• 2018.12.07
  • 2019.10.28

FPが伝授!住宅ローン利用時の資金計画の立て方

家 ライフプラン
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頭金の有無はあるものの、住宅取得費と同程度の金額を住宅ローンで借り入れる人が多いと思います。住宅を選ぶ際、ご家庭にとって最適の住宅取得費はどのくらいか悩むのではないでしょうか。

住宅取得に踏み切れないときに、営業担当から「今が買い時ですよ」「住宅は資産ですから」などの一声で取得に踏み切るケースもあるようですが、家計の状況から判断しなければ気休めでしかありません。

そこで今回は、住宅ローンを利用するにあたり、資金計画をどのように立てていけばよいか解説していきます。

住宅を取得するために、ほとんどの人が住宅ローンを利用しています。多額の借入金を長期間に渡り返済していくことになりますので、無理なく返済できる金額を自分なりに計算されると思います。

しかし、いざ計算しようと思っても、どのように計算し適正額を計算するか迷われるのではないでしょうか。また計算できたとしても本当に適正額になっているか心配されているのではないでしょうか。

住宅取得のために資金計画を立てることは重要です。家計の状況を具体的に数字で表すことは、滞納するリスクを軽減させることにつながりますが、家計の状況を反映した計画でなければ立てた意味がなくなってしまいます。

そこで今回は、安心して住宅ローンを組むための資金計画の立て方について解説していきます。

執筆者情報

F&J FP事務所

F&J FP事務所 ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャルプランナー・住宅ローンアドバイザーとして、住宅ローンや保険の相談・アドバイスをしております。これから住宅ローンを利用しようとしている方々に向けて、公正中立な立場で役に立つ情報を発信できればと考えております。


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いくら借り入れるかは資金計画次第

住宅ローンで初めて多額の借金をする人がほとんどだと思います。住宅取得時には、住宅ローンだけでなく、物件探しや保険選びなど考えなければならないことは様々あります。いきなり物件探しをしてしまい、肝心の資金計画を立てていない人もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし資金計画は住宅ローンの借入額を決定する判断材料となるだけでなく、将来の収支予想をする上で欠かせないものです。収入以上の借り入れをしないためにも資金計画はしっかり立てておきましょう。

資金計画は中長期的な収入予測

資金計画は住宅のための資金計画だけではありません。家計の収入予測をエクセルなどの表計算で作成し、数年後、数十年後赤字になる年度はないか、その赤字は解消できるのかなど検討するための資金計画です。これをキャッシュフロー(お金の流れ)表と言います。

キャッシュフロー表は寿命より長く設定した90歳や100歳ぐらいまで作成するのが理想ですが、まずは手始めに30年や35年など住宅ローンの返済期間分を作成してみましょう。

居住費は人生三大支出の一つ

人が一生で稼ぐことのできる収入には限度があります。居住費にお金をかけすぎると他の支出にお金を使うことができず困るかもしれません。特に人生三大支出の教育費や退職後の生活費とのバランスを考える必要があります。

現在の収支だけで借入金額を決めてしまうのは危険です。支出額が大きいほど、貯めるのに時間がかかるため、将来を考えて現在の支出額を決定します。なおキャッシュフロー表を90歳や100歳まで作成するのは、退職後の生活費がどのくらいかかるか確認するためです。

キャッシュフロー表は自力で作成する

今まで作ったことのない人がキャッシュフロー表を作成しようと思ってもどこから初めていいかわからないかもしれません。最初は時間がかかっても無料サービスなどを利用せず、自力で作成するようにし、わからないことがあったら、部分的に相談相手の第三者へ開示して質問するようにしましょう。

キャッシュフロー表ができたら返済額を変えて家計の状況を確認する

キャッシュフロー表ができたら、毎月の返済額によって家計の状況がどのように変わるか確認し、家計にとって適切な返済額を見つけてください。収入が増えた場合、増えなかった場合など何パターンか作成しておくとより家計の状況が見えてくるでしょう

キャッシュフロー表は定期点検する

キャッシュフロー表に記載する金額は予測です。なるべく精度の高い金額を入れたいですが、数年経つと実際の収支とのズレが生じます。キャッシュフロー表は住宅ローンのためだけに作成するわけではありませんし、せっかく作成しましたので、毎年キャッシュフロー表を確認し、必要であれば修正しておきましょう。

