• 2020.07.08

住宅ローン団体信用生命保険の5つの注意点!疾病特約の種類も交えて解説

執筆者: 中野良唯 (ジョインコントラスト株式会社)
住宅ローン団信の5つの注意点

「団体信用生命保険」は、住宅ローンを借りるときによく目にしますよね。

しかし、団体信用生命保険がどのような保険なのか、名前を見るだけではピンと来ないはず。

・住宅ローンにおける団体信用生命保険ってなに?
・団体信用生命保険にはどんな種類があるの?
・団体信用生命保険と一般的な生命保険の違いは?

といった疑問を持っている人もいるでしょう。

団体信用生命保険とは、住宅ローン契約者にもしものことがあった場合に、住宅ローン残高が免除される保険です。

契約者に代わって保険会社が住宅ローン残高を支払ってくれるため、残された家族が住宅ローンの返済を続ける必要はなくなります。

団体信用生命保険の仕組み

当記事では、住宅ローンの団体信用生命保険について、下記のポイントを解説します。

この記事のポイント

  • 団体信用生命保険の基本的な情報
  • 団体信用生命保険に加入する際の注意点と対策
  • 団体信用生命保険の種類
  • 一般的な生命保険との違い

これから住宅ローンを借りる人は、審査に申し込む前に団体信用生命保険について理解を深めておきましょう。

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

中野良唯

ジョインコントラスト株式会社

保有資格・検定

AFP、宅地建物取引士

大手ハウスメーカーでの営業所長を経て、生命保険会社へFPとして転職。 その後、独立系FPとしてコンサルティングの幅を広げるためジョインコントラスト株式会社へ移籍。 現在は「家計教師.com」に所属するFPとして、家計の個別コンサルティングや各種セミナー、企業や学校などで講演会なども行なっています。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

団体信用生命保険についての基本

団体信用生命保険とは

住宅ローン契約者が死亡・高度障害状態となった場合に、保険会社が残りのローン返済を肩代わりしてくれる保険のこと。「団信(だんしん)」とも呼ばれる。

住宅ローンを借りる人の多くは、20~35年という長い年月をかけて返済するため、完済までの期間に契約者が亡くなったり高度障害になったりする確率はゼロではありません。

