• 2020.09.03

住宅ローンは同じ銀行では借り換えできない!借り換えの代わりに出来る方法を徹底解説

執筆者: 政所温也 (株式会社Choices 代表取締役)
家とマンションの模型とノートパソコンを打つ手元
  • 同じ銀行で住宅ローンの借り換えはできない
  • 同じ銀行のまま返済負担を下げる方法は3つある
  • そもそも他行へ借り換えする方がお得になる可能性が高い
住宅ローンの金利を下げたい。同じ銀行で借り換えできないかな…

と思い、情報収集している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論から言えば、基本的に同じ銀行で住宅ローンの借り換えはできません。

なぜなら銀行にとっては一方的に不利な行為だからです。

当記事では同じ銀行で住宅ローンの内容を見直す方法として、下記について、わかりやすく解説していきます。

同じ銀行で住宅ローンの内容を見直す方法

  • 住宅ローンの条件を変える「金利タイプの変更」
  • 究極の裏技である「金利引き下げ交渉」
  • 無駄な利息を減らす「繰り上げ返済」

総返済額を少なくするための対処法もご案内しますので、「できる限り面倒なく住宅ローンの金利を下げたい」と思っている方は参考になさってくださいね。

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

政所温也

株式会社Choices 代表取締役

保有資格・検定

2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、損害保険募集人、損保自動車専門試験合格

2010年にファイナンシャルプランナー(FP)として独立し活動中。過去に大手金融ニュースメディアや損保公式サイトでも執筆活動を行った実績があり、「読みやすく理解しやすいライティング」を得意としている。2020年9月現在で、1,700記事以上の執筆実績がある。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

同じ銀行で住宅ローンの借り換えはできない

冒頭でお伝えしたとおり、基本的に同じ銀行で同じ住宅ローン商品へ借り換えることはできません。

理由は銀行が一方的に不利になってしまうからです。

同じ銀行で借り換えられない理由

  • 利用者は常に良い条件の住宅ローンに更新できると、銀行にとって、利用者も融資額も増えないのに利益(利息)だけ減ることになるから

上記から、同一銀行内での借り換えはほとんどできないようになっています。

とはいえ、フラット35からフラット35への借り換えは可能としている金融機関は多いです。

詳細にわかりやすくご説明していきましょう。 

同じ銀行でもフラット35からフラット35の借り換えは可能

現在フラット35を契約している場合、実は同じ銀行で最新のフラット35へ借り換えできる場合があります。

例えば、

  1. 金利の高い時期にローンを組んでいて、低い金利に借り換えたい
  2. フラット35を15年以上返済していて、金利の低い「フラット20」に変更したい

というようなケースです。

数年前と比べて現在のフラット35金利は低い

フラット35の金利推移

2009年頃のフラット35金利は約3%でした。2020年現在は1.3%程度で推移しています。

わずか10年の間にフラット35の金利はかなり低くなっていることがわかりますね。

現在のフラット35金利は過去最低レベルなので、借り換えをするタイミングとしては絶好の機会ですよ。

フラット35への借り換えで月々の返済を軽減できる

現在より低い金利で借り換えすることができれば、月々の支払いが少なくなることが期待できますよ。

注意点として、フラット35からフラット35への借り換えは金融機関によっては断られる可能性もあります

実際に借り換えできるかどうか、金融機関へ事前に確認しておきましょう。

同じ銀行のまま返済負担を下げる方法

現在の借入先を変更せずに、返済負担を下げる方法は3つあります。

それぞれ解説していきますね。

同じ銀行で金利タイプを変更する

同じ銀行で住宅ローンの借り入れ条件を見直したいなら、「金利タイプの変更」という方法もあります。

金利タイプの変更は以下の2パターンになります。

  • 変動金利から固定期間選択型へ変更する
    契約期間中いつでも変更可
  • 固定期間選択型から変動金利へ変更する
    固定期間終了時点で変更可
    ※全期間固定金利は変更できない金融機関がほとんどです。

金利タイプの変更なら、ほとんどの金融機関で対応可能となっています。

借り換えではないので、契約も簡単な手続きを済ませるだけですぐに切り替えできますよ。

そのため「手間をかけずに住宅ローンを見直したい」という方におすすめです。

ただ「金利タイプ変更は簡単」とお伝えしましたが、デメリットも存在します。

金利タイプ変更のメリットとデメリットについてわかりやすく解説していきましょう。

メリット

デメリット

メリット1:手間が少ない

金利タイプの変更はほとんど手間がかかりません。

金利タイプの変更であれば、金融機関に変更の申し出を行って所定の手続きを済ませるだけで、次回または次々回の返済から変更することができます(※)

