• 2020.06.05

住宅ローンの頭金は必須なの?デメリットと最適割合を徹底解説!

住宅ローン頭金
住宅ローンを組みたいけど、頭金って入れたほうが良いのかな?

とお悩みの方も多いと思います。

住宅ローンについて調べていると必ず出てくるキーワードである「頭金」。

でも、、日常的に馴染みのない言葉であるため、「頭金ってなに?必ず用意すべきなの?」という疑問を感じている人もいるでしょう。

当記事では、

  • 頭金って本当に必要なの?  
  • 頭金ありと頭金なし、それぞれのメリット・デメリットは?  
  • 住宅ローン控除を考えると頭金は少なくしたほうが良い?  

などの疑問について、FPの筆者がわかりやすく解決していきます。  

住宅ローン頭金の必要性やメリット・デメリット、頭金の考え方なども徹底解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。  

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

政所温也

株式会社Choices 代表取締役

保有資格・検定

2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、損害保険募集人、損保自動車専門試験合格

2010年にファイナンシャルプランナー(FP)として独立し活動中。過去に大手金融ニュースメディアや損保公式サイトでも執筆活動を行った実績があり、「読みやすく理解しやすいライティング」を得意としている。2018年11月現在で、1,300記事以上の執筆実績がある。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

住宅ローンの頭金とは

住宅ローンの頭金とは、借入れをする前に現金で支払う費用のことです

たとえば、住宅の購入に必要な合計金額が3,000万円の場合、頭金を500万円支払えば、住宅ローンの借入金額は2,500万円になります。

わかりやすくいえば、頭金は「借入金額を少なくするための自己資金」なのです。

頭金なしでも住宅ローンは組める

結論としていえば、頭金なしでも住宅ローンを組むことはできます

ひと昔前であれば、住宅ローンは頭金がなければ利用できなかったため、一定以上の年齢の人は今でも「頭金はあって当たり前」という感覚だと思います。

しかし、ここ10数年で住宅ローン金利は超低金利の水準になり、金融機関の住宅ローン獲得競争が激化している背景から、頭金なしでも住宅ローンが利用できるようになってきています。

ただしデメリットとして、頭金なしで住宅ローンを組むと、ローンの返済総額が多くなったり、売りたいときに売れなくなったりといった注意点も出てきます

「頭金なしでも住宅ローンが組めますよ」
「家賃並みの返済負担ですみますよ」

という甘いセールストークは、あなたの人生を左右する買い物の行く末を保障するものではない、ということですね。

そのため頭金なしで住宅ローンを組む場合は、注意点やメリット・デメリットをしっかり理解しておくことが大切です

それぞれ詳しく見ていきましょう。

頭金によるメリット・デメリットの違い

頭金のあり、なしはどちらが優れているというものではなく、それぞれにメリット・デメリットがあります。

また、住宅ローンを組む人の自己資金やライフプランによって、メリット・デメリットの度合いも変わってきます。

ご自身の状況をふまえて、影響の度合いを考えてみましょう。

頭金ありの場合

住宅ローンの頭金ありの代表的なメリットは、より良い条件で住宅ローンを組めることです

ただしその反面、頭金を入れることがデメリットになることもあるので注意が必要です。

頭金ありのメリット

頭金ありのメリット

  • 住宅ローンの返済総額が少なくなることで、返済の負担も軽減される
  • 住宅ローンの選択肢が広がる
  • 住宅ローンの審査が有利になる(通りやすくなる)

