• 2019.11.11
  • 2019.11.11

【FPが教える】増税後でも家をお得に買うために抑えるべき3つのポイントとは?

増税後でもお得に買える
じぶん銀行

令和元年10月1日より、いよいよ消費税が10%になりました。

今回の増税は初めて軽減税率が導入されたことに加え、キャッシュレス・消費者還元事業、いわゆるポイント還元制度と、さらには各キャッシュレス事業者独自のポイントサービスが入り乱れ、非常に分かりにくい状況となっています。

一部では増税前よりオトクに買い物ができるものもあれば、増税やそれに伴う便乗値上げによって負担が増えるケースもあります。

価格が高ければ高いほど増税された2%の影響が大きいことは言うまでもありません。その最たるものが住宅ではないでしょうか。

この記事では、人生最大の買い物と言われる住宅について、増税に伴う制度改定を中心に購入に際しての軽減処置をご紹介します。

執筆者情報

田中 裕晃

大峰FP事務所 田中 裕晃

得意分野:ライフプランニング  住宅取得支援 不動産コンサルティング
資格:CFP®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・公認不動産コンサルティングマスター・宅地建物取引士・マンション管理士・住宅ローンアドバイザー・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン

住宅と消費税の基本知識

まず次の2点をご理解ください。

  1. 土地は消費税非課税である
  2. 一般の人が住宅を売る場合は消費税非課税である

に関しては特に説明の必要はないでしょう。土地は誰から買っても消費税はかかりません。

は少しわかりにくいかもしれませんが、建物は基本的に消費税の課税対象です。
売主が事業者(不動産業者や法人など)の場合は原則通り消費税が課税されますが、売主が一般の方で、かつ売却する物件が居住用資産(住宅)の場合は消費税の課税対象になりません。

住宅購入への増税の影響

さて、ここで問題です。次のケースでは増税後の税込み価格はいくらになるでしょうか。
  1. 新築戸建て・・・・・  増税前価格4,160万円(土地2,000万円、建物2,160万円)
  2. 土地(更地)・・・・・ 増税前価格3,240万円
  3. 中古戸建(個人所有)・・増税前価格4,080万円(土地3,000万円、建物1,080万円)
  4. 建物(建築費)・・・・ 増税前価格2,160万円

1は新築戸建ての建売住宅を買うイメージです。
2は建築用地を買うということですね。
3は個人が住居として住んでいた家を中古で買うケースで、4は既に持っている土地に建物を建てる場合です。

増税後の金額は新築戸建て・建築費に影響あり

答えはこちらになります。
  1. 新築戸建て・・・・・・  4,200万円 40万円アップ(土地2,000万円、建物2,200万円)
  2. 土地(更地)・・・・・   3,240万円 増減なし
  3. 中古戸建(個人所有)・・  4,080万円 増減なし
  4. 建物(建築費)・・・・・2,200万円 40万円アップ

2は土地なので非課税です。
3も個人の住宅なので消費税は関係ありません
1建物部分と、4建築費については、消費税2%分が上乗せされることになります。

個人から買う中古住宅では増税の影響を受けない

お分かりいただけましたでしょうか。
2のように土地だけ購入しても結局その上に建物を建てるなら(4のように)増税の影響は免れませんが、反対に個人から買う中古住宅などのように増税の影響を受けないケースもあるということです。

整理すると以下のようになります(なお、戸建て・マンションの別は問いません)。

項目 消費税
新築住宅
中古住宅(個人の住居) ×
中古住宅(上記以外)
建築費
土地 ×

不動産広告での税込・税抜価格の見分け方

では、不動産広告を見るときにどうやって税込・税抜価格を見分ければよいのでしょうか。

とくに中古物件の場合、所有者が誰かということは広告には書いてありません。
また、新築住宅にしても、建売やマンションなどの場合、広告上に土地と建物の価格を分けて書いてあるケースは少ないでしょう。

例えば、「新築戸建て3,980万円」や、「中古戸建2,500万円」という物件の場合はどう判断したらよいのでしょうか?
答えは簡単です。
不動産広告は税込み表示になっていますので、表示された価格そのままで判断すればいいのです。

先ほどの例の「中古戸建2,500万円」が税込みなのか非課税なのかは分かりませんが(税込みの場合は税込みと表示されていることもあります)、少なくとも税抜き価格ではないでしょう。

