• 2020.09.15

預金連動型住宅ローンは資金に余裕がある人におすすめ!メリット・デメリットを徹底解説

執筆者: 中野良唯 (ジョインコントラスト株式会社)
住宅ローン預金連動型

「預金連動型住宅ローン」とは、預金残高に応じて住宅ローンの利息が軽減される住宅ローンのこと。

もともとは東京スター銀行が始めた住宅ローン商品でしたが、現在では関西みらい銀行や山陰合同銀行などが取り扱っています。

一般的な住宅ローンでは、資産に余裕ができた際、「繰り上げ返済」をすることで金利の負担を減らすことができます。

一方、預金連動型住宅ローンでは預金が増えれば金利負担が減るため、繰り上げ返済と同じような効果を得ることができるのが特徴です。

手元に資金を残しながら住宅ローンの負担を軽減できたり、金利の負担を減らしながら住宅ローン控除を受けられたりといったメリットがある預金連動型住宅ローン。しかし、一般的な住宅ローンよりも金利が高い傾向があるなど、気を付けておくべきポイントもあります。

この記事では、預金連動型住宅ローンのメリットやデメリット、どんな人に向いているのかなどを解説しますので、ぜひ検討の際に参考にしてくださいね。

  • 預金連動型住宅ローンでは、預金残高に応じて住宅ローンの利息が軽減される
  • 預金連動型住宅ローンには、手元に資金を残しながら住宅ローンの負担を軽減できるなどのメリットがある
  • 一方、預金に余裕のない人は負担が軽減されなかったり、金利が割高な傾向があったりといったデメリットも
  • 預金連動型住宅ローンを選ぶなら、先駆けて商品を扱い始めた「東京スター銀行」がおすすめ

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

中野良唯

ジョインコントラスト株式会社

保有資格・検定

AFP、宅地建物取引士

大手ハウスメーカーでの営業所長を経て、生命保険会社へFPとして転職。 その後、独立系FPとしてコンサルティングの幅を広げるためジョインコントラスト株式会社へ移籍。 現在は「家計教師.com」に所属するFPとして、家計の個別コンサルティングや各種セミナー、企業や学校などで講演会なども行なっています。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

預金連動型住宅ローンとは

預金連動型のイメージ

冒頭でもお伝えした通り、「預金連動型住宅ローン」とは、預金残高に応じて住宅ローンの利息が軽減される住宅ローンのこと。

住宅ローン残高から預金残高分を差し引いた分にのみ、金利が発生する仕組みになります。

例えば3,000万円の住宅ローンを借りた場合、預金が1,000万円あれば、金利が発生するのは預金残高分を差し引いた2,000万円分です。

住宅ローンの金利という面では、預金を増やすと「繰り上げ返済」と同様の負担軽減効果を得ることができます。

※住宅ローンの毎月の返済額とは別に、まとまった額を繰り上げて返済すること。繰り上げ返済を行うことで住宅ローンの残債が減るため、利息を軽減することができる。

預金連動型住宅ローンは、東京スター銀行が日本で初めて取り扱った住宅ローン商品です。現在では関西みらい銀行や山陰合同銀行なども取り扱っていますが、一般的な住宅ローンと比較すると、扱う金融機関は限られているのでご注意ください。