一定の頭金があれば住宅ローンの適用金利が低くなり、借入額も少なくなります。

そうなれば支払う利息額や諸費用も少なくなるため、結果的に返済総額は少なくなります

また、頭金を入れないと検討できない住宅ローンもあることから、審査上有利になることは間違いありません。

頭金があれば、さまざまな面で住宅ローンの選択肢が広がるので、条件面も有利になるといえますね。

頭金ありのデメリット

頭金ありのデメリット

  • 手元の自己資金が少なくなり、家計のバランスが崩れる可能性もある
  • 頭金の準備に時間がかかる

住宅を購入するときは、頭金のほかにも諸費用や引っ越し代、家具購入費などのさまざまな費用が必要ですよね。

さらに、万一の生活費や今後の支出予定なども見越して、ある程度自己資金を手元に残しておかなければいけません。

このような理由から、頭金の支払いで自己資金が少なくなると、その後の家計バランスが崩れてしまう可能性があるのです

家計のバランスが崩れてしまった場合、住宅ローンの返済が滞り、結果的にせっかく買った住宅を売却せざるを得ない状態に陥るリスクもあるわけです。

また、頭金を入れたうえで手元に一定の自己資金を残しておこうとすると、必然的に相応の準備期間が必要になります。

したがって、ほしいと思う住宅の購入タイミングや、現在の低金利状況を逃してしまうことになるかもしれません。

このような点もデメリットだといえますね。

ただしハッキリ言ってしまえば、準備に時間がかかることはデメリットですが、焦って住宅を購入するのはデメリット以上に危険です

住宅の購入を早くしたい人は、家計を見直して頭金の準備を早々に完了できるように工夫しましょうね 

頭金なしの場合

「住宅ローンを頭金なしで利用する場合には注意点がある」とさきほどお伝えしましたが、注意点やデメリットばかりではありません。

どのような選択肢でもメリットはあるものです。

頭金なしで住宅ローンを利用する場合の、メリットとデメリットをご説明していきましょう。   

頭金なしのメリット

頭金なしのメリット

  • 住宅ローン減税で還付される税額が多くなる
  • 手元の自己資金を減らさずに住宅を購入できる
  • 自分や家族が気に入る住宅を見つけたタイミングで購入できる

2020年5月現在、住宅ローンの金利はかつてないほど低い水準です。

加えて、毎年住宅ローン残高の1%相当の税金が返ってくる「住宅ローン減税」もあります。

これら2つを合わせると住宅ローンの実質金利は1%以下になるので、ローンの利息が著しく低くなる人も多いのです。

このような背景から、頭金を入れて利息額を抑えるよりも、頭金をなしにして住宅ローン減税の還付税額を増やしたほうがメリットのある人もいるわけです

また、手元の自己資金を多めに残し、利回りが良い資産運用に回してメリットを得るという人もいます。

つまり、頭金なしで住宅ローンを組んだほうが、メリットが大きくなる場合もあるということです。

加えて、住宅ローンを頭金なしで利用する場合、頭金の準備に時間をかける必要がありません。

したがって、自分や家族が望むタイミングで住宅を購入できるというメリットもありますね。

ただし注意点として、これらのメリットはすべて「自己資金にある程度余裕のある人(つまり頭金を払える資金力はあるけどあえて払わない人)」にしか当てはまりません。

このような点を踏まえると、自己資金がまったくない状態では頭金なしのメリットは享受できず、デメリットのほうが強くなるので危険だといえますね。       

頭金なしのデメリット

頭金なしのデメリット

  • 住宅ローンの返済総額が多くなる(返済負担が大きくなる)
  • 万一の際に住宅を売りにくい
  • 住宅ローンの選択肢が少なくなる
  • 住宅ローンの審査で不利になりやすい
  • 元の自己資金が少なくなり、家計のバランスが崩れる可能性もある

新築物件の場合、住宅の価値は購入後すぐに1割~2割程度下がります

そのため、もし月々の返済が厳しくなって売却しようと思っても、住宅自体の資産価値が借入残高を大きく下回ってしまいます。

「売るに売れない」状態に陥ってしまうことが、もっとも注意するべき点です。

「自己資金がまったくないから頭金なしで購入する人」の場合、万一の際に売却も返済もできなくなり、家計が破綻する可能性が大きくなる可能性がある点には十分に注意しておきましょう。

「頭金なしで住宅ローンを組む場合でも、ある程度の自己資金が必要」ということは覚えておきましょう

頭金はマイホーム購入金額の2割を目安に用意する

住宅ローンの頭金は、マイホーム購入金額の2割を目安に用意することをおすすめします。

なぜ2割なのかというと、

  • 頭金が2割あれば、優遇金利が適用される場合が多い
  • ローン審査が有利になる
  • 万一の際に住宅を売りやすい

という理由があるからです。

実は多くの銀行では、住宅ローンの頭金を2割入れれば金利が下がるプラン(優遇金利)を組めるようになります。

金利が下がればその分支払う利息額も少なくなるため、返済総額を抑えられます。

また、頭金をしっかりと用意できている人は、銀行から見ても信用力を高く評価されますし、ローン審査でも有利になります。

そして、先ほど述べたとおり、住宅の資産価値は購入後すぐに1~2割下落します。

しかしながら最初に2割程度の頭金を用意していれば、購入後になんらかの理由で住宅を売却しなければいけなくなったときでも、住宅の価値が住宅ローン残高を下回るリスクを回避することができますよ。

