• 2020.07.08

年収800万円の人はいくらまで住宅ローンを組める?理想の返済額と上限を解説

世帯年収800万円だけど、住宅ローンはどの程度借入できるのかな?


と思い、情報収集している方も多いと思います。

もちろん、住宅ローンの適正額は貯蓄や借入時の年齢などで変わってくるものですが、やっぱりある程度の目安も知っておきたいですよね。

そこで当記事では、

    について、わかりやすく解説していきます。

    「世帯年収800万円の住宅ローン適正額が知りたい」という方や、「無理のないローンの組み方が知りたい」という方は、参考になさってくださいね。

    この記事を執筆・監修している専門家

    執筆者

    政所温也

    株式会社Choices 代表取締役

    保有資格・検定

    2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、損害保険募集人、損保自動車専門試験合格

    2010年にファイナンシャルプランナー(FP)として独立し活動中。過去に大手金融ニュースメディアや損保公式サイトでも執筆活動を行った実績があり、「読みやすく理解しやすいライティング」を得意としている。2018年11月現在で、1,300記事以上の執筆実績がある。

    編集者

    ナビナビ住宅ローン編集部

    住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

    年収800万円が無理なく返済できる住宅ローンは約3,300万円

    年収800万円の方が無理なく返せる住宅ローン額の目安は、約3,300万円~3,400万円です。

    額面年収に占める返済額の割合(返済負担率)が15%で、手取り年収に占める返済額の割合が20%になる計算です。

    年収800万円の手取りは税金等を差し引くと約600万円程度なので、適正額を下記のように計算することができますよ。

       住宅ローン適正額の算出方法

    • 800万円(額面年収)×15%=120万円
    • 600万円(手取り年収)×20%=120万円

    つまり、「年間の支払いが120万円におさまる住宅ローン」が年収800万円世帯では理想ということですね。

    この120万円をもとに、住宅ローンの適正借入額をシミュレーションしてみました。

    <年間の支払いが120万円になる、理想の借入額シミュレーション>

    ①住宅ローン条件:【頭金なし
    全期間固定金利(フラット35)
    金利年1.43%/35年返済/元利均等返済/ボーナス払いなしの場合=3,302万円まで
    ②住宅ローン条件:【頭金あり
    全期間固定金利(フラット35)
    金利年1.17%/35年返済/元利均等返済/ボーナス払いなしの場合=3,444万円まで

    ※2019年11月時点のフラット35金利を参照
    ※シミュレーションに利用したサイト:「フラット35:借入希望金額から返済額を計算」(住宅金融支援機構)

    上記の①②は、頭金の有無によって金利が異なるため、借入可能額にも違いが出ています。

    しかしながら、どちらも年間の返済額が120万円におさまる計算になっていますよね。

    つまり、借入金額は3,300万円以上でも以下でも構わないということ。

    なによりも大切なポイントは、年間の返済額が120万円以内で、額面年収に対する負担率も15%におさまっているかどうかなのです。

    この金額を見て、

    なぜ返済負担率15%なの?
    不動産業者は年収の5倍が目安と言っていた

    と疑問に感じる方もいるでしょう。

    しかし実際に物件を購入するとなると、住宅ローンだけを返せばいいというわけではありません。

    住宅ローン以外の費用も実は高額で、その費用も踏まえて計算すると、上記の金額が理想的という結果になるのです。

    住宅ローン以外にどのような支出があり、理想的な返済負担率がなぜ15%なのか、わかりやすくご説明していきますね。

    住宅ローン以外の支出を踏まえることが重要

    冒頭でも触れたように、年収800万円世帯の理想的な住宅ローンとは、額面年収に対する返済負担率が15%におさまっている状態です。

    なぜ返済負担率を15%以下にすべきなのかといえば、住宅ローン返済額以外の支出も踏まえた計算だからです。

    住宅ローン以外にどのような支出があるのか、下記の具体例を見てみましょう。

    <住宅関連費 支出例>

    固定資産税 約10万円~数十万円
    損害保険料
    (火災保険+地震保険の保険料)
    年間約1万円~数万円
    【戸建ての場合】 自宅のメンテナンス費用など:20年、30年後にリフォーム予定の場合、
    年間数十万円~100万円以上。
    計画的に毎月積み立てしておくのがおすすめ
    【マンションの場合】 管理費、修繕費、駐車場代など:
    年間数十万円~