預金連動型住宅ローンの3つのメリット

預金残高に応じて利子の負担を軽減できる預金連動型住宅ローンには、以下の3つのメリットがあります。

預金連動型住宅ローンのメリット

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

メリット1:預金を増やせば利子の負担を下げられる

先述したように、預金連動型住宅ローンは預金分の借入金に金利が発生せず、その分の利子を支払う必要もありません。

つまり、預金が多ければ多いほど、利子の節約になります。

基本的に住宅ローンは、どれだけ低金利で借りることができても、総額で数百万円以上の利子を支払うことになります

利子の負担を軽減できる点は、やはり預金連動型住宅ローンの大きな魅力だと言えるでしょう。

メリット2:住宅ローン控除の恩恵を大きく受けられる

預金連動型住宅ローンは、「住宅ローン控除の恩恵を大きく受けられること」も大きなメリットとして挙げられます。

一般的な住宅ローンで繰り上げ返済を行った場合、住宅ローン残高が減る分、住宅ローン控除も少なくなってしまうというデメリットがあります。

一方、預金連動型住宅ローンであれば、繰り上げ返済のように住宅ローン控除が少なくなることはありません。

両者を比較すると、以下のようなイメージです。

  • 一般的な住宅ローンで繰り上げ返済をした場合
    4,000万円の住宅ローンで1,000万円を繰り上げ返済すると、控除を受けられるのは残債である3,000万円分
    →控除額は 3,000万円×1%=300万円(※金利の負担は3,000万円分)
  • 預金連動型住宅ローンの場合
    4000万円の住宅ローンで預金残高が1,000万円あるとすると、控除をうけられるのは4,000万円分
    →控除額は4,000万円×1%=400万円 (※金利の負担は3,000万円分)

繰り上げ返済と同じような利子の軽減効果を得ながら、住宅ローン控除による減税をフルに受けられるという点は、預金連動型住宅ローンの非常に大きな魅力といえます。

メリット3:預金はいつでも利用できるため、いざという時も安心

預金連動型住宅ローンは、「手元に資金を残しつつ、住宅ローンの利子を軽減することができる」という仕組みです。

もちろん、預金連動型住宅ローンに連動させる預金残高は、いつでも出し入れすることができます。

一般的な住宅ローンで繰り上げ返済をする場合、返済後に手元の資金が少なくなってしまうため、いざという時に心配だと感じる人は多いでしょう。

その点、預金連動型住宅ローンであれば手元の資金が減らないため、急にお金が必要になったときでも安心です。

預金連動型住宅ローンの3つのデメリット

ここまで、預金連動型住宅ローンを利用するメリットを3つ紹介しました。

預金額に応じて金利の負担を軽減でき、手元に資金を残しつつ住宅ローン控除の恩恵を受けられる預金連動型住宅ローンに魅力を感じた方も多いのではないでしょうか。

しかし、預金連動型住宅ローンにはデメリットも存在します

ここからは、預金連動型住宅ローンの以下の3つのデメリットを解説しますので、検討の際にはしっかりチェックしてくださいね。

預金連動型住宅ローンのデメリット

デメリット1:預金に余裕がある人以外はメリットを享受できない

預金額に応じて金利の負担が下がる預金連動型住宅ローンですが、当然、預金に余裕がなければお得なメリットを享受することはできません

例えば、200万円の預金しかない人が、30年の借入期間で4,000万円の住宅ローンを借りた場合、金利は差額分である3,800万円に対して発生します。

もしも金利が年1.000%であれば、利子は以下のようになります。

残高を差し引いた額 借入期間 返済総額 支払利子総額
3,800万円 30年 約4,400万円 約600万円

一方、預金残高が1,000万円あった場合、利子は以下のようになります。

残高を差し引いた額 借入期間 返済総額 支払利子総額
2,500万円 30年 約2,900万円 約400万円

上記のように、預金残高によって、支払利子総額が数百万単位で異なることも。そのため、預金に余裕がない人には、預金連動型住宅ローンはあまりおすすめできません。

デメリット2:金利が高くなる場合が多い

預金連動型住宅ローンは、一般的な住宅ローンに比べて金利が高い傾向にあります。

一般的な住宅ローンの変動金利は0.5%前後に設定されていることが多い中、預金連動型住宅ローンの変動金利は1.0%以上に設定されていることも珍しくありません。

さらに一般的な住宅ローンは、固定金利変動金利など金利タイプを選択できることがほとんどですが、預金連動型住宅ローンは変動金利タイプが基本となっています。

ただし、東京スター銀行の預金連動型住宅ローン「スターワン住宅ローン」は、固定金利・変動金利の2タイプを選択できます

スターワン住宅ローンに関しては、預金連動型住宅ローンを利用するなら「東京スター銀行」がおすすめの章で詳しくご紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。