キャッシュフロー表の作り方

キャッシュフロー表は、ライフイベントを洗い出し、収入と支出の金額を考えて入力していきます。今回は、次のようなキャッシュフロー表を作成してみましょう。
[見本(完成形)]
<ライフイベント表>

1年後 2年後 3年後
太郎(夫) 自動車購入
花子(妻) 第二子出産 職場復帰
一郎(長男) 中学校入学

<キャッシュフロー表>                        (単位:万円)

変動率 現在 1年後 2年後 3年後
太郎(夫) 1% 400 404 408 412
花子(妻) 1% 0 0 309
収入合計 400 404 408 721
1基本生活費 1% 120 121 122.4 123.6
2居住費 1% 74.4 82.4 74.4 82.4
3教育費 1% 32 32.3 32.6 49.5
4保険料 12 12 12 12
5自動車関連費 1% 10 20.1 10.1 319.1
6その他 1% 150 151.5 153 154.5
支出合計 398.4 419.3 404.5 741.1
年度末合計額 1.6 -15.3 3.5  -20.1
貯蓄額 0% 501.6 486.3 482.8 462.7

 ライフイベントを洗い出そう

ライフイベントは、ご家庭の出来事のことで、将来のライフイベントを洗い出し、表にまとめていきます。ライフイベントは主に収支が発生するものを挙げ、あとでこのライフイベントに従って収支金額を打ち込みます。

<ライフイベント表>

1年後 2年後 3年後
太郎(夫) 住宅購入 自動車購入
花子(妻) 第二子出産 職場復帰
一郎(長男) 中学校入学

<おもなライフイベント>
・住宅取得  ・出産  ・入学や卒業  ・就職や退職  ・引越し
・自動車購入  ・結婚  ・旅行  

ライフイベントの洗い出しは、ご家族一人ひとりの希望を話し合い、方向性を確かめ合う機会でもあります。ある程度、洗い出しが終わったら、次に収入と支出の予測を打ち込んでいきます。

収支の金額を入力しよう

ここから具体的に金額を入力していきますが、まずは収入から作成してみましょう。

給与収入では、現在の手取り金額に変動率をかけて、ピーク時の給与額を見ながら決めていくのが一般的です。たとえば変動率を1%にして30年後の給与を計算すると、現実的ではない金額になった場合、変動率を下げるなどして調整をします。

会社員であれば40代半ば~50代前半ぐらいが収入のピークとなるのが一般的ですが、公務員では号俸や職務級で決まってきます。給与推移は業種や会社規模によっても給与推移は変わりますので、現実的な推移になっているか確認しながら決めていきます。

<キャッシュフロー表(収入部分)>
(単位:万円)

変動率 現在 1年後 2年後 3年後
太郎(夫) 1% 400 404 408 412
花子(妻) 1% 0 0 309
収入合計 400 404 408 721

[収入]
 1年後 400×(1+0.01)=404
 2年後 400×(1+0.01)2=408
   3年後 400×(1+0.01)3=412

給与収入のほかに、配当金(分配金)や保険の解約返戻金などを予定している場合は、行を追加して予定金額を入力します。収入が終われば、次は支出です。支出は単純に現在の金額に変動率をかけるだけではないものもありますので、少し複雑に感じるかもしれません。

<キャッシュフロー表(支出部分)>
 [見本]
(単位:万円)

変動率 現在 1年後 2年後 3年後
1基本生活費 1% 120 121 122.4 123.6
2居住費 1% 74.4 82.4 74.4 82.4
3教育費 1% 32 32.3 32.6 49.5
4保険料 12 12 12 12
5自動車関連費 1% 10 20.1 10.1 319.1
6その他 1% 150 151.5 153 154.5
支出合計 398.4 419.3 404.5 741.1

キャッシュフロー表の支出では、上記のような表を作成します。1~6の順番に詳しく解説していきます。

 [1基本生活費]
基本生活費は、食費や被服費、水道光熱費など基本的な生活に必要な費用です。金額は大きく変動しませんので、[収入]と同じく、現在の金額に変動率をかけて入力します。

