• 2018.06.11
  • 2019.10.15

住宅ローンを収入合算で借りたい人が知っておくべき基礎知識

住宅ローン連帯債務
じぶん銀行

夫婦共働き世帯の場合、住宅ローンは収入合算せずに借りた方が家計に余裕があるのは当然です。ただ収入合算すれば早めに住宅を取得することができたり、希望の住宅を手に入れやすかったりとメリットもあります。無計画に収入合算して身の丈以上の住宅を取得するのはリスクを伴いますが、今後の働き方を含め、将来の資金計画を立てれば、安心して利用できるでしょう。

これから住宅ローンを選択し、収入合算をしようかどうか検討している人にとってまず、収入合算の仕組みを理解しておくおことが重要です。そこで今回は、収入合算で必要となる連帯債務、連帯保証、ペアローンの基本的な知識に触れ、それぞれのメリット・デメリット、注意点などを解説していきます。

執筆者情報

F&J FP事務所

F&J FP事務所 ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャルプランナー・住宅ローンアドバイザーとして、住宅ローンや保険の相談・アドバイスをしております。これから住宅ローンを利用しようとしている方々に向けて、公正中立な立場で役に立つ情報を発信できればと考えております。


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夫婦や親子の収入を合わせて住宅ローンを借りる目的は?

収入合算をすることで返済負担率を下げられる。

親子で住宅ローンを返済することを検討していたり、夫婦共働き世帯が増えている中、住宅ローンを利用する際にはどちらか一人で借りるのではなく、収入合算で借りることを検討する人もいらっしゃるでしょう。

住宅ローンは購入価格や建築費用の全額を必ず借りられるわけではありません。住宅ローンを利用するには金融機関の審査を通過する必要があります。審査内容の一つに、年収に対する借入金額の割合を表す返済負担率と呼ばれるものがあります。たとえば住宅を購入するために毎月10万円、年間120万円の返済をしたい場合で、返済負担率の基準が30%なら、年収400万円以上必要となります。返済負担率を計算する際には、現在返済している自動車ローンや教育ローンなどの借入金も含まれますので、年収額は400万円では足りないこともあります。

そこで夫婦ともに収入がある場合、収入合算をすることで審査の基準となる年収の額を増やしたり、返済負担率を減らしたりすることができます。先ほどの例で、配偶者の年収が300万円だとすると、合算年収700万円となり、返済負担率は約17%となります。

収入合算により選べる住宅が増えますが、実際に収入合算をするかどうかはメリットやデメリットをしっかり理解した上で決めていただきたいと思います。まずは収入合算を考える上で重要な連帯債務、連帯保証、ペアローンの違いについて理解しておきましょう。

連帯債務・連帯保証・ペアローンの違い

収入合算と言っても、金融機関によって、ペアローン、連帯債務、連帯保証の3つのタイプに分かれます。それぞれの特徴を具体的に見ていきましょう。なおイメージがしやすいように、夫婦による収入合算を想定し、妻の収入を合算したケースで解説していきます。

1.妻が連帯債務者になるケース

収入合算を利用するために連帯債務を要件とする金融機関があります。連帯債務を採用している金融機関としては住宅金融支援機構のフラット35があります。

<フラット35 収入合算の要件>
フラット35の収入合算の要件は、次の1〜4すべての要件を満たす必要があります。

  1. 申し込み本人の直系親族、配偶者(婚約者や内縁関係含む)
  2. 申し込み時の年齢が70歳未満
  3. 申し込み本人と同居している
  4. 連帯債務者となる

フラット35に限らず、収入合算を検討している人は要件をチェックしましょう。フラット35の場合は、連帯債務者になることが要件の一つになっています。では連帯債務とはどのような特徴があるのでしょうか。

一言でいえば、借入金額に対して、夫婦それぞれ全額を返済する義務があるのが連帯債務です。のちほど解説する連帯保証は夫が返済できなくなった時に妻に返済を求めることができるので、両者を比較すると違いは明確です。ただ重要なポイントはここではなく、住宅ローン控除を適用できるか団体信用生命保険に加入できるかという点です。連帯保証やペアローンも含めた、全てのパターンでこの2点の扱いをしっかりおさえておきましょう

妻を連帯債務者として収入合算した場合、住宅ローン控除は借入金額(ローン残高)と持分(不動産の所有割合)に応じて受けることができます。不動産は建物と土地は別々に記録(登記)しますが、建物を夫、土地を妻と分けることもできますし、建物・土地それぞれ2分の1ずつに分けることもできます。ただ住宅ローン控除は土地のみの購入では適用されません。そのため不動産の持分は夫婦どちらも建物の所有が条件となります。

税金での注意点

また夫婦が借入金額の半分ずつを均等に負担した場合、不動産も半分ずつの所有としなければ税金がかかる可能性があります。不動産の所有者などを記録することを登記といいますが、登記の際に不動産の所有者を複数記載することができます。仮に借入金額を夫婦で折半し、不動産の所有者はすべて夫の場合、登記簿上、夫は実際の価格の半分しか払わずに不動産を取得したことになります。このようにしてしまうと、妻から夫に資金の贈与があったと見なされ、金額によっては贈与税が課せられます。このことは連帯債務に限らず、収入合算した場合に注意しておきたい点です。