    上記例を見るとわかるように、どの費用も住宅の所在地や種別によって異なるものの、何らかの費用は必ず発生することになります。

    戸建ての場合は木造建築のため災保険料高くなりがちで、自宅のメンテナンス費用もすべて自身で準備しなければなりません。

    対してマンションは、メンテナンスにそれほど手間はかかりませんが、管理費や駐車場代などが高くなりがちです。

    つまりどちらが安いということもなく、それぞれ支出が発生します。
    したがって戸建てでもマンションでも、住宅ローン以外の関連費支出として、年間数十万円程度は想定しておく必要があるということです。

    関連費支出が年50万円の場合の例

    例として、関連費支出が年間50万円の場合、住宅ローンの返済額120万円と合わせると、住宅関係の支出だけで年間170万円となります。

    年収800万円の手取り年収は約600万円ですので、手取りのうち28%が住宅関係費用の支払いで消えることになりますね。

    つまり住宅ローン単体の返済額が120万円超になれば、住宅関係費用だけで収入の30%以上を占めることになってしまうのです。

    このような視点で見れば、額面年収に対して15%という返済負担率は決して低すぎる数値ではなく、むしろ現実的な水準だといえますよ。

    さらに、住宅ローンを組む世帯の多くは、住宅ローンの返済と並行して教育費の捻出や、老後資金の準備が必要になるケースがほとんどです。

    住宅ローンはただでさえ長期契約ですから、住宅ローン以外の出費や将来的な家計の変化をふまえたうえで、無理のない借入金額にすることが大切ですよ。

    年収800万円では約7,700万円まで借りることができるがおすすめしない

    各金融機関のホームページでは、年収をもとに借入上限金額を算出できるシミュレーション機能が設けられています。

    全期間固定金利のフラット35で計算すると、年収800万円世帯の借入上限は約7,700万円です(※)

    ※参考:「フラット35: 年収から借入可能額を計算」(住宅金融支援機構)
    ※2019年11月時点の金利/頭金なし/金利年1.43%/返済負担率35%/35年返済/元利均等返済/ボーナス払いなしで計算

    フラット35の場合、先述した理想の住宅ローン金額の2倍以上も借りられる計算になります。びっくりですよね。

    しかし当然ながら、「借りられる金額の上限」と、「余裕をもって返済できる金額」は異なるので注意してくださいね。

    7,700万円の住宅ローンの毎月返済額は20万円以上

    もし年収800万円で7,700万円もの住宅ローンを組んでしまうと、毎月の返済額は20万円を超えます

    ローン以外の支出とあわせると、なんと年収の半分が住宅関連費用だけで消えてしまうのです。
    収入の半分が住宅費用に消える契約を何十年も続けるなんて、現実的ではありませんよね。