 [2居住費]
ここでは居住費とひとくくりにしていますが、賃貸であれば、家賃のほかに火災保険料、共益費、更新料と、毎月支出するものと、一定期間ごとに支出するものがあります。

住宅取得後も、住宅ローンだけでなく、修繕積立金や固定資産税等、火災保険料などがあり支出項目によって変動するもの変動しないものがあります。

<居住費(賃貸)>

変動率 現在 1年後 2年後 3年後
居住費 74.4 82.4 74.4 82.4
家賃 72 72 72 72
共益費 2.4 2.4 2.4 2.4
火災保険料 2 0 2
更新料 6 0 6

賃貸物件での生活を短期的に考えている場合は、変動率は気にしなくてもいいですが、中長期的になると変動率を加味した方がいいでしょう。

そのため住宅取得後であれば、中長期的に住むことになりますので、固定金利型の住宅ローン以外の金額は変動する可能性があります。変動する支出は変動させ、一定の支出は同額を入力したあとに合計します。合計した後に変動率をかけないように気を付けてください。

 [3教育費]
教育費は、学年によって異なりますので、文科省「子どもの学習費調査」結果などを利用して入力していきます。教育費が決まれば、それぞれに変動率をかけて教育費を確定させます。

現在 1年後 2年後 3年後
小学5年生 小学6年生 中学1年生
一郎(長男) 32 32 32 48(※1)
変動率 ×(1+0.01) ×(1+0.01)2 ×(1+0.01)3
教育費 32.3 32.6 49.5(※2)

※1「子どもの学習費調査」結果
※2キャッシュフロー表に入力

 [4保険料]
保険料は、新たに保険に加入したり、更新型で保険料が上昇したりしないかぎり一定ですので、現在の金額をそのまま入力します。

[5自動車関連費]
自動車関連費は、数年おきの買い替え費用と車検や自動車税、保険料、ガソリン代、駐車場代などが含まれます。価格が変動する支出は変動率をかけ、保険料や駐車場代など一定の支出はそのままにし、年度ごとに合計します。[居住費]の作成方法と同じです。


<自動車関連費>

変動率 現在 1年後 2年後 3年後
自動車関連費 20.1 10.1 319.1
購入費用 1% 0 0 309
ガソリン代 1% 3 3 3.1 3.1
自動車税・保険料 7 7 7 7
車検 10.1 0 0

[6その他]
基本生活費や居住費など主な支出以外をその他に入力します。

キャッシュフロー表作成のコツや注意点

最初は、支出ごとに入力の仕方が違いますのでややこしく感じるはずです。年度末合計や貯蓄額の解説が残っていますが、途中であきらめず、最後まで作成していただきたいので、ここで簡単なコツや注意点を紹介します。

金額がわからない場合の対応方法

金額が分からない場合は後回しにして、仮の金額を入れておきます。キャッシュフロー表は最初に作成して終わりではなく、定期的に修正をして家計の状況をチェックしていきますので、金額が分かり次第、更新してください。

支出項目は必要最小限が原則ですが、最初はわかりやすさ優先

[見本]のようになるべく支出を少なくした方が見やすいですが、最初は支出項目を増やした方が分かりやすいかもしれません。今回は入れておりませんが、[通信費]なども入れておきたい支出項目となります。

ご本人が分かっていれば問題なし

たとえば駐車場代を居住費に入れるか自動車関連費に入れるか迷うかもしれませんが、ご本人が分かっていれば問題ありません

使途不明金をなくし、家計に余裕を持たせる

収支を合計すると、実際の金額と大きく異なる場合があります。その場合は、他に支出がないか、使途不明金がないか確認しましょう。その他の金額(特に使途不明金)を把握することで節約につなげることができます。

こだわりすぎず、出来るだけシンプルに

キャッシュフロー表は家計簿ではありませんので、あまりこだわりすぎないようにしましょう。金額は実情に合わせ、表はシンプルにしておくとわかりやすいです。

収支の合計を確認しよう

最後に、収支の合計部分の解説をしていきます。

<キャッシュフロー表(合計部分)>

変動率 現在 1年後 2年後 3年後
年度末合計額 1.6 -15.3 3.5 -20.1
貯蓄額 0% 501.6 486.3 482.8 462.7

表中の「年度末合計額」は、年度ごとに収入から支出を引いた合計額となります。マイナスであればその年度は赤字となり、貯蓄から取り崩すことになります。プラスであれば貯蓄額に加算されます。

