フラット35の子育て支援型を徹底解説!適用条件やお得度はどれくらい?

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長期固定金利で有名なフラット35には、子育て世帯が使える金利割引プラン、「フラット35子育て支援型」があります。子育て支援型について気になり、情報を集めている方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、

「子育て支援型ってどんなもの?周りでもあまり聞かないけど……」
「条件が厳しくて使えないのでは?」
「どれくらいお得になるの?」

など、気になるところも多いですよね。

「フラット35子育て支援型」は、2017年4月に始まった新しい制度で、地方公共団体と住宅金融支援機構が連携することにより提供されている金利引き下げプランです。

適用条件に該当すればフラット35の適用金利が当初5年間年0.25%引き下げられるので、金利引き下げによる利息軽減効果が期待できます

実は、子育て支援型の条件を満たしているにも関わらず利用しなければ、最大約140万円も損する可能性があるのです。これほどの差があるなら、最大限活用したいですよね。

ただし事実として、フラット35子育て支援型の適用条件は厳しいうえ、予算の上限が決まっており、募集件数には限りがあります。当記事ではそれらもふまえたうえで、子育て支援型の適用条件からお得度まで、徹底的に解説していきます。ぜひ、フラット35を考える際の参考にしてみてください。

執筆者情報

京都FP事務所

京都FP事務所 ファイナンシャル・プランナー

当サイトの執筆を担当している「京都FP事務所」と申します。専門用語ばかりにならないよう、「わかりやすく行動しやすい」執筆を心がけています。ぜひ参考にしてみてください。


詳細はコチラ

「フラット35子育て支援型」とは

フラット35子育て支援型とは、子育て支援に積極的な地方公共団体とフラット35の住宅金融支援機構が連携して生まれた金利引き下げプランです。

なぜこのようなプランが生まれたのかというと、少子化による深刻な高齢化が進む地方公共団体にとっては子育て世帯のマイホーム取得は重要な課題であるため、地域の次世代を支援することにより、地域を活性化したいという思いがあるからです。そのため、フラット35子育て支援型の対象になる地方公共団体は、「若年子育て世帯に対して補助金を交付する等の財政的支援をしていること」が条件になっています。

<フラット35子育て支援型の内容>

金利 フラット35の適用金利から年▲0.25%引き下げ
期間 当初5年間

<対象になる地方公共団体の一例>

東京都 台東区、墨田区、福生市など
神奈川県 横浜市、川崎市、横須賀市、厚木市など
大阪府 大阪市、茨木市、枚方市など

※2018年12月21日時点の住宅金融支援機構公式HP情報を元に記載しております。
※フラット35子育て支援型の金利は2019年3月31日までの申し込み受付分に適用され、予算金額に達した場合は受付終了日が早まります。受付終了日は終了する3週間前にサイト上で告知されますので、ご利用の際は必ず事前にサイトを確認してください。

子育て支援型を利用しない場合との比較

子育て支援型を利用するとどれくらいお得になるのか、実際にフラット35でローンを組んだ事例で比較してみましょう。

<子育て支援型を利用する場合としない場合(通常のフラット35)との比較>

【前提条件】
借入金額 2500万円
借入期間 30年
返済方式 元利均等返済(ボーナス返済なし)
借入金利 年1.41%※
自己資金割合 1割以上

※フラット35の金利は2018年12月現在の情報を参照しています。

<フラット35とフラット35子育て支援型の返済シミュレーション比較>
商品名 フラット35(買取型) フラット35子育て支援型
借入金利 全期間 年1.41% 当初5年間 年1.16%
6年目以降 年1.41%
毎月の返済額 全期間 8万5204円 当初5年間 8万2260円
6年目以降 8万4736円
総返済額 ①3067万3458円 ②3035万6295円
フラット35との差額 ①-②=▲31万7163円

30年間で2500万円を借りた場合で比較すると、通常のフラット35(買取型)より子育て支援型は31万7163円もお得になります。当初5年間は毎月の返済額が3000円ほど抑えられるため、子どもが小さい時期だからこそありがたいですよね。