デメリット3:融資事務手数料は融資額にかかるため、高くなる場合がある

住宅ローンを借りる際は、諸費用として「融資事務手数料」を支払わなければなりません。

融資事務手数料の形態は、主に定額型・定率型の2つのタイプがあります。

定額型の例 定率型の例
50,000円
100,000円 等
融資額×2.0%
融資額×3.0% 等

多くの銀行では定率型を採用していることが多く、三菱UFJ銀行(※)やりそな銀行などのメガバンクでも、融資事務手数料は「融資額×2.2%」と定められています。
※保証会社を利用しない場合

定率型の場合、預金連動型住宅ローンの融資事務手数料は、預金残高分を差し引いた額では計算されません。

どれだけ預金残高があったとしても融資額から算出されるため、融資事務手数料は高くなる可能性があります。

これら3つのデメリットから、預金連動型住宅ローンは預金残高分の金利が発生しないものの、トータルで見ると返済総額が高くなってしまう可能性もあることを覚えておきましょう。

預金連動型と一般的な変動金利の毎月返済額を比較

では実際に、預金連動型住宅ローンと一般的な住宅ローンでは、毎月の返済額はどう変わるのでしょうか。

ここからは、以下の条件でシミュレーションを行い、それぞれの毎月返済額を比較します。

預金連動型住宅ローン 一般的な住宅ローン
融資額 2,000万円 2,000万円
預金残高 1,000万円 -
借入期間 20年 20年
金融機関 東京スター銀行 -
金利タイプ 変動金利 変動金利
金利 0.750%
※2020年9月適用金利
+
0.504%
(団信付メンテナンスパック)
0.457%
+
0.300%
(11疾病保障団信)

なお、東京スター銀行の預金連動型住宅ローンを利用する場合、団体信用生命保険(団信・入院保険付帯)付のメンテナンスパックに加入することが必須になっています。

メンテナンスパックは、保障内容に応じて年0.300%・0.504%・0.702%いずれかの金利が、住宅ローン総額に対して上乗せされます。

上記の条件で毎月返済額を算出したところ、以下のような結果になりました。

■預金連動型住宅ローン(変動金利)

総返済額 21,311,435円
毎月返済額 88,797円
支払利子総額 1,311,435円

一方で、一般的な住宅ローンのシミュレーション結果は、以下のようになりました。

■一般的な住宅ローン(変動金利)

総返済額 21,558,357円
毎月返済額  89,827円
支払利子総額 1,558,357円

預金連動型住宅ローンは、金利で見ると、一般的な住宅ローンよりも高くなってしまいます

しかし、総返済額・支払利子は一般的な住宅ローンよりも低く、わずかではあるものの毎月の返済額も抑えられていることがわかります。

預金連動型住宅ローンに向いている人

ここまで、預金連動型住宅ローンの概要や、メリット・デメリットについて詳しく紹介しました。

では実際に、預金連動型住宅ローンのメリットを享受できる人とはどのような人なのでしょうか?

結論を言えば、最もおすすめできるのは、融資額と同等の預金がある人です。

預金連動型住宅ローンはいわば、預金が多い人が優遇される住宅ローンです。

預金が多ければ多いほど金利が下がり、支払うべき利子も軽減されるため、結果的に総返済額が減ります。

また、住宅ローン控除による減税もフルで受けられるため、預金に余裕がある人にとってはメリット尽くしの住宅ローンと言っても過言ではないでしょう。

反対に、わずかな預金しかないという人にはあまりおすすめできません。預金に余裕がない人は、低金利で借りられる住宅ローンを探す方が良いでしょう。

預金連動型住宅ローンを利用するなら「東京スター銀行」がおすすめ

預金連動型住宅ローンは、もともと東京スター銀行が開始した住宅ローンサービスです。

現在では複数の銀行が預金連動型住宅ローンを取り扱っていますが、各銀行によって金利や団信プランなどが異なるため、自身の希望条件や資金計画に適した住宅ローンを選ぶようにしましょう。