    このような結果からも分かるように、金融機関のシミュレーションはあくまでも機械的に算出した「上限金額」です。

    あなたのライフプランを考慮した理想的な返済額ではありません。

    実際にローンを組む際は各家庭のライフプランやローン以外の支出もふまえたうえで、無理のない借入金額にすることが大切ですよ

    世帯年収年収800万円の人が住宅ローンを返せなくなる事例を紹介

    住宅ローンは、返済期間が数十年にも及ぶ長期契約です。

    返済期間が長いということはすなわち、「始めは順調に返済できていたのに、途中で返せなくなってしまう」というケースも出てくる可能性があるということです。

    せっかくマイホームを買ったのに、「返済が破綻してマイホームも失ってしまう」なんてことは絶対に避けたいですよね。

    住宅ローン返済が厳しくなる代表的な事例を挙げると、 下記の2つがありますよ。

    住宅ローン返済が厳しくなる代表的な事例

      ここでは、返済できなくなる事例とそれぞれの対処法をわかりやすくご説明していきます。

      返済破綻を防ぐための重要なポイントなので、必ず読むようにしてくださいね。 

      変動金利で住宅ローンを組み、金利が途中で上がって返済できなくなる

      変動金利で住宅ローンを組んだ方が、「金利が上昇したことで返済できなくなる」というのは、非常によくある事例です。

      なぜかというと変動金利は、

      1. 金利が低いゆえに借りすぎてしまう
      2. 半年ごとに金利が見直しされるため、いつ金利が上がるかわからない

          というデメリットがあるにも関わらず、デメリットを考慮せずに住宅ローンを組んでしまう方が多いからです

          「家賃並みの返済額」には注意しよう

          新築住宅の広告を見ると、「月々○万円!」「家賃並みの返済額」と書かれていますよね。

          そして返済額のシミュレーションをよく見ると、ほとんどが「変動金利で35年ローン」の組み合わせになっています。

          なぜこの組み合わせばかり採用されるのかというと、最も借入金額を大きく見せることができ、そして返済額も安く見せやすいからです。

          しかしながら変動金利の場合、実は金利が約束されている期間は、借入後の半年間だけです

          つまり借入後半年を過ぎたあと、残りの34年半の間に、金利が上がってもおかしくないということですね。

          過去10年は金利が動いていないが今度も変わらない保証はない

          幸い2019年11月現在では、変動金利の元になる「短期プライムレート(※)は約10年間変わっていません。

          そのため、頻繁に金利変動が起こるとは考えにくいです。

          しかしながら過去10年間に金利が変動しないことはあっても、将来30年以上金利が変動しない保証はありません

          過去の変動歴を参考にすれば、30年の間に1度か2度の金利変動がある、と考えるのが妥当でしょう。

          ※参考:「短期プライムレート」の変動歴はこちら(日本銀行ホームページ)

          つまり、住宅の広告によく書かれている「家賃並みの返済額」で借入できたとしても、35年の間に返済額自体も上がってしまう可能性のほうが高いのです。

          変動金利を選ぶときは将来の金利上昇をふまえてシミュレーションした上で、借入金額を小さく、返済期間も短くすることが大切ですよ。

          子どもの学費負担が大きくなり返済できなくなる

          「子どもの学費負担が予想以上に大きくなり、返済が難しくなる」のも、よくある事例です。

          子どもの学費は進学する大学など進路によっても異なりますが、一般的に学費の出費が大きくなるのは高校や大学への入学初年度です

          住宅ローンを組むときは、こうした入学初年度の出費をあらかじめ想定したうえで、計画的な返済計画を立てることが大切ですよ。

          具体的には、

          1. 学費の出費が大きくなる入学初年度や家族の出費予定を可視化したライフプラン表を作成する
          2. 全期間固定金利や当初20年固定金利など、学費がかかる時期の負担を抑えられる金利タイプを選ぶ

          などの対処法がありますよ。

          子どもの進路は未来のことなのでわかりませんが、進学時期はだいたい決まっているので、出費が必要な時期の目星もつくはずです。

          「出費が必要な時期に金利が上昇し、返済額と学費の負担が重なってしまう」という事態に陥らないよう、子どもの進学時期を踏まえた返済計画を立ててくださいね。

          【ケース別】世帯年収800万円の人が住宅ローンを安心して返済する方法

          ひと口に年収800万円世帯といっても、共働きであったり、結婚したてで貯蓄がなかったりと、いろんな世帯があると思います。

          世帯によっては、同じ年収でも家族構成や貯蓄、年齢によって、適切なローンの組み方が変わってくるので気をつけましょう。

          住宅ローンを安心して返済していくためには、 下記のような対策を取っておくことが大切ですよ。

          それぞれのパターン別に、対処の方法をわかりやすく解説していきますね。 

          ケース1:共働き世帯は、片方の収入のみで返せる金額にする

          共働きにより世帯年収800万円を維持している家庭は、妊娠や出産、子どもの成長によって妻の収入が減少する可能性があります。

          そのため、

          • 収入減少を想定したうえで、片方の収入だけで返済できるローン金額にする

          ことをおすすめします。

          特に「夫婦共に正社員でフルタイム勤務」で「子どもがまだ小さいか、これから子作りを考えている」という家庭は注意しましょう

          このような家庭では、子どもの成長に伴い家事や育児の負担が増えていきます。

          未就学児の間は、夜まで預かってくれる保育園や、幼稚園の預かり保育がありますが、小学校の学童保育は保育園のように融通がきかず、預かってもらえる時間も短くなります。

          そのため、子どもが小さいころと同じペースで「夫婦でフルタイム勤務」を続けていくのは、想像以上に大変なことなのです。

          子どもがまだ小さい、もしくはこれから子どもを作る予定のフルタイム共働き世帯では、

          1. 万一どちらかが仕事を辞めても、片方の収入で返済できるローン金額にする
          2. 「子どもが小学生に上がるまで」などフルタイムで働ける期間をあらかじめ想定し、集中的に貯蓄する

