• 2020.06.10

住宅ローンの担保って何? 土地や建物を担保にする不動産担保について解説

緑の上に立つ家の模型と電卓

住宅ローンを検討しているときに、「担保」という言葉を耳にすることがあるでしょう。

「担保」とは、お金を借りた人が返済できなくなったときに、返済の代わりになってくれる人やものを指します。

つまり、お金を借りた人に何かがあっても、お金を貸した人が損をしないための保険が担保です。

担保には、土地や建物などを担保にする「物的担保」と、保証人などを担保にする「人的担保」の2種類があります。

住宅ローンでは「物的担保」が一般的です。

住宅ローンを借りる際は、多くの人が土地や建物を担保に入れます。

とはいえ「土地や建物を担保にして本当に大丈夫なの?」と不安に思う人もいますよね。

そこでこの記事では、住宅ローンを借りる際の担保について、以下の点を解説します。

  • 土地や家を担保にする「物的担保」ってどんなもの?
  • 担保なしで住宅ローンを借りることはできる?
  • 土地や家を担保にすると、どんなメリット・デメリットがある?
  • 親の土地に家を建てる場合、担保はどうなるの?

この記事を読めば、住宅ローンの物的担保について理解できますので、住宅ローンを検討する際の参考にしてください。

この記事を執筆・監修している専門家

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

執筆者

中野良唯

ジョインコントラスト株式会社

保有資格・検定

AFP、宅地建物取引士

大手ハウスメーカーでの営業所長を経て、生命保険会社へFPとして転職。 その後、独立系FPとしてコンサルティングの幅を広げるためジョインコントラスト株式会社へ移籍。 現在は「家計教師.com」に所属するFPとして、家計の個別コンサルティングや各種セミナー、企業や学校などで講演会なども行なっています。

住宅ローンの「担保」とは

住宅ローンを借りるときには「担保」が必要です。

「担保」という言葉の本来の意味は、お金を借りた人からお金を貸した人に、借りたお金を弁済する手段として提供するものを指します。

住宅ローンにおける「担保」とは、「住宅ローン契約者が万が一返済できなくなった場合の代わりの返済手段として金融機関に差し出すもの」のことです。

住宅ローンの担保には

  1. 物的担保
  2. 人的担保

の2種類があります。

物的担保と人的担保のどちらになるかは、住宅ローン契約者の状況などによって異なります。

住宅ローンの担保は「物的担保」が一般的

住宅ローンでは、資産価値のあるものを担保に入れる「物的担保」が一般的です。

住宅ローンを借りる際、基本的には住宅ローンで購入する土地や建物を担保に入れます

住宅ローン契約者が返済困難となった場合、金融機関は担保となっている土地や建物を競売にかけ、その売却価格で住宅ローンの残額を回収します

保証人などを担保にする「人的担保」もある

住宅ローンの人的担保とは、住宅ローン契約者以外の第三者に返済を保証させることを言います。

住宅ローン契約者による返済が困難となった際は、人的担保の対象者が代わりにローンを返済します。

人的担保の対象者には、保証人・連帯保証人・連帯債務者の3種類があります。

ただし、金融機関の多くは保証会社の利用を指定しているため、保証人は原則不要です

保証会社を利用する場合、返済困難となった住宅ローン残高は保証会社が肩代わりしてくれます。

しかし、住宅ローンの債務が消滅するわけではないため、住宅ローン契約者は保証会社が肩代わりした分のお金を保証会社に支払わなければなりません

土地や建物を担保にせずに住宅ローンを借りることもできる

住宅ローンを借りる際は、融資対象となる土地や建物を必ず担保に入れなければならないイメージがありますよね。

しかし、住宅ローン商品の中には「無担保住宅ローン」もあります。

無担保住宅ローンとは?

担保を用意しなくても借りられる住宅ローンのこと。
主に、地方銀行・ネット銀行・信用金庫・労働金庫などが無担保住宅ローンを取り扱っている。

無担保住宅ローンは、土地や建物を担保に入れなくてもローンを借りられる点が魅力です。

ただし、住宅ローン金利が基準金利に上乗せした利率となる、借入可能額が1,000万円~2,000万円以下と定められているなど、土地や建物を担保に入れる住宅ローンと比較すると無担保住宅ローンは高金利で少額な借入になります