貯蓄された金額は1年ごとに利息がつくのが一般的ですが、現状に合わせ「0」としております。仮に1%の利息がつく場合、次のように作成します。

<キャッシュフロー表(合計部分)>

変動率 現在 1年後 2年後 3年後
年度末合計額 1.6 -15.3 3.5 -20.1
貯蓄額 1% 501.6 491.3 496 456.6

[貯蓄額の計算]
1年後の貯蓄額は現在の貯蓄額に利率を掛け、その後に1年後の年度末合計額を足します。
501.6 ×(1+0.01)+(-15.3)=491.3
同じように、2年後、3年後も計算してみましょう。
2年後 482.8×(1+0.01)2+3.5=496
3年後 462.7×(1+0.01)3+(-20.1)=456.6

ここまでがキャッシュフロー表の作成方法となります。キャッシュフロー表をしっかり作成しておけば、住宅の資金計画を立てますが、判断材料となるキャッシュフロー表をもとに考えていきます。

キャッシュフロー表を使った住宅資金の計画の立て方

住宅の資金計画は、住宅取得までの準備を指すことが多いですが、住宅ローン返済中の計画も合わせて立てておくと安心です。住宅取得前と後に分けて解説していきます。

キャッシュフロー表を使った「住宅取得まで」の資金計画の立て方

キャッシュフロー表の作成は、使途不明金をなくし、住宅取得に向けた準備を効率的にする効果があります。無駄がなくなれば住宅資金に充てられる金額を増やせる可能性がありますので、キャッシュフロー表の作成は重要です。

キャッシュフロー表の支出部分に、「住宅資金」項目を追加し、何年でどのくらいの金額を準備できるか確認します。目標額を達成するために何年必要かを確認することもできます。

キャッシュフロー表を使った「住宅取得後」の資金計画の立て方

キャッシュフロー表が完成したら、居住費以外の部分は変更せず居住費の金額を上下することで家計への影響を数値化することができます。

住宅ローンの借入金額を増やせば居住費は増加します。その場合、赤字になる年度が増えると家計への影響が大きいと判断できます。

居住費以外の支出を節約できないかを検討し、居住費による家計への影響を軽減させることもできます。安心して返済できる金額はどのくらいか、住宅探しをする前に予算を決めておくことで、無理な借り入れを防止することができます。

もちろんキャッシュフロー表自体が予測の上で作成していますので、将来、キャッシュフロー表通りになるとは限りません。収入が増えなかった場合、緊急的に支出が増えた場合など複数のパターンを作成し、それぞれで住宅ローンの資金計画を立てるとより正確な判断ができます。

キャッシュフロー表はご家庭が自力で作成することが重要

企業の中にはキャッシュフロー表を無料で作成し、その資料をもとに商品販売をするケースがあります。キャッシュフロー表の作成は大変ですが、家計状況を全て公開してしまうことに一抹の不安が残らないでしょうか。ご家庭の支出は住宅だけではありません。

ご家庭の考えを反映したキャッシュフロー表を自力で作成することが重要です。時間はかかるかもしれませんが、少しずつ家計の状況を表したキャッシュフロー表にしていきましょう。

一部繰り上げ返済でキャッシュフローを改善する

せっかくキャッシュフロー表を作成したのですから、借入後も利用しましょう。キャッシュフロー表の居住費部分の負担を減らすためには、一部繰り上げ返済や金利プランの変更、借り換えがお勧めです。

一部繰り上げ返済や借り換えなどのメンテナンスをすると貯蓄額が減りますので、メンテナンス後のキャッシュフローの状況を確認することができます。長い目で見ればメンテナンスにより毎月の返済額が減りますのでキャッシュフローは改善されます。

このように家計を状況を見るために、住宅ローンを利用する際はキャッシュフロー表の作成が有効ですので、この記事などを参考に作成してみてください。

まとめ

キャッシュフロー表の作成は、今回紹介したコツ以外に様々なポイントがあり、どのように作成するか迷われるかもしれません。部分的であれば質問はしやすいと思いますので、無料相談などを利用して解決してみてはいかがでしょうか。

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