• 2020.04.28

家計の負担を減らし ワンランク上のマイホームを実現する方法とは

執筆者: 奥井 隆 (ファイナンシャルプランナー)
ワンランク上のマイホームを実現する方法

あなたは、マイホームと聞いて何を想像されますか? 長期に渡るローンと月々の返済額や金利について、咄嗟に不安を抱かれたかもしれません。確かに住宅の取得は、長いローン返済を経て実現する場合が多いです。
 
住宅ローンといえば、ローン金利や返済額などに目を奪われがちです。ところが、実際はそれ以前に考えておくべきことがいくつか存在します。購入してからそういったことに気付き、後になって後悔する方が後を絶ちません。
 
逆にいえば、知っておくとワンランク上の家を手に入れたり後々のローン返済が楽になったりすることも多く、「理想の家」を「限られた予算」の中で実現していく為に、チェックしておくべきポイントといえそうです。
 
今回はマイホーム購入に際して不安を感じておられる方々を対象に、「ローンを組む前に 必ず知っておくべき知識」をテーマとして、アドバイスさせていただきます。

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

奥井 隆

ファイナンシャルプランナー

保有資格・検定

ファイナンシャルプランナー(AFP)、損害保険特級一般資格

ナビナビ住宅ローン執筆担当の奥井です。私はこれまでさまざまな方のライフプラングを手がけてまいりましたが、自ら引越を16回、URなどの賃貸入居3回、新築入居3回を経験するなどし、マイホームに関しては人一倍思い入れが強いです。当然ながら、失敗も成功も山ほど経験してまいりました。 ここではこれまで私自身が得てきた経験から、あなたに最適なアドバイスができればと考えています。お役に立てましたら幸いです。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

知っておきたい 持ち家と賃貸の違い

マイホームを検討される方の多くが、賃貸住宅で生活しておられます。では、マイホームと賃貸住宅、住んでからのお金の流れはどう違ってくるのでしょうか?

家賃とローンの違い

 

ローンと家賃はどちらも家計からの支出です。それと同時にどちらも家計への負担を考慮して設定されているので、似たような金額になる場合が多いといえます。

ところが支払額の内訳がどうなっているか考えると、異なる点がいろいろと見えてきます。まずは各項目について次の表をご覧ください。

 

家の維持費一覧表

 

賃貸住宅※

戸建て

マンション

固定資産税

×

修繕費

×

×

積立費用

×

×

礼金

×

×

敷金

×

×

管理費・共益費

×

取得費用

×

火災保険(建物)

△※1

駐車料金

△※2

※ここでは一戸建ての賃貸を省き、賃貸=高層住宅(マンション)への入居として考えています。
1 賃貸物件でも借家人賠償保険への加入は必要です。
2 車庫のある物件を選ぶか新築時に駐車スペースを設ければ不要です。

 注目すべき点は、「賃貸住宅の場合 固定資産税や修繕費などが家主の負担」となり、「持ち家になると それらは全て自分の負担になる」ということです。

そういったことを考えますと、一見賃貸住宅の方が住人の負担が少ないようにも感じられます。

将来を見据えてプラニングしないと

ところが賃貸に住み続ける限り資産形成できませんし、改築や追加の施工なども家主の承諾を得なければならず、ある意味窮屈な生活といえるかもしれません。

そういった理由から、「住宅ローンと同じくらい家賃を支払い続けるのなら、買った方が良いじゃないか」と考えられる方も多いです。 

私もそうでした。この考えは今になって考えても、あながち間違ってはいないと思います。ですが当時の私は安易にその点ばかりに心を奪われ、重大なことを忘れていたのです。

ローンを組むときまず気になるのは、返済額と住み替えた家の維持管理費でしょう。 

ですがそれ以上に大切なことが一つ存在します。それは、「購入した家にいつまで住み続けるのか?」ということです。このことは、マイホームを検討する前に考えておくべきことなのです。

「いつまで そこに住むのか」という命題

 年齢と立場によって

どういったことかと申しますと、「住宅購入を検討する段階で世帯主の年齢や家族構成を考慮し、何年先までそこに住み続けるか考えておかねば、後々大きな問題が発生する」ということです。

若いなら 間取りや価格よりもフットワーク

例えば結婚して日が浅く家族構成が不確定なときは、戸建てを検討せずマンション、それもできるだけ転売しやすい物件を探すといった工夫が必要でしょう。なぜなら先々、転居する可能性が高いからです。

逆に家族数が確定し、その家に生涯住むことを前提として考えるならば、耐震や防火、バリアフリー・断熱などにおいて性能に優れ、耐久力が高い住宅を新築することが理想でしょう。

そういったことを考えずに価格にばかり気を取られて購入してしまうと、後になって後悔することになります。私は最初のマンション購入で、これをやらかしてしまいました。

戸建て住宅とマンション 何が違う?

それと最初に決断すべきことが、もう一つ有ります。それは、高層住宅(マンション)に住むか?それとも戸建て住宅に住むか?という選択です。
 
逆にいうならば、その人が置かれている立場や住む場所によっても、その選択肢は絞られてきます。ただし、どちらに住みたいか希望がハッキリとしているのなら、コスト面のことはちゃんと知っておく必要があるでしょう。

戸建とマンション 費用面での違いは?