※現在返済を滞納しているなど状況に問題がある場合は金融機関から金利タイプの変更を断られる可能性もあります。

それに対して、住宅ローンの借り換えであれば、複数の書類提出や審査、契約の締結、司法書士との面談などが必要です。

したがって借り換えをする際は、最低でも1か月半程度の時間が必要になるでしょう。

借り換えよりも楽に進めたいという人におすすめの方法です。

「住宅ローンを借り換えたいけど面倒そうだな……」と感じている方は、下記の記事も参考にしてみてください。

メリット2:手数料が無料

金利タイプの変更は手数料は無料がほとんどで、かかっても1万円程度です。また手続きのスピードも非常に速いです。

また、対面式住宅ローンであってもネット上で手続きすれば、手数料が無料になる場合があります。

借り換えする場合、一般的には数十万円の諸費用頭金が必要になります。

手軽に住宅ローン内容を変えられるという点は金利タイプ変更の大きなメリットです。

デメリット1:借り換えの方が安い

金利面については、金利タイプ変更よりも他行で借り換えしたほうが、安くなることが多いです。

借り換えの場合は複数の金融機関で金利や商品内容を比較しつつ、最も有利な金利を選択することが可能です。

つまり金利タイプの変更は、借り換えのように多数の選択肢があるわけではないということです。

手軽に手続きできる反面、金利の引き下げ効果はほとんどないないことを覚えておきましょう。

金利が低く、借り換えにおすすめの住宅ローンについては、下記の記事で詳しく解説しています。

デメリット2:固定特約期間は変更できない

金利タイプの変更には、変動金利で借りている人しかできないという注意点があります。

つまり返済中にいつでも金利タイプの変更ができるのは「現在変動金利で契約している」という方だけです。

しかも変動金利から変更できるのは固定金利型だけなので、適用金利自体も上がる場合が多いでしょう。

加えて「変動金利から変動金利への切り替え」も不可となります。

契約そのものを丸ごと見直せる借り換えとは違い、金利タイプの変更にはこういった制限があるので注意してください。 

同じ銀行で金利を引き下げる

借り換えをしなくても、現在借り入れている銀行に交渉することで金利が引き下げられる可能性があります。

金利引き下げ交渉は、一般の顧客が行うのは難しいといわれてきました。

しかし近年は各金融機関の顧客獲得競争や、空前の借り換えブームが訪れています。

金融機関としてもせっかく獲得した顧客を、借り換えで手放したくないという思いがあるため、金利の引き下げに応じてくれるケースが増えてきています。

金利の引き下げ交渉は、以下の順で進めていきます。

しっかり事前準備を行ったうえで慎重に進めることが大切ですよ。

もちろん手順通り進めても交渉がうまくいかない場合もあるので要注意です。

各ステップの流れと注意点をあわせて解説していきましょう。

ステップ1:借り換え先に事前審査を申し込む

ステップ1は借り換え先の銀行を複数に絞って、事前審査を申し込みます。

事前審査で通らない場合は返済滞納したことがないか、借り入れが多すぎないかなど、個人信用情報の状況を振り返ってみましょう。

また個人信用情報に問題がなくても、

  • 直近で転職をしていて勤続年数が短い
  • 以前よりも大幅に収入がダウンしている

というような状況の方は審査に落ちやすいので要注意です。

金利引き下げ交渉時は再度審査される

金利引き下げ交渉では再度審査が行われ、金融機関が引き下げを行うかどうかを決定します。

つまり他行の借り換え事前審査に通らない方の場合、今の銀行の金利引き下げ交渉も断られる可能性が高いのです。

金利引き下げ交渉はあくまで現在の住宅ローン返済が問題なくできている「信用力のある方」のみ使えます。

事前審査の結果をふまえ、交渉できる状況にあるかどうかを知ることも大切ですよ。

ステップ2:引き下げの交渉をする

事前審査に通過したら、具体的な返済シミュレーションと審査結果の書類を取得しましょう。それを使って担当者に引き下げ交渉を行います。

くれぐれも書類を取得してから交渉に進むようにしてください

なぜなら書類を使って借り換えの具体性を持たせたほうが引き下げ交渉をしやすいからです。

ライバル銀行の書類も取得しておく

交渉材料として返済シミュレーションや見積もりなどの書類を取得する際は、現銀行のライバル銀行の書類も取得しておきましょう。

特に地方銀行や地元密着型の信用金庫などは、限られた地域の中で数少ないシェアを競っているため、ライバル銀行の動きに敏感です。