契約者が死亡もしくは高度障害となった場合に、団体信用生命保険に加入していれば保険金で住宅ローン残高が0円になります

住宅ローンの借り入れには団信への加入が必須

多くの金融機関では住宅ローンの借り入れ条件として、団体信用生命保険の加入を義務付けています

そのため、健康上の理由などで団体信用生命保険に加入できなければ、基本的に金融機関の住宅ローンを利用できません。

糖尿病や高血圧症などの持病がある場合は、団体信用生命保険への加入を断られてしまうケースもあるため、心配な人は下記の記事も参考にしてみてくださいね。

団体信用生命保険に加入する際の注意点

通常は、住宅ローンの借り入れと同時に団体信用生命保険に加入します。

しかし、団体信用生命保険にもさまざまなプランがあるため、よく理解していないまま選んでしまうと、もしものケガや病気の際に保障を受けられない可能性があります

団体信用生命保険は借り入れ後に内容を見直すことはできないので、加入前に注意点を知っておきましょう。

団体信用生命保険の5つの注意点

健康状態によっては加入できない場合がある

住宅ローン審査時の健康状態によっては、団体信用生命保険に加入できない場合があります

健康状態が良くない人へ住宅ローンを貸すことは、金融機関にとってはリスクになるため、住宅ローンの貸付条件には団体信用生命保険への加入が義務づけられています。

団信に加入できなければ、住宅ローンの借り入れもできなくなってしまいます。

審査結果に影響しやすいのは、持病の有無や、直近の治療経歴です。

持病がある方や、団体信用生命保険の加入を断られた方は、健康診断への条件が緩和された「ワイド団信」も検討してみてください。

団体信用生命保険に入れないときの解決策

ワイド団信とは、一般の団体信用生命保険よりも引受条件が緩和されている保険のことです。

糖尿病や高血圧症など、健康上の理由から団体信用生命保険に入れない方でも、ワイド団信なら加入できる場合があります

ワイド団信について詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。

また団体信用生命保険への加入が任意の「フラット35」を利用するという方法もあります。

通常の団信で保障されるのは死亡と高度障害のみ

通常の団体信用生命保険で保障されるのは、下記2つのパターンのみです。

通常の団体信用生命保険で保障される内容

  1. 住宅ローン契約者が死亡したとき
  2. 住宅ローン契約者が所定の高度障害になったとき

そのため、病気やケガで働けなくなった場合でも、普段と変わらず住宅ローンの返済を続ける必要があります

病気やケガで会社を休んだ場合は傷病手当金を受け取れますが、傷病手当金の支給金額は「標準報酬月額の3分の2」なので、必然的に収入は減少します。

本来の収入が得られない状態でも住宅ローンは返済しなければならないため、家計に大きな負担がかかります。

有給休暇の日数は限られているので、長期間の入院になると有給の日数もすぐに足りなくなってしまいます。

就業不能リスクを軽減するための解決策

就業不能保険・疾病特約のイメージ

将来のもしもの病気やケガによる就業不能リスクに備えるためには、「就業不能保険の加入」「疾病特約の付加」を検討してみましょう。

就業不能保険とは

病気やケガで働けない状態となった際に、毎月一定額の保険金が給付される保険です。
通常の団信ではカバーできない、就業不能による収入減を保険金で補うことができます。
保険会社にて加入が必要で、毎月の保険料が必要になります

疾病特約とは

団体信用生命保険に付加できるさまざまな特約のことを指します。
就業不能保障の特約を付ければ、所定の疾病が原因で就業不能状態が継続している間、月々のローン返済が0円となります。
住宅ローンの契約時に加入するもので、毎月の金利を上乗せすることで付帯できます

また、「auじぶん銀行」や「住信SBIネット銀行」のように、無料で病気やケガに備えられる保障が付帯している住宅ローンも存在します。

「高い費用はかけたくないけど、保障は付けておきたい……」という方は、上記の銀行も検討してみてください。

民間の生命保険と重複している保険を見直す

すでに民間の生命保険に加入している場合、生命保険と団体信用生命保険で、保障内容が重複することがあります。

生命保険で保障される金額に、自身が死亡したあとの住居費を含めている方もいるかと思います。

しかし、団体信用生命保険に加入していれば死亡時の住宅ローン残高は0円になるため、必要以上に保険料を支払うことになってしまうのです

毎月の住宅ローンの返済を考えると、少しでも余計な出費は抑えたいですよね。

保険料を節約したいという人は、団体信用生命保険に加入するタイミングで生命保険の内容を一度見直してみましょう

余分な保険料を支払わないための解決策

生命保険の見直しでは、下記の3点を中心として契約内容が自身の状況に合っているのかを確認しましょう。

  • 保障内容
  • 保障額
  • 保証期間

それぞれの項目については、下記のサイトで詳しく解説されています。

関連記事生命保険見直しのポイントとは? 4つの手順で保障を選んで家計を節約

疾病特約には支払い条件がある

団体信用生命保険に特約を付ければリスクに備えることができますが、特約による保険金を受け取るためには支払い条件を満たす必要があります。

団体信用生命保険の特約には、保険金が給付される条件・保険金が給付されない条件が細かく設定されています。

なかには「所定の状態が60日以上継続された場合に保険金が給付される」など、対象の病気になっただけでは支払い条件が満たされない特約もあります

団体信用生命保険の疾病特約への加入時は、金融機関に支払い対象となる条件をしっかりと確認しましょう

保障を追加するには特約保険料が必要

団体信用生命保険に疾病特約を追加する場合は、一般的には「特約保険料」として住宅ローンの金利が上乗せされます。

金利は年0.1%~0.3%ほど上乗せされるため、通常の団体信用生命保険のみの場合と比べて返済額が高くなります

「0.1%くらいなら返済額は大して変わらなさそう」と思ったかも知れませんね。

しかし、たとえば「借入額3,000万円・返済期間35年・金利0.500%」の住宅ローンでは、金利が年0.1%上乗せされると、年間のローン返済額は16,800円も増加します。

疾病特約の付帯による上乗せ金利に抵抗がある人は、無料で充実した保障内容が付く住宅ローンを検討してみましょう。

余分な保険料を支払わないための解決策

金融機関によっては、充実した保障が付帯する団体信用生命保険を、上乗せ金利なしで利用できます。

できるだけ金利を抑えたい場合は、特約保険料が金利に含まれている住宅ローンを探してみましょう

また、上乗せ金利ありの場合と上乗せ金利なしの場合で、どれくらい住宅ローンの返済額が変わるのかを一度シミュレーションしてみましょう。

シミュレーションの結果を踏まえて、自分のニーズに合う保障が付いた団体信用生命保険を選ぶことをおすすめします。

団体信用生命保険の種類

ここからは、代表的な団体信用生命保険の種類を解説します。

団体信用生命保険の種類

通常の団体信用生命保険では保障内容が限られていますが、特約を付ければリスクに備えることが可能です。

特約による保障範囲はそれぞれ異なるため、比較検討したうえで自分のニーズに合う団体信用生命保険を選びましょう。

通常の団体信用生命保険

「住宅ローン契約者が死亡」もしくは「高度障害となったとき」に、住宅ローン残高相当の保険金が給付されて以降の返済がすべて免除となります

住宅ローン契約者の万が一に備えることはできますが、保険金の支払い対象となるケースは限定的です。

通常の団体信用生命保険の保険料は、住宅ローンの金利に組み込まれているため、別で保険料はかかりません。

「一般団信」と記載されていることもありますが、保障内容は同じです。

3大疾病特約付き

「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」の3大疾病によって所定の条件を満たした場合、保険金で住宅ローン残高が0円となります

