勤続年数

住宅ローンの返済は長期に渡りますので、利用者に「安定的な収入源があるかどうか」が非常に重要なポイントになります。収入の安定度を測る1つの物差しとして、利用者の勤続年数が重要なポイントになるのです。

勤続年数が長ければ長いほど、「この利用者は安定的に返済を行ってもらえそうだ」と判断されやすくなり、逆に勤続年数が短い場合には、「この利用者は退職して返済不能になってしまうリスクがある」と判断されやすくなります。

住宅ローンによっては、申込条件に勤続年数の規定を設けている場合もあるため、要チェックの項目だといえるでしょう。

勤続年数が気になる際は「住宅ローンの勤続年数が条件に満たない場合の対処法」を参考にして下さい。

年収

当然ながら、利用者年収も住宅ローン審査の結果に影響します。利用者年収が著しく低い場合は住宅ローンの借入により、返済不能に陥ってしまうリスクが高くなるため、審査結果も厳しい結果になる可能性が高いです。

逆に、住宅ローンの返済額に対して十分な返済余力を有する場合は、審査結果に良い影響が生じる可能性があります。

どの程度の年収が必要なのかという基準は、借入金額や利用する商品によって異なりますので、返済シミュレーションを参考にしつつ、無理のない範囲で申込するようにしてください。

住宅ローン支払による年収が気になる際は「住宅ローンは年収の何倍で借りる?あなたに合った借入額をかんたんに算出!」を参考にして下さい。

連帯保証

住宅ローンの利用の際、「連帯保証」が必要になる場合があります。連帯保証とは、契約者と連帯して債務を保証する制度のことです。通常は、利用者とは別に、一定以上の返済能力を有する人を用意します。

これを「連帯保証人」といいます。住宅ローン会社は、万が一利用者が返済不能に陥ってしまった場合に、連帯保証人に対して住宅ローンの弁済を請求します。

したがって、「連帯保証人がいるかどうか」「連帯保証人の返済能力が問題ないかどうか」という点も、住宅ローンの審査結果に大きく影響するポイントでしょう。

連帯保証人について詳しく知りたい際は「住宅ローンに必要な連帯保証人とは?連帯保証人の条件と権利」を参考にして下さい。

返済負担率

返済負担率とは、収入に対する年間返済額の割合のことです。住宅ローン審査を通過するための1つの基準として、「返済負担率30%前後」という点があります。

ただし、審査に通過できる返済負担率は利用する商品によって大きく異なるため、「30%前後だから通過できる」と一概に言うことはできません。

返済負担率があまりに高すぎると、収入の変動等があった際、住宅ローンを返済できなくなる可能性が極めて高くなります。したがって住宅ローン審査においても、返済負担率は重視される傾向にあるのです。

融資可能額

住宅ローンを利用する際は、利用者の年収や生活状況から、融資可能な金額を算出します。しかしながら、他社の債務が多すぎたり、希望の融資額が返済能力に見合っていなかったりなど、融資額に問題がある場合は、住宅ローン審査の結果に影響してしまう可能性があります。

雇用形態

近年の住宅ローン審査で特に注目されるようになったとされているのが、「雇用形態」です。雇用形態とは、正社員、契約社員、パート・アルバイトなど、雇用契約の形のことです。

多様な働き方をする人が増える一方で、住宅ローンを貸付する側としては、「少しでもリスクの低い人に借りてもらいたい」と思うのは当然かもしれません。

このような理由から、正社員や公務員など収入の安定度の高い雇用形態の方ほど、住宅ローン審査で有利になる可能性が高いといえるでしょう。

他債務等の取引状況

住宅ローンの審査では、住宅ローン以外の債務状況もチェックされることになります。このチェックには、信用情報機関が取り扱う「信用情報」が利用されます。

信用情報には、クレジットカードやカードローンの契約内容、返済状況や滞納履歴など、あらゆる情報が記載されています。

万が一、他ローンなどで滞納を繰り返していることが発覚した場合、「住宅ローンの貸付はリスクが高い」と判断され、審査に落ちてしまう可能性が高くなります。また、他債務の取引が過剰な場合も、住宅ローンの審査結果に影響してしまう可能性があるでしょう。

住宅ローンの審査に落ちてしまうケース

住宅ローンの審査に落ちてしまうケースとしては、

  • 返済能力に問題がある
  • 完済時または借入時点の年齢に不安材料がある
  • 他社の残債が大きすぎるため、返済負担率が基準以上に達している
  • 他社の取引状況に問題がある

などが多いでしょう。

特に、住宅ローン審査では返済能力に関する基準が厳しめですので、他社の取引状況を改善した上で申込するほうが無難だといえます。

使用していないクレジットカードがあれば解約、カードローン等の残債があれば完済を検討するなど、できる限り審査に影響する要素を少なくしておくことで、より不安なく住宅ローンの審査を受けることができます。

これから住宅ローンの仮審査を受ける方は、ぜひ参考になさってください。

審査に落ちてしまった後の対処法については「住宅ローンの審査に落ちた9つの理由!審査通過するにはどうする?」を参考にして下さい。

まとめ

住宅ローンの仮審査は、手軽かつスピーディに活用できるものです。複数の住宅ローンを検討している方は仮審査を上手く活用しつつ、ご自身にピッタリの商品を見つけてください。

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