数値としてみるとたった0.25%の金利差ですが、返済初期の金利引き下げは利息削減にかなり効果的なので、得られるメリットも非常に大きいといえるでしょう。

「フラット35子育て支援型」を利用できる条件

子育て世帯にとってありがたいフラット35子育て支援型ですが、冒頭でも適用条件が厳しいということをお伝えしました。フラット35子育て支援型の利用条件は下記のとおりです。

<フラット35子育て支援型の利用条件>

  1. 次のいずれかの場合における補助金交付などの財政的支援に該当していること
    ① 若年子育て世帯が住宅を取得する場合(※)
    ② 若年子育て世帯と親世帯が同居または近居するために住宅を購入する場合(※)
    ※詳細要件は各地方公共団体が個別に定める
  2. フラット35子育て支援型を提供している地方公共団体事業の補助金交付対象者であること

上記のうち、特に厳しい要件だとされる点が、「フラット35子育て支援型を提供している地方公共団体の対象者に該当すること」です。実は、対象になる地方公共団体は都道府県によってばらばらで、決して多くはありません。

たとえば人口が集中している東京都の場合、23区内で子育て支援型の対象になるのは台東区と墨田区だけです。

しかしながら、大阪市や京都市、横浜市などは政令指定都市でありながらも対象になっているため、必ずしも人口規模だけが対象の要件ではなく、各地方公共団体の子育て支援への取り組み方の違いが条件だといえます。

また、福岡県や兵庫県など県自体が制度の対象になっているケースもあるため、利用の際は人口や地域の規模で対象の有無を判断せず、必ず公式サイトで確認するようにしなければなりません。注意してくださいね。

参考:「フラット35子育て支援型」とは(住宅金融支援機構)

市区町村が「フラット35子育て支援型」に対応しているか確認する方法

自分が住んでいる市区町村がフラット35子育て支援型に対応しているかどうかを確認するには、住宅金融支援機構のサイトを見るのが1番確実です。下記のサイトからお住まいの市区町村を探し、対象になっていれば各市区町村のページで詳細を確認しましょう。

参考:「【フラット35】子育て支援型・地域活性化型を連携している地方公共団体(住宅金融支援機構)

ここで気をつけたいのが、自分の住んでいる市区町村がフラット35子育て支援型に対応していても、実際の適用条件は地方公共団体によって異なるということ。そして、募集件数には限りがあるということです

たとえば、大阪市の場合は両親の年齢が40歳以下、子どもは小学校6年生以下の子どもという制限がありますが、京都市の場合は子どもの年齢は18歳までで親世代の年齢は問いません。しかしながら京都市では、祖父母世帯と親子世帯の3世代が同居することが条件になっており、地方ごとに「支援したい子育て世帯」のモデル像は大きく異なっているのが現状です

また、人気のある横浜市の場合は、2018年12月の時点ですでに募集件数に達したため、2018年度のフラット35子育て支援型の受付は終了しています(新規物件、既存物件両方)。空前の低金利が続く中、長期固定金利のフラット35を少しでもお得に借りたいと願う子育て世帯は多いということですね。

「フラット35子育て支援型」の申請タイミングは、事前審査の後!

フラット35子育て支援型の申し込みは通常のフラット35と同様、フラット35の販売金融機関を通じて行います。一般的な申請のタイミングは事前審査(仮審査)の後で、借入れ申し込み(本審査)をする際にフラット35子育て支援型の利用申請書を提出することになっています。

なお、販売金融機関によってはフラット35の事前審査をせず、本審査のみを受け付けている場合や、事前審査の必要可否が任意で選べる場合もあり、事前審査は強制ではありません。事前審査はもともと、販売金融機関が独自で行うものなので、できるかぎり早く手続きを進めたい場合はその意思を担当者に相談しましょう。

「フラット35子育て支援型」の申請方法

フラット35子育て支援型の申請は、フラット35の販売金融機関に借入れ申し込みをするとき、金融機関の指定する申込関係書類に加えて、「【フラット35】子育て支援型・地域活性化型利用希望の申出書」を提出することで手続きを行ないます。

詳細は販売金融機関に確認し、できるだけ書類に不備がないように用意して申し込みましょう

参考:フラット35子育て支援型 希望申出書(買取型)(住宅金融支援機構)