増税後に住宅をお得に買うために抑えるべき3つのポイント

購入を検討している物件が軽減処置の対象となる場合は、これから紹介する3つのポイントを活用することで通常よりお得に住宅を購入できるかもしれません

それぞれ解説していきますね。

ポイント1:充足された住宅ローン控除の活用

住宅ローン控除とは、個人が金融機関などから住宅ローンを借りて居住用の住宅を購入・新築・増改築する際に、一定の要件を満たせば10年間は所得税・住民税の控除を受けられるという制度です。

消費税増税後は、従来の住宅ローンの控除に加えて控除が終わった後の11年目から13年目に、増税分の2%分が返ってくるという仕組みが充足されました。この仕組みを活用することで住宅をお得に購入することができます。

住宅ローン控除の計算式と控除率

まず従来の住宅ローン控除の計算式と充足された住宅ローン控除の計算式や控除率を紹介します。

基本式は

「年末の借入金残高 × 控除率 = ローン控除額」

です。

ここに入る控除率がケースによって違うため、きちんと確認していきましょう。

10年間の住宅ローン控除

■消費税がかかる物件の場合
  • 控除対象限度額 4,000万円(5,000万円)
  • 控除率  1%
  • 控除期間 10年間
■消費税非課税の物件の場合
  • 控除対象限度額 2,000万円(3,000万円)
  • 控除率  1%
  • 控除期間 10年間

    ※()内は認定長期優良住宅、認定低炭素住宅の場合

    11年目から13年目の控除

    • 控除対象限度額 4,000万円(5,000万円)
    • 控除率 「借入金年末残高の1%」 or 「建物購入価格×2%÷3」 のいずれか少ない金額
    • 控除期間 11年目~13年目の3年間

    これは消費税10%が適用される住宅に限られた軽減措置で2%を3年で還元するということを表した計算式なのです。
    もちろん住宅ローンの残高によっては増税分全額が返ってこないケースも考えられます。

    住宅ローン控除のシミュレーション

    どのぐらいの金額が控除されるのかシミュレーションを用いながら説明していきます。

    購入物件 :新築戸建5,200万円(土地3,000万円、建物2,200万円)
    住宅ローン:借入金額5,000万円、期間35年、利率0.775%
    ・住宅ローン控除の要件を満たしている
    ・所得税・住民税は毎年40万円以上支払っている
    ・物件は長期優良住宅等ではない(控除対象限度額4,000万円)

    上記の例で返済シミュレーションをすると、住宅ローン控除の総額は10年間で約395.1万円となります。
    さらに11年目からの3年間は次のようになります。

    1. 「借入金年末残高の1%」:11年目 約35.7万円
                    12年目 約34.3万円
                    13年目 約32.9万円
    2. 「建物購入価格×2%÷3」:2,000万円×2%÷3=約13.3万円
      (建物価格2,200万円のうち、消費税を抜いた本体価格は2,000万円)

    11年目から13年目の控除額は1と2の少ない方なので、約13.3万円を3年間、合計399,900円となります。
    これは、増税分2%とほぼ一致します。

    もしも住宅ローンの借入金が2,000万円(その他諸条件は一緒として)ならば、
    当初10年間の控除額合計は約171.3万円

    1. 「借入金年末残高の1%」:  11年目 約14.2万円
                    12年目 約13.7万円
                    13年目 約13.1万円

    2. 「建物購入価格×2%÷3」:2,000万円×2%÷3=約13.3万円
      (建物価格2,200万円のうち、消費税を抜いた本体価格は2,000万円)

    ですので、

    11年目は13.3万円
    12年目は13.3万円
    13年目は13.1万円(1の方が金額が少ない)

    となり、3年間の合計金額は約39.7万円になります。

    この例では、借入金額がさらに少なくなると11年目以降の控除額がさらに減ることになります。

    もしくは返済期間を短く設定しても、元本の減りが早くなる分、控除の金額は減ってしまいます。この仕組みをよくご理解ください。

    住宅ローン控除は期間が長い方がお得

    住宅ローン控除の計算方法は先に述べた通りですが、要するに10年目までは年末借入金残高が多い方が有利ということです。

    11~13年目に関しても、建物価格の2/3以上の借入金残高があれば増税分は取り戻すことができます。

    住宅ローンを組む際は必要がなくても長期で組んで13年目までは残高を確保し、その後繰り上げ返済をして期間を短縮するという方法が有効でしょう。

    具体的には、以下の例をご覧ください。

    期間が20年の場合

    • 土地  :2,000万円
    • 建物価格:税抜き2,000万円(建物購入価格×2%÷3は133,300円)
    • 借入金額:3,000万円
    • 利率    :0.775%
    住宅ローン控除総額(10年目まで) 約221.1万円
    11~13年目 約36.8万円
    合計控除額 257.9万円