土地や建物を担保にするメリット・デメリット

金融機関によっては無担保住宅ローンを取り扱っているものの、担保を用意しない分、金利が割高になる点は注意が必要です。

では、土地や建物を担保に入れて住宅ローンを借りると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

土地や建物を担保に入れるメリット

  1. 住宅ローン金利が低金利になる
  2. 借入可能額が増える
  3. 借入期間が長くなる

土地や建物を担保に入れるデメリット

  1. 返済困難となれば担保に入れた不動産が売却される
  2. 担保の審査に時間がかかる

ここからは、それぞれのメリット・デメリットについて簡単に説明します。

メリット1:低い金利で住宅ローンを借りられる

土地や建物を担保に入れる有担保住宅ローンは、金利の優遇を受けることで、低金利になる可能性があります。

無担保住宅ローンの金利は約1.000~3.000%前後であるのに対し、最大引き下げが適用された有担保住宅ローンの金利は約0.500~1.000%前後です。

住宅ローンの返済額は金利の利率に影響を受けるため、金利が低くなれば、総返済額も抑えることができます

メリット2:借りられる金額が大きい

多くの金融機関では、有担保住宅ローンの借入可能額を1億円以内に設定しています。

無担保住宅ローンの借入可能額は1,000万円~2,000万円以下であることが多いため、融資額がマイホームの購入価格に届かない恐れがあります。

3,000万円以上の物件を購入する場合などは、借入限度額の上限が高く設定されている有担保の住宅ローンを検討すべきでしょう。

メリット3:借入期間を長くできる

担保ありの住宅ローンの場合、借入期間を35年などの長期に設定することが可能です。

無担保住宅ローンの借入期間は、基本的に15年~20年以内です。

中には最長25年で借りられる無担保住宅ローンもありますが、有担保住宅ローンで設定できる最長の借入期間と比べると短くなります。

借入金額が同じでも、借入期間によって毎月の返済額は変わります。

借入期間を長めにすれば、毎月の返済額を家計に無理のない範囲に抑えられるでしょう。

デメリット1:返済できなくなったときは担保を売却しなければならない

住宅ローンの返済が困難となれば、担保に入れている土地や建物は差し押さえられ、競売にかけられます。

せっかく購入したマイホームを手放す恐れがあることは、有担保住宅ローンのデメリットと言えます。

デメリット2:担保の審査に時間がかかる場合がある

無担保住宅ローンでは担保となる不動産の審査が必要ないため、住宅ローン審査に申し込んだその日に融資に至るケースもあります。

しかし、有担保住宅ローンの審査では、担保に入れる土地や建物も審査対象です。

担保ありの住宅ローンでは、申し込みから融資実行までに1か月以上の時間がかかることもあるため、即座に借りられない点に注意が必要です。

また、担保審査の結果次第では、希望借入額に満たないこともあります。特に中古物件の場合、希望借入額に届かない審査結果となる可能性は高くなります。

ここまで紹介したように、住宅ローンを借りる際に土地や建物を担保に入れることには、メリットだけでなくデメリットもあります。

金融機関によっては、担保なしでもローンを借りられる無担保住宅ローンを取り扱っていますが、有担保住宅ローンよりも金利が高いことが無担保住宅ローンの特徴です。

有担保住宅ローンと無担保住宅ローンのどちらにするのかは、今後のライフスタイルや総返済額などを踏まえ、よく比較検討してから決めましょう

親の土地に家を建てる場合の担保

自身で購入した土地に家を建てる場合は、物的担保として土地や建物を差し出して住宅ローンを借りるのが一般的です。

では、親が所有する土地に家を建てる場合、住宅ローンの担保は必要なのでしょうか。

結論から言うと、無担保住宅ローン以外の住宅ローンを借りるのであれば、家を建てる土地が親名義でも担保は必須です

ここからは、親名義の土地にマイホームを新築する人に向けて、住宅ローンを借りる際の担保について解説します。

親名義の土地を物的担保にしてローンを借りることはできる

親が所有する土地の敷地内に家を建てる場合、親名義の土地を担保に入れて住宅ローンを借りることが可能です。

ただし、土地の所有者である親の明確な承諾を得なければなりません

住宅ローンを貸し出す金融機関は、「持っている土地を担保にしてもよい」と親から承諾を得ているのかどうかを重視します。

そのため、親の了承を得ずに親名義の土地を担保に入れようとしている場合、住宅ローンを借りることはできません

また、「土地を持っているのは親だから、住宅ローンを借りたあとに土地を担保に入れたことを報告しても大丈夫」と考える人もいますが、たとえ親族関係でも担保提供の承諾を曖昧にしたことが原因でトラブルに発展するケースはめずらしくありません。