<フラット35子育て支援型 申請の流れ>

① フラット35販売金融機関にて事前審査(事前審査が無い場合もあり)

② フラット35の申し込み(本審査)。合わせて、フラット35子育て支援型の利用申請書を提出

③ 利用申請の決定通知と本審査の結果を持って、借り入れの契約、不動産売買契約や工事契約を締結

④ 入居

上記は一般的な流れを記載していますが、ポイントはフラット35の本審査(住宅金融支援機構にて審査)とフラット35子育て支援型の利用申請(地方公共団体で審査)がそれぞれ異なることです。

審査の早さはそのときの申し込み者の多さや書類の準備状況、個人の属性によっても変わりますし、どちらが早い、遅いとは一概にいえません。担当者に相談し、書類の不備がないようにしながら、手続きを進めていきましょう。

「フラット35S」や「フラット35リノベ」との併用でさらにお得に

フラット35子育て支援型は、「フラット35S※」や「フラット35リノベ※」といった金利引き下げプランと併用できるのが大きな魅力です

購入、建築する物件が「フラット35S」か「フラット35リノベ」いずれかに該当する場合、子育て支援型との併用でどれだけお得になるのか、具体的な比較例を見てみましょう。

※フラット35Sとは:フラット35の基準よりさらに高い基準で質の良い住宅と認められた際に利用できる金利プランで、当初10年間または5年間の金利が▲0.25%引き下げられる
※フラット35リノベとは:指定の性能向上リフォームが行われた物件に利用できる金利プランで、当初10年間または5年間の金利が▲0.5%引き下げられる

【前提条件】
借入金額 2500万円
借入期間 30年
返済方式 元利均等返済(ボーナス返済なし)
借入金利 年1.41%※
自己資金割合 1割以上

※フラット35の金利は、2018年12月現在のもの(フラット35Sとフラット35リノベの金利は2019年3月31日までの受付分に適用)です。
※フラット35Sやフラット35リノベは予算額の上限があるため、募集件数に達した時点で受付終了となります。

「フラット35SのAプラン」と併用した場合

フラット35SのAプランは、当初10年間の金利が年▲0.25%引き下げられるもので、フラット35子育て支援型と併用すれば当初5年間は年0.91%、6年~10年目は年1.16%の金利で利用できます。

通常のフラット35(買取型)との返済総額の差は89万4790円にもなります。またフラット35Sの対象物件であるということは住宅の質が良いということなので、将来的にも安心できますね。

フラット35
(買取型)
フラット35子育て支援型+
フラット35S Aプラン併用
借入金利 全期間 年1.41% 当初5年間 年0.91%
6年目以降 年1.16%
11年目以降 年1.41%
毎月の返済額 全期間 8万5204円 当初5年間 7万9380円
6年目以降 8万1796円
11年目以降 8万3784円
総返済額 ①3067万3458円 ②2977万8668円
フラット35との差額 ①-②=89万4790円

「フラット35SのBプラン」と併用した場合

フラット35SのBプランは、当初5年間の金利が年▲0.25%引き下げられるもので、フラット35子育て支援型と併用すれば当初5年間は年0.91%の金利で利用できます。

通常のフラット35(買取型)の返済総額との差は63万3259円です。Bプランは当初5年間のみの引き下げですが、それでもトータルコストは大きく変わってきますね。

フラット35
(買取型)
フラット35子育て支援型+
フラット35S Bプラン併用
借入金利 全期間 年1.41% 当初5年間 年0.91%
6年目以降 年1.41%
毎月の返済額 全期間 8万5204円 当初5年間 7万9380円
6年目以降 8万4258円
総返済額 ①3067万3458円 ②3004万199円
フラット35との差額 ①-②=63万3259円

「フラット35リノベのAプラン」と併用した場合

フラット35リノベのAプランは、当初10年間の金利が年▲0.5%引き下げられるもので、フラット35子育て支援型と併用すれば当初5年間は年0.66%、6年目から10年目は年0.91%の金利で利用できます。10年間固定金利なうえに0%台の金利なんて、ひと昔前では考えられなかったほど魅力的です。