    期間が35年の場合

    • 土地・建物価格、借入金額などの条件は同様
    住宅ローン控除総額(10年目まで) 約257.3万円
    11~13年目 約39.9万円
    合計控除額 297.2万円

    このように期間が異なるだけで40万円も控除金額が違ってきます。
    住宅ローン控除のメリットを最大限活用するには長期で住宅ローンを組むことがポイントになるでしょう。

    ポイント2:大きく緩和された住宅取得資金贈与の非課税制度

    住宅取得資金を直系尊属(両親や祖父母)からもらう場合、一定額までであれば贈与税が非課税になるという特例があります。
    この限度額も消費税増税後大きく緩和されています。

    住宅資金を両親・祖父母からもらえるという方は、最大限にこの非課税制度を利用しましょう。

    増税前の限度額

    増税前の限度額は下記のようになっていました。

    取得物件が質の高い住宅の場合:1,200万円
    上記以外の住宅の場合    : 700万円

    質の高い住宅とは、耐震や断熱などの性能が一定基準を満たしているものを指します(詳しくは国土交通省の案内をご覧ください)。
    購入(建築)する物件によって限度額が変わりますので、事前に確認が必要です。

    増税後は限度額が緩和され大きなメリットに

    この限度額が増税のタイミングで大きく緩和され下記のようになりました。

    ■令和元年4月1日~令和2年3月31日
    取得物件が質の高い住宅の場合 3,000万円(1,200万円)
    上記以外の住宅の場合 2,500万円(700万円)
    ■令和2年4月1日~令和3年3月31日
    取得物件が質の高い住宅の場合 1,500万円(1,000万円)
    上記以外の住宅の場合 1,000万円(500万円)
    ■令和3年4月1日~令和3年12月31日
    取得物件が質の高い住宅の場合 1,200万円(800万円)
    上記以外の住宅の場合 700万円(300万円)

    ※()内は消費税10%の適用がない物件の場合

    これらは大きなメリットになるでしょうし、相続税対策の一環としても利用できそうです。
    特例適用のためには確定申告が必須ですので、お忘れのないようにご注意ください。

    ポイント3:新築の場合は次世代住宅ポイントが35万ポイント得られる

    新築住宅を購入、あるいは建築する場合、また既存住宅をリフォームする場合、性能など一定条件を満たせばポイントが発行される制度です。

    新築住宅の場合は最大で35万ポイントリフォームは最大で30万ポイント得ることができ、ポイントは「環境」「安心・安全」「健康長寿・高齢者対応」「子育て支援・働き方改革」に資する商品と交換できます。

    具体的な商品については国土交通省の次世代住宅ポイント制度の交換商品検索ページで確認することができます。
    ポイントが得られる条件は下記の通りです。

    • 令和元年4月1日から令和2年3月31日までに請負契約をしたもの(新築、リフォーム)
    • 平成30年12月20日以前に完成した物件で、平成30年12月21日~令和元年12月20日までに売買契約したもの
    • 平成30年12月21日~令和2年3月までに請負契約・着工し、かつ売買契約を締結したもの

    条件を満たしつつ、令和元年10月1日以降引渡しのものが対象となります。
    比較的適用期間が短いので、ご利用をご検討される場合は要件等をしっかりチェックしてください。

    まとめ

    消費税増税後に住宅をお得に購入する時のポイントについてご紹介しました。

    消費税が上がったから販売価格も上げよう、こういう物件ばかりではありません。
    不動産の販売は市場動向に大きく左右されますので、販売価格据え置きということもあるでしょう。

    また、消費税増税に伴う景気後退を恐れて、販売価格を下げる物件もあるはずです。めぼしい物件を見つけたなら、まずはダメもとで価格交渉してみてはいかがでしょうか。

    あまりにかけ離れた金額を言うと売主がヘソを曲げることもありますので、そういう場合は仲介業者にお願いして、上手に交渉してもらいましょう。

    不動産は高額かつ特殊性の強いものです。また人生においてそう何度も売り買いすることもないでしょうから、なかなか理解しにくいことも多いと思います。

    信頼できる不動産業者や、住宅に強いファイナンシャルプランナーなどに相談することもご検討ください。
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