預金連動型住宅ローンのなかでもおすすめなのは、やはり預金連動型住宅ローンを先駆けて取り扱った東京スター銀行です。

ここからは、東京スター銀行の預金連動型住宅ローンの特徴をご紹介しますね。

東京スター銀行「スターワン住宅ローン(連動型住宅ローン)」の特徴

金利タイプ・金利 変動金利 0.750%~1.250%
※2020年9月適用金利
固定金利 【3年】0.700%~1.200%
※2020年9月適用金利
【5年】0.700%~1.200%
※2020年9月適用金利
【10年】0.750%~1.250%
※2020年9月適用金利
借入期間 1年以上35年以内
保証料 無料
融資事務手数料 融資額×2.2%(税込)

出典:東京スター銀行「スターワン住宅ローン」

預金連動型住宅ローンでは、変動金利しか選択できない金融機関が多い中で、東京スター銀行では変動金利・固定金利という2つの金利タイプを自由に選択することができます

また、他行の預金連動型住宅ローンに比べて、スターワン住宅ローンの固定金利は比較的低く設定されています。

ただし、スターワン住宅ローンは、「メンテナンスパック」の加入が必須となっています。

メンテナンスパックは、保障内容に応じて年0.300%・0.504%・0.702%いずれかの金利が、住宅ローン総額に対して上乗せされます。

また、融資事務手数料は融資額×2.2%です。これは、デメリット3:融資事務手数料は融資額にかかるため、高くなる場合があるの章で解説した通り、住宅ローンの総額に対してかかるのでご注意ください。

東京スター銀行は全国に店舗を展開していますが、近隣に店舗がない場合は、公式ホームページから簡単に問い合わせや仮申し込みができますよ。

まとめ

預金連動型住宅ローンは、預金残高分の借入金には金利が発生しないというお得な住宅ローン商品です。

しかし、一般的な住宅ローンとは異なる特徴を持つ住宅ローンであるため、必ずメリット・デメリットを把握し、自身に適しているかを判断したうえで選択することをおすすめします。

預金連動型の住宅ローンがおすすめなのは、以下のような人です。

預金連動型の住宅ローンがおすすめ人

  • 融資額と同等の預金がある人
  • どんどん繰り上げ返済をしたいけど、住宅ローン控除による減税も受けたい人

なお、預金連動型の住宅ローンは、預金があまりないという人にはおすすめできません。預金に余裕がない人は、低金利で借りられるネット銀行の住宅ローンなどを探すと良いですよ。

保険相談
スポンサーリンク

住宅ローン シミュレーション
新生銀行
おすすめ住宅ローン
新生銀行
満足度
4.1
新生銀行
最低金利
0.450%

2020年09月適用金利

変動金利

総合人気ランキング
1位 auじぶん銀行
満足度
4.7
auじぶん銀行
最低金利
0.380%

2020年09月適用金利

変動金利

全期間引下げプラン

じぶんでんきをセットでご契約の場合

2位 住信SBIネット銀行
満足度
4.5
住信SBIネット銀行
最低金利
0.398%

2020年09月適用金利

変動金利

借り換え金利

3位 新生銀行
満足度
4.1
新生銀行
最低金利
0.450%

2020年09月適用金利

変動金利

総合人気ランキングを全て見る

おすすめの記事ランキング

新着記事

  • 国税庁
  • 国土交通省
  • 住宅金融支援機構
  • フラット35
たった1分 住宅ローン シミュレーション