親名義の土地を物的担保にして住宅ローンを借りる際は、担保提供者である親に予定している借入金額や返済プランを説明し、確実に了承を得た上で住宅ローン審査に申し込みましょう

もちろん、金融機関からも承諾書の提出が求められます。

なお、金融機関や借入金額などによっては、同意の上で親が所有する土地を担保にしても、住宅ローンを借りられないことがあります。

親に連帯保証人になってもらい、住宅ローンを借りることもできる

親名義の土地を担保に入れて住宅ローンを借りるときは、金融機関から親が「連帯保証人」になるよう求められることがあります

連帯保証人とは?

住宅ローン契約者が返済困難となった際、代わりに返済義務を負う人のこと。

連帯保証人となれば、親も住宅ローンを返済する責任を負います。

つまり、子が住宅ローンを返済できない場合、返済能力の有無にかかわらず、土地の提供者である親がローンを返済しなければなりません

親の土地に家を建てる場合は、連帯保証人のリスクなども親に必ず伝え、家族間でよく話し合いましょう

親の土地を担保にする場合の注意点

親の土地を担保にして住宅ローンを借りる際は、担保の提供に関する同意を得る、連帯保証人になる了承を得ること以外にも注意点があります。

注意点

  1. 住宅ローン審査では親の判断能力も問われることがある
  2. すでに担保設定された土地は、住宅ローンの担保にできない
  3. 土地の相続時に兄弟・姉妹間でトラブルになる恐れがある

ここからは、住宅ローンで親名義の土地を担保にする3つの注意点について詳しく説明します。

注意点1:借りる際には、親に契約に関する判断能力があるかが重要になる

住宅ローン審査の際、担保提供に関する明確な同意だけでなく、契約に関する親の判断能力も金融機関は重視します。

70代以上の高齢となると、健康上の問題から判断能力が落ちる人もいます。

そのため、子としては土地の提供に関して親から了承を得たつもりでも、親が高齢で判断能力が低下していれば、契約行為を正確に理解できているとは限りません。

親の判断能力が不十分なまま契約に至らないよう、親が70歳を超える場合は医師の診断書の提出を求める金融機関もあります

注意点2:すでに土地が担保になっている場合、住宅ローンの担保にはできない

ほかの借り入れの担保となっている土地は、住宅ローンの物的担保として設定することはできません。

すでに担保として設定された土地を、別の借り入れの担保として審査に申し込んでも、融資の承認は下りないことがほとんどです。

そのため、親の土地に担保設定があれば、住宅ローンの審査に通過することが難しくなります

注意点3:相続時のトラブルに注意!

親の土地を利用して家を建てる場合、親が亡くなったあとに兄弟・姉妹間で相続トラブルが起こる恐れがあります。

親の死亡後、親名義の土地は子で所有権を分割して相続します。

もちろん、親名義の土地にある家の所有権を持つのは、家を建てた人です。

しかし、家の所有者ではない兄弟や姉妹が、家が建っている土地の一部を相続しても何の価値もありません。

そのため、土地の代わりになる対価を兄弟や姉妹から請求されるケースも存在します

住宅ローンで親名義の土地を担保にする場合は、さまざまな観点で注意が必要です。

住宅ローンを借りるときだけでなく、完済後のトラブルを未然に防ぐためにも、当記事で紹介した内容をぜひ参考にしてください。

まとめ

住宅ローンの担保には「物的担保」と「人的担保」の2種類があり、基本的には融資対象となる土地や建物を担保に入れます。

土地や建物を担保にすると低金利な住宅ローンを借りられるようになりますが、住宅ローン契約者による返済が困難なときは、担保として設定した土地や建物が売却される恐れがあります。

金融機関によっては、土地や建物を担保に入れなくても利用できる無担保住宅ローンを取り扱っています。

ただし、有担保住宅ローンに比べると無担保住宅ローンは高金利となり、借入可能額や借入期間の上限も異なるため、比較検討した上で慎重に住宅ローンを選びましょう。

なお、親名義の土地に建てる家の購入費用として住宅ローンを利用する場合、住宅ローン審査では担保提供者である親の承諾や判断能力が問われます。

また、土地の担保設定や相続関係にも注意しなければなりません。

当記事で紹介した内容をもとに、住宅ローンの物的担保に関する理解を深め、住宅ローンをスムーズに借りましょう
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