つまり銀行としても「あそこに顧客を取られるぐらいなら…」という心理が働くのです。

地方銀行にネット銀行の金利を見せたとしてもそもそも提供しているサービスや商品性が異なるので、単純な引き下げは難しいです。

しかし地方銀行同士であれば、サービスや商品性が似ているうえにマーケットも同じですよね。

このように「似た形態のライバル銀行同士で金利を競わせる」というのも、金利引き下げ交渉に使いやすいテクニックなので覚えておきましょう。

ステップ3:借り換えるか決める

引き下げ交渉の審査結果が出たら、

  • このまま同じ銀行で金利を引き下げてもらい契約を継続する
  • やっぱり他行へ借り換える

の2つの選択肢から今後の方向性を決めましょう。

もし金利引き下げに成功しても他行への借り換えほど安くならないケースが大半です。

しかし今の銀行で住宅ローンを継続できれば、面倒な借り換え手続きや数十万円の諸費用は不要ですよね。

借り換えするかどうかを決める際は表面的な金利だけ比較するのではなく、諸費用込みの総返済額や手続き面の手間も含めて検討するようにしましょう。

注意点:借り換えせざるを得ないことも

十分な準備で挑んでも、金利の引き下げ交渉がうまくいかないこともあります。

引き下げ交渉できないケースとしては、

  • 低金利なネット銀行で借り入れしており、元々交渉の余地がなかった
  • 金利の引き下げ時に行われる再審査に通らなかった

などがあります。

交渉の余地がない場合は仕方がないですが、実は再審査に落ちてしまうと、現在の契約を継続できなくなる可能性があります。

金利交渉の際の再審査で落ちてしまった場合は、他行への借り換えしか選択肢がなくなる、というリスクも理解した上で金利の引き下げ交渉に臨みましょう。 

さらに詳細に知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

繰り上げ返済で利息を減らす

繰り上げ返済であれば、銀行や金利タイプの変更をしなくても簡単に利息を減らせます。

利息を減らせば総返済額も少なくなるので、手元にまとまった資金があるなら繰り上げ返済を検討しましょう。

繰り上げ返済の手数料は無料の金融機関が多く、もし手数料がかかったとしても数千円~1万円程度です。

繰り上げ返済であれば金融機関の判断により断られるリスクもないので、どなたでも手軽に利用できますよ。

「手軽に総返済額を少なくしたい」という方は、繰り上げ返済を検討してみましょう。 

他行へ借り換える方がお得になりやすい

金利タイプの変更や引き下げ交渉以外でも、住宅ローンの総返済額を少なくする方法が借り換えになります。

借り換えなら金利の引き下げに加えて団信の付帯などの見直しも可能です。

具体的な対処法について説明します。

他行への借り換えは金利引き下げができる

他行への借り換えなら金利を引き下げできる可能性が高く、独自の団信や疾病保障などの各種付帯サービスの見直しも可能になります。

2020年現在も銀行間の住宅ローン競争が激化していますし、インターネット上の比較情報も充実しています。

したがって、

  1. 多くの銀行の中から最も有利な金利プランを選べる
  2. ライフスタイルに合った付帯サービスを選べる

の2つは借り換えならではのメリットでしょう。

多少手間と費用はかかっても良いので、住宅ローンの条件を大きく見直したい

という方であれば、他行への借り換えがおすすめです。

まとめ

現在の借り入れと同じ銀行での住宅ローンの借り換えはできませんが、

  • フラット35からフラット35やフラット20へ変更する
  • 金利タイプの変更
  • 金利の引き下げ交渉
  • 繰り上げ返済

といった方法であれば見直しは可能です。

いずれも借り換えのような複雑な手続きや多額の諸費用は不要ですし、時間と費用を節約しながら手軽に見直しできるのが大きな魅力です。

同じ銀行で住宅ローンの見直しをする場合は、以下のポイントに気をつけましょう。

  • いずれの方法にしても金融機関や利用者の状況によって対応可否は異なる。
    最悪の場合、借り換えしか選択肢がなくなる場合もある
  • 金利や付帯サービスの見直しを重視する場合は、他行へ借り換えしたほうが良い条件にしやすい
  • 総返済額を少なくしたいなら、繰り上げ返済で利息を減らすという方法もある

上記のポイントをふまえたうえで同じ銀行で内容を見直すのか、それとも他行へ借り換えをするのか、ご自身に適した方法を選択してくださいね。

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