つまり万一の場合でも身動きがとりやすくなるということです。この点も頭金を用意する大きなメリットといえるでしょう。

では、「頭金は多ければ多いほうが良い」のかというと、実はそうでもありません。

その理由も解説していきますね。    

頭金は「多いほうが得」ではない

住宅ローンの頭金は「多ければ多いほうが得」なのかというと、必ずしもそうではありません。

その理由は大きくわけると以下の2つが挙げられます。

頭金を多く用意しても得ではない理由

  1. 住宅ローン減税と低金利が重なるので、当初10年の利息負担は重くない
  2. 頭金を入れすぎて手元資金が手薄になると、家計バランスが崩れる

住宅ローン減税は、年末時点の住宅ローン残高1%分の税金が10年間還付される制度です。
※住宅の購入時期によって3年延長される場合もあり。

もし住宅ローンを固定金利1.2%で組んだ場合、1%分の税還付を差し引くと、10年間の実質金利は年0.2%になるということなのです。

つまり固定金利で実質0.2%なら、頭金を多少多めに入れたところで返済総額に大差はありません。

頭金の額と住宅ローンの総返済額の関係を事例で見てみましょう。

■頭金の額と住宅ローンの総返済額の関係

【前提条件】
  • 住宅購入金額:2700万円
  • 借入期間:30年
  • 適用金利年:
    頭金なし1.5%、
    頭金あり1.2%
  • 元利均等返済方式
  • 年収約:700万円
  • 自己資金:500万円

 (表1)頭金額別の住宅ローン総返済額と実質コスト削減効果

頭金額 ①200万円 ②300万円 ③500万円 ④頭金0円、
12年後に500万円繰り上げ返済
⑤頭金0円で、
そのまま完済まで返済
住宅ローン 総返済額
※頭金諸費用含む
3,241万2,560円 3,219万8,151円 3,198円3,806円 3,294万
8,386円
3,422万
2,734円
頭金なしで完済した場合(⑤)に
比べ削減できた金額
▲181万
174円
▲202万4,583円 ▲223万8,928円 ▲127万
4,348円
-
住宅ローン減税 還付金 209万
7,000円
201万
3,000円
184万
6,000円
228万
2,000円
228万
2,000円
頭金なしで
完済した場合に比べて
少なくなった還付額
▲18万
5,000円
▲26万
9,000円
▲43万
6,000円
▲0円 -
頭金なしで
完済した場合に比べ、
実質的にコスト削減になった金額
162万
5,174円
175万
5,583円
180万
2,928円
127万
4,348円
-

 ※諸費用の金額は三井住友信託銀行の住宅ローン保証料一括前払い型を参考にしています。
「ローン手数料一覧」(三井住友信託銀行)
※上記の計算例は「住宅ローン減税の還付金以上の税金を納めている人」を前提としています。
住宅ローン減税の還付金を計算する場合は、ご自身の納税額を元に計算するようにしてください。

この事例の場合、頭金がない人の総返済額は、⑤3422万2734円(利息+諸費用722万2734円)で、住宅ローン減税の還付金は、約228万2000円です。

もし頭金額を200万円入れれば(表1の①参照)金利は1.2%になりますので、住宅ローン減税の金額を差し引いても実質的なコストが頭金なしのケースに比べ162万5174円も安くなります。

同じ前提で頭金を300万円、500万円にしたケースや、頭金0円で繰り上げ返済したケースを一覧表で比較しているので、それぞれ詳しくチェックしていきましょう。

表1を見ると、頭金なしの④と頭金ありの①~③の場合とでは、少しでも頭金を入れたほうがお得なことがわかりますよね。

しかしながら、①の頭金200万円と③の頭金500万円の場合とでは、実質的なコスト削減効果は約18万円しか変わりません。

頭金を300万円も多く支払うのに、トータルで18万円しかお得にならないのなら、無理に頭金を多く入れて手元の自己資金を減らす必要はないでしょう。

したがって、頭金を500万円支払える余力があるのなら、頭金は200万、残りの300万円は手元において利回りの良い資産運用や、住宅以外の資金として活用することをおすすめします。

住宅ローン減税の期間は10年もあるのです。

10年間もあれば、利回りの良い投資で18万円以上のリターンを得ることもできるでしょう。

もちろん、頭金をたくさん支払っても、手元の自己資金が十分に残る場合は頭金を多く入れて問題はありません。

大切なのは頭金の額ではなく、自己資金額とのバランスなのです。

結論を言ってしまえば、頭金はあったほうがトータルコストは安くなります。

しかし、やみくもに多くするものでもありません。

上記の計算例を参考に、自己資金額とのバランスを考えて適切な頭金額を決めるようにしましょう。  

頭金として使っても良い金額の考え方

住宅ローンの頭金として使っても良い金額は、手元の自己資金額と個々のライフプランによって変わります。

まず手元に残しておくべき最低の自己資金として、

  1. 住宅購入に付随して発生する費用(諸費用や引っ越し代、家具購入代など)
  2. 万一の場合の必要資金(給与がストップした場合でも当面使える生活費など)