          など、将来の収入減少を見越した返済計画を立てるようにしてくださいね。

          ケース2:頭金を用意できない場合は借入金額を減らす

          「結婚したてでまだ若く、頭金を用意できるほど貯蓄がない」
          「車のローンや奨学金の完済に貯蓄を使ってしまった」

          など、いろんな事情で頭金を用意できない場合もありますよね。

          やむをえずに頭金なしで住宅ローンを組む場合は、借入金額を減らしましょう

          筆者の見解でいえば、頭金を用意するのが難しいからと言って、全額を住宅ローンで組むのはおすすめできません

          理由を詳しく解説します。

          頭金なしで住宅ローンを組むデメリット

          頭金がないと、

          1. 金利優遇を受けられず適用金利が高くなる
          2. 審査が厳しくなる

              などのデメリットがあります。

              加えて頭金なしの場合にありがちな落とし穴として、「返済期間をついつい長くしてしまう」という点もあります。

              返済期間を無理に長くするということはすなわち、将来の家計を圧迫するリスクを負うということでもあります。

              このようなリスクを回避しつつ、返済額を抑えて審査も有利に進めるためには、借入金額を減らすのが最も現実的な対策なのです。

              もし「借入金額を減らすと物件を購入できない」という場合、購入時期を見直すのも1つの選択肢ですね。

              無理に住宅ローンを組むよりも、購入時期そのものを見直すほうが、ご自身の要望通りの物件を購入しやすくなりますよ。 

              ケース3:借入時に高齢の場合は借入金額を減らすか頭金を増やす

              完済時の年齢が年金生活に差し掛かるような住宅ローンは、審査が不利になる可能性が非常に高くなります

              もし高齢で住宅ローンを借りる場合は、

              • 借入金額を減らす
              • 頭金を増やす

              といった対策で返済期間を短くし、完済する時の年齢が65歳を超えないようにしてください

              もちろん審査が不利になるという理由だけでなく、老後に安定した生活を送るためにも、完済時の年齢が65歳住宅ローンはおすすめできません。

              住宅ローンは年金生活に入る前に完済する計画を立てよう

              返済期間を長くすれば、月々の返済額は抑えることができます。

              しかしながらこの方法は、借入時の年齢が20代で、年金生活に入る前に完済できる方しか基本的に利用できません

              金融機関によっては「完済時年齢が70歳以上でも年金があるので返済できますよ」と甘い誘惑を提示するケースもありますが、将来の年金額も不確かなこのご時世に、年金頼みの返済計画を立てるのはあまりにリスクが高すぎます。

              したがって、少しでも負担を抑えたいからといっても、40代の方が35年ものローンを組むのは非常に危険です。

              返済額を減らすためには借入金額そのものを減らし、頭金で適用金利を引き下げるのが大切ですよ。

              まとめ

              年収800万円世帯といっても、家族構成や借入時の年齢は異なりますし、さまざまな家庭があると思います。

              住宅ローンを安心して返済するためには、以下5つのポイントが重要になってきますよ。

              年収800万円世帯が安心して返済していくための5つのポイント

              • 余裕をもって返済できる金額は約3,300万円~3,400万円
              • 「借入上限額」と「無理なく返済できる金額」は違うので要注意
              • フルタイム共働き子育て世帯は、片方の収入だけで住宅ローンを返済できるようにしておく
              • 借入時に高齢の場合や、頭金がない場合は、世帯状況に合わせて組み方を変える

              世帯年収800万円の理想的な借入金額目安は3,300万円~3,400万円ですが、大切なのは借入金額ではなく、返済負担率です。

              額面年収に対して返済負担率が15%に抑えられるのなら、借入金額は多少前後してもかまいません。

              当記事では全期間固定金利を参考にシミュレーションしていますが、住宅ローンの組み方は多種多様です。

              正解は1つだけではないので、上記の重要ポイントを考慮しつつ無理のないローンを組むようにしてくださいね。

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