<具体的には・・・>
夫(持分1/2):購入価格3,000万円×1/2=1,500万円 借入金額2,000万円
妻(持分1/2):購入価格3,000万円×1/2=1,500万円 借入金額1,000万円

この場合、妻は1,500万円の不動産を1,000万円で取得したことになり、また夫から妻に500万円の贈与があったと見なされます

団信への加入ですが、連帯債務の場合は夫のみの加入となります。夫は保障の対象ですが、妻は対象外ですので、妻に万一のことがあり世帯収入が減ったとしても、夫が全てを負担しなければなりません。ただフラット35のように夫婦連生団信(デュエット)があれば夫婦ともに保障を受けることができます。

収入合算をするかどうかに限りませんが、夫婦が将来、仕事を続けるか、不動産の所有者をどうするかなど計画を立てておく必要があります。

※参考:フラット35 収入合算(連帯債務者)

2.妻が連帯保証人になるケース

収入合算では連帯保証人が必要な金融機関もあります。「保証」とあると必ず必要と思うかもしれませんが、収入合算をせずに住宅ローンを夫婦どちらかのみで組む場合、保証会社が保証人の役割を果たしますので、原則、不要です。

こちらでは、新生銀行の要件を確認してみましょう。

新生銀行のサイトに次のような記載があります。

  1. 収入合算する場合は、収入合算者が連帯保証人になる
  2. 二人でローンを組むペアローンの場合、お互いに連帯保証人になる。

連帯保証は、主たる債務者である夫が返済できなかった場合に、連帯保証人である妻に返済義務が生じます。連帯債務は最初から夫婦に全額支払う義務があるため、連帯保証と異なります

また連帯保証では、妻は連帯保証人になるだけですので、返済するのは夫のみです。そのため妻は住宅ローン控除を受けることはできませんし、団信に加入することもできません。

新生銀行の場合、「2」にペアローンの記載がありますが、これについては次の章で解説します。

※参考:新生銀行 収入合算(連帯保証人)

3.夫婦でペアローンを利用するケース

ペアローンは、収入合算する夫婦がそれぞれ主な債務者として住宅ローンを組みます。お互いに連帯保証となります。夫婦それぞれ団信に加入でき、住宅ローン控除も適用することができます。連帯債務の章でも解説しましたが、不動産の所有割合(持分)と同じ割合で返済しなければ、贈与税が課税される可能性があります。

またペアローンは夫婦ともに住宅ローンの契約を結びますので、それぞれ審査と手続きが必要となります。諸費用は借入金額によって変動するものもありますので2倍にはなりませんが、それでも契約者1人の時より諸費用は増えるでしょう。

※参考:住信SBIネット銀行 ペアローン

連帯債務・連帯保証・ペアローン メリット・デメリットのまとめ

ここまで連帯債務、連帯保証、ペアローンについて解説してきましたが、それぞれの特徴についてまとめておきます。

<連帯債務・連帯保証・ペアローンの比較一覧>

連帯債務 連帯保証 ペアローン
住宅ローン控除 夫婦 夫(又は妻)のみ 夫婦
団信の加入 夫(又は妻)のみ 夫(又は妻)のみ 夫婦
メリット 契約は夫(又は妻)のみなので、審査や手続き、諸費用の面でペアローンより優れている。 夫(又は妻)のみが不動産の所有者となるので、わかりやすい。 夫婦ともに住宅ローン控除、団信を利用できる。
デメリット 原則、団信の加入は夫(又は妻)のみなので、妻(又は夫)が万一のときには返済負担が重くなる。 収入合算するものの、夫(又は妻)のみが主たる債務者になるため、妻(又は夫)は住宅ローン控除を利用できない。 夫婦それぞれ2つの契約を結ぶため、それぞれ審査に通る必要があり、諸費用もそれぞれかかる。

収入合算時の注意点

収入合算には3つのタイプがあり、金融機関によってタイプが違うことを紹介しましたが、注意点としては、3つのタイプから自由に選べないことが一つです。最終的に選択した金融機関のタイプに従うことになることが一般的です。

また借入金額と不動産の持分をそろえておかないと、贈与税の課税対象になる可能性があります。さらに土地と建物を共有し、万一離婚した場合、不動産はどちらが取得するか、争いの論点になる可能性があります(もちろん連帯保証でどちらか一方の所有であっても夫婦が築いてきた共通財産の一部と見なされることもあります)。

仮に複数のタイプから選択できる場合は、特徴をよく比較し、必要であればシミュレーションをして金銭面も検討しなければなりません。特に住宅ローン控除を夫婦ともに適用させたいために収入合算を選択する人も多いでしょう。支払っている所得税(と住民税)以上に還付されませんので、住宅ローン控除による還付金をシミュレーションしておかなければならないでしょう。

まとめ

連帯債務や連帯保証という言葉は難しいかもしれませんが、住宅ローン利用者にとって重要な点である住宅ローン控除の適用と団信への加入(万一のときの保障)を中心に違いを理解すると分かりやすいのではないでしょうか。ゆくゆくは不動産会社や金融機関に直接相談して決定してください。

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