の2種類があります。

①はご自身のローン借入額や価値観などから大体の目安を算出できるはずですし、②は人によりますが給与の半年~1年程度が目安ですので計算しやすいでしょう。  

問題は第三の自己資金として、 ③将来必要になる教育費や老後費用 を用意しておかなければいけないということです。

③は各家庭のライフプランや資金の準備方法によって大きく異なるため、一概にいくら必要という目安はありません。

子どもの教育費を将来いくら必要としているのか、どのように準備する予定なのかは各家庭によって違うため、正解はないのです。

ただ、「ローン返済と並行して月々の収入から貯めていく予定」の人は、将来収入が下がったり、子どもが増えたりするなどで収支状況が大きく変動しても、問題なく貯めていけるかどうかを必ず確認しておいてくださいね。

繰り返しますが、将来的な必要額は各家庭のライフプランで大きく変動します。

住宅ローンを組むときは家族のライフプランと資金計画を見直し、将来収支の変動があっても耐えうる計画を立てておきましょう。

悩んだ場合は、有料相談のファイナンシャル・プランナーなどライフプランの専門家に相談することをおすすめします。

住宅ローンは一生でもっとも大きい買い物です。

専門家への相談はこのような人生の転機にこそ行うのが重要だといえますね 

頭金を用意できない場合の対策

必要な頭金を用意できない場合の対策は、

  1. 用意できるまで待つ
  2. 購入する住宅を見直す

のいずれかです。

十分な手元資金がある状態で、本当は支払えるけど計画的に考えて頭金を減らしたり、なくしたりすることは全く問題ありません。

しかし、

手元資金がないから頭金を用意できない

という人の場合、住宅購入に踏み切るのは危険です

必要な頭金を用意できない場合の

  1. 用意できるまで待つ
  2. 購入する住宅を見直す

という2つの対策はとても大切なポイントですので、詳しく解説していきますね。  

頭金が貯まるまで住宅の購入を待つ

最適な住宅購入のタイミングは、「手元の自己資金が十分になってから」です。

住宅ローンは住宅ありきではなく、自己資金ありきです。

少し厳しい言い方になってしまいますが、自己資金が十分にない状態の人は住宅ローンを組むべきではありません。

住宅ローンは高額な借金です。

「どうしてもほしい住宅が見つかった」
「今買わないと次いつ見つかるかわからない」

という理由で高額な借金計画を結んでマイホームを手に入れても、返済が破綻すればすぐにそのマイホームを手放すことになります

当然ながら、人生が破綻するリスクを負ってまでマイホームの購入時期を早める必要はないのです。

頭金を貯めること=住宅ローン返済に対する事前準備です。

しっかり目標を立てて計画的に頭金を貯めることができれば、頭金がない状態のときよりも、マイホームの選択肢をもっと増やすことができますよ。    

購入する住宅を見直す

購入したい住宅を見直すという方法もあります。新築住宅だけを見ている場合は一度中古住宅やリノベーション住宅も視野に入れて検討しなおしましょう。

また、駅近にこだわらずバス停が近い物件も見てみるなど、住宅の条件をあえて広くして見直すと、相場より安い掘り出し物件が見つかりやすくなります。

いろんな物件を見てみると、元々考えていなかった条件で良い住宅に巡り合うこともあるので、じっくり見てみることも大切ですよ

まとめ

住宅ローンを組むうえで頭金は重要ですが、本当に大切なのは「手元の自己資金額と将来の資金計画とのバランス」です。

頭金を2割用意しても、その後に発生する教育費や老後資金の準備ができていなければ、返済破綻する可能性もあります。

逆にいえば、頭金を払わなくとも手元の自己資金が十分にあって、将来の備えが計画的にできていれば、返済が破綻することはないといえます。

住宅ローンの頭金に対する考え方は、人それぞれです。

たくさん頭金を入れて借入額を減らしたい人もいるでしょうし、逆に頭金はできるだけ支払わず、低金利のうちに借入額を多くしておきたいという人もいるでしょう。

考え方はさまざまですが、まずはご自身の自己資金額とライフプランをふまえた上で、最適な頭金の額について考えてみてくださいね。 

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