通常のフラット35(買取型)の返済総額との差は146万7278円で、もっともお得度の高い組み合わせといえます

フラット35
(買取型)
フラット35子育て支援型+
フラット35リノベのAプラン併用
借入金利 全期間 年1.41% 当初5年間 年0.66%
6年目以降 年0.91%
11年目以降年 1.41%
毎月の返済額 全期間 8万5204円 当初5年間 7万6565円
6年目以降 7万8921円
11年目以降 8万2821円
総返済額 ①3067万3458円 ②2920万6180円
フラット35との差額 ①-②=146万7278円

「フラット35リノベのBプラン」と併用した場合

フラット35リノベのBプランは、当初5年間の金利が年▲0.5%引き下げられるもので、フラット35子育て支援型と併用すれば当初5年間は年0.66%の金利で利用できます。

0.66%という破壊的な金利のおかげで、通常のフラット35(買取型)の返済総額との差は94万8316円。リノベAプランに次いでお得度の高い組み合わせです。

フラット35
(買取型)
フラット35子育て支援型+
フラット35リノベのBプラン併用
借入金利 全期間 年1.41% 当初5年間 年0.66%
6年目以降 年1.41%
毎月の返済額 全期間 8万5204円 当初5年間 7万6565円
6年目以降 8万3771円
総返済額 ①3067万3458円 ②2972万5142円
フラット35との差額 ①-②=94万8316円

条件を満たしていないなら「地域活性化型」が適用できないかをチェック

フラット35子育て支援型で条件を満たしていない場合、「地域活性化型」が適用できないかを確認してみましょう。

地域活性化型は、子育てや子どもの独立などを契機に特定の地域に移住する世帯が対象です。子育て支援型のように若年層といったくくりがないので(地域によって細かい適用条件は異なります)、年齢制限などの理由で子育て支援型が合わなかった人でも利用できる可能性があります。

地域活性化型の金利引き下げ条件は子育て支援型と同じで、当初5年間の金利が年0.25%引き下げられます。なお、子育て支援型と地域活性化型は併用できませんのでご注意ください。

<フラット35地域活性化型の内容>

金利 フラット35の適用金利から年▲0.25%引き下げ
期間 当初5年間

<対象になる地方公共団体の一例>

  • 北海道:室蘭市、夕張市など
  • 神奈川県:足柄上郡山北町など
  • 埼玉県:秩父郡長瀞町など

参考:「【フラット35】子育て支援型・地域活性化型を連携している地方公共団体」住宅金融支援機構

地域活性化型の対象となる地方公共団体は、上記のHPより確認できます。ただ、地方公共団体によって若年者子育ての支援に力を入れている場合と、移住者支援に力を入れている場合の2パターンがあり、子育て支援型はあるけれど、地域活性化型の提供はないという地域もあります。地域活性化型については性質上、過疎化が深刻な地方に集中する傾向があるので、細かく確認するようにしてくださいね。

なお、地域活性化型も子育て支援型と同様、予算の上限があります。北海道の江別市や石狩市などは2018年12月の時点ですでに2018年度の募集を締め切っており、申し込みの状況や予算の上限によっては受付終了になってしまう可能性があります。もし移住を考えている場合は地方公共団体に問合せを行い、募集状況などを確認するようにしましょう。

まとめ

フラット35の子育て支援型は、適用条件さえ満たせば当初5年間の金利を引き下げできるうえ、フラット35Sやフラットリノベと併用できるのが大きな魅力です。しかし住んでいる地域、住みたい地域で必ずこのプランがあるわけではなく、たまたま住んでいる地域が対象であっても、子どもや親の年齢、住み方、物件によっては対象外になるケースもあります。

マイホームの購入は今後の人生を大きく左右するもので、子育て世帯では特に子どもの人生に深く影響するため、学校や地域の環境など、さまざまな要素を考えて決めることになると思います。いくら金利がお得になるからといって、「子育て支援型の対象地域だからここに住む!」なんていうように住む場所を決める世帯は少ないでしょう。

つまり、子育て支援型は「適用条件に当てはまればラッキーだし魅力的だけど、当てはまらない可能性が高いので要注意」ということです。

フラット35を考えている人は、子育て支援型の対象地域やその取り組みもあわせて確認し、子どもと住む将来について改めて考えてみることをおすすめします。

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