がん・脳卒中・急性心筋梗塞は、年齢を重ねるにつれて罹患率が上昇する病気です。

3大疾病にかかると失業や仕事内容の変化による収入減少のリスクがあるため、収入減に対する備えが大切です。

各年代における3大疾病の罹患率や、住宅ローンの返済が終わる年齢を踏まえて、3大疾病特約付団体信用生命保険にすべきか検討するとよいでしょう。

8大疾病特約付き

「3大疾病」と「5つの疾患」の保障が付いている団体信用生命保険です。

3大疾病はがん・脳卒中・急性心筋梗塞、5つの疾患は高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎を指します。

3大疾病

がん・脳卒中・急性心筋梗塞

5つの疾患

高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎

金融機関によって詳しい条件は異なりますが、

  • がんと診断された場合
  • 脳卒中・急性心筋梗塞で所定の状態が継続した場合
  • 5つの疾病による就業不能状態が長期にわたる場合

などに該当すると住宅ローン残高が0円になります。

また、8大疾病で入院し、所定の条件を満たせば入院一時金が支給されることもあります。

通常の団信よりも保障範囲が広いため、万が一病気やケガで入院することになっても返済を気にせず、治療に専念できるでしょう。

全疾病特約付き

8大疾病を含む、すべての病気やケガに対する保障が付いている団信です。

病気やケガで働けなくなったら月々の住宅ローン返済が、就業不能状態が長期間続いた場合に住宅ローン残高が0円になります

普段からどれだけ気を付けていても、すべての病気・ケガを完全に防ぐことはできません。病気やケガが原因で就業できない状態となれば、収入が減り、住宅ローンの返済が困難になる恐れがあります。

しかし、全疾病特約付団信で就業不能リスクに備えることができれば、「もしも」に対する不安を軽減できるでしょう。

がん保障特約付き

生まれて初めてがんと診断確定された場合、ローン残高と同等の保険金が給付される特約です。

脳や神経、口腔、呼吸器、消化器、内臓、泌尿器など、多様な部位のがんが保険金の支払い対象となります。

初期のがん(※)でも保険金は給付され、がんの治療中に保険金を返却する必要はありません。
※上皮内がんなどは除く。

「2人に1人はがんになる」と言われている時代だからこそ、がんによる就業不能リスクにしっかりと備えたい人は、がん保障特約を候補に入れるとよいでしょう。

団体信用生命保険と一般的な生命保険との違い

「団体信用生命保険と一般的な生命保険の違いがわからない」という人に向けて、相違点を表にまとめました。

団体信用生命保険 一般的な生命保険
保険料 金融機関が支払いを負担する 毎月被保険者が支払う
受取人 金融機関 被保険者の家族
保険期間 住宅ローンの借入期間と同等 定期保険は一定期間
終身保険は一生涯
加入条件 健康状態 健康状態・職業

一般的な生命保険では、被保険者が保険料を支払い、被保険者の家族などが保険金を受け取ります。

一方で、団体信用生命保険は保険料の支払人も受取人も金融機関です。

団体信用生命保険と一般的な生命保険には違いがあるため、内容を混同しないように注意しましょう。

団体信用生命保険のよくある質問

ここからは、団体信用生命保険に関するよくある質問にQ&A方式で回答します。

団信で不明点がある人は、各質問に対する回答を確認してみましょう。

住宅ローン契約者が返済中に亡くなった場合、住宅ローン残高相当の保険金が給付されるため、住宅ローンの債務は弁済されます。
残された遺族が住宅ローンの返済義務を負うことはありません。

疾病特約のある団体信用生命保険に加入していれば、所定の条件を満たすことで、月々の住宅ローンの返済が免除されます。
また、病気による就業不能状態が長期となった際は、住宅ローン残高が0円になる場合もあります。

 団体信用生命保険にがん保障が付いていれば、がんと診断確定された時点で住宅ローン残高に相当する保険金が給付され、住宅ローンの返済は免除されます。

まとめ

団体信用生命保険は、住宅ローン契約者の万が一に備えるための保険です。

住宅ローンの返済は20年~35年 と長期にわたることがほとんど。数十年に渡る返済の中で、住宅ローンの契約者が死亡したり高度障害となったりする確率はゼロとは言い切れません。

当記事で紹介した内容をもとに団信の保障内容や保険金の支払い条件、上乗せ金利の有無など、さまざまな観点から比較検討し、自分のニーズに合う団体信用生命保険に加入しましょう。

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