戸建ての場合、維持管理費の中で共益費・管理費や積立修繕費用などは必要ないですが、家の修繕が必要になったとき自分で負担する必要が出てきます。

また、駐車料金についてはマンションの場合、別途必要になる場合がほとんどで、車をお持ちであればあらかじめ毎月の固定支出として考えておくべきです。戸建てを選択する場合、できれば駐車スペースを確保しましょう。そうすれば駐車料金は永久に発生しません。

修繕費用の積立はマンションでも一戸建てでも必要です。ですが共益費や管理費は、マンション特有の固定費と考えるべきです。これらはマンション住まいにのみ発生し、戸建てに住む限り必要ありません。

例えばそれらの合計が月額3万円かかるならば、戸建てでかなりランクの高い物件にまで手が届くといえます。このようにローン返済額を考える前に、所々で節約できるポイントがあるのです。

戸建てとマンション 税金や保険料面での違いは

原則としてどちらにも固定資産税が発生します。しかしながらマンションの場合は共用部分が多く、敷地内が多くの住居スペースで区切られているため、土地部分の税負担が少なくなります。

それに加えマンションは耐火建物がほとんどなので、戸建てに比べると火災保険の料率が低いです。しかも建物に共用部分が存在するので保険価額も低く、保険料が安くなる傾向にあります。

もっとも最近の戸建て木造住宅は工法上、耐火構造級別が上位になる場合が多く、マンションと比べても昔ほど火災保険料に大きな差がつくことはありません。

次に、「お住まいの地域によって、マイホーム取得にどの程度の影響があるか」というお話しをさせていただきましょう。 

住んでいる場所によりマイホーム実現率は変わる

戸建てが難しい地域も

さてあなたは、現在の日本での持ち家比率をご存じでしょうか? 2018年における日本の持ち家比率は61.2パーセントという数字が出ています。(総務省 平成30年住宅・土地統計調査による)

尚、持ち家比率が一番高いのが富山県で76.8パーセント。一番低いのが東京都で45パーセントとなっています。傾向としては、やはり大都市は地価が高いので住宅を取得することが難しく、地方都市になればなるほどハードルは低いといえるでしょう。

このあたりは住んで居られる地域によってすでに決まっている要素ですから、仕方がありません。

特に東京23区内において戸建てのマイホームを取得するのは極めて困難で、こういった大都市圏で探すとなれば必然的に高層住宅がターゲットになるとお考えください。

少ない負担で ワンランク上のマイホームを実現させる

次に、少ない資金でマイホームを実現させるために必要な知識について書いてみます。

親の土地を利用する

土地についての資金負担が無いので有効な方法です。ただし、立地条件や間取りなどについて妥協しなければならない場合が多く、意外にも新築後に後悔している方が多いです。

贈与税の優遇措置を利用する

親から土地や建物を譲り受ける際に贈与税が3000万円まで非課税となる制度があります。(住宅取得等資金贈与の非課税の特例)

助成金制度を利用する

年度ごと地域ごとにさまざまな住宅取得の助成金が存在します。助成金の多くは所得などに制限があり、低所得の方に有利な制度がほとんどです。ただし予算が尽きたときが制度の終了になるので、早めの申請がベストです。「住まいの給付金」は有名な制度です。

駐車スペースを確保する

駐車スペースを考えて戸建て住宅を取得すれば、住み続ける限り車庫にかかる費用を節約できます。

自分で団体信用保険締結先を探す

金融機関によって違いますが、自分で団信締結先を探すことでローン返済額の負担減になる場合があります。

団体信用保険の保険料はローン返済額に組み入れられる場合がほとんどなので、返済の負担を減らすことが可能です。

後々のメンテナンス費用を考慮して住宅を建築する

戸建て住宅を取得する際は、メンテナンス費用に注意が必要です。

特に外壁については定期的なメンテナンスが必要なので、イニシャルコスト(初期費用)は多少かさんでもメンテナンス周期が長いものを選べば後々の負担減になります。

光熱費を節約できる住宅を選ぶ

ローン返済額ばかり考えて、ランニングコストのことを忘れてしまっている方が多いです。

昨今のエアコンは性能が良くなりましたが、断熱性能が高い家を選ぶことで冷暖房費を大きく節約できます。

性能が高い家を購入する

現在、住宅の性能を考える上で次の4つのことが評価の対象となっています。

  • 省エネルギー性(ランニングコストが少ない)
  • 耐震性(地震に強く保険料の節約になる)
  • バリアフリー性(一生、安心して住み続けられる)
  • 耐久性・可変性(耐久性が高くメンテナンス費用や維持費に差が出る)

性能が高い住宅を取得すると有利な住宅ローンを組める場合が多く、家その物の資産価値も高まります。後述しますが、長期優良住宅認定などは大きなメリットがあります。

耐震性・防火性が高い家を取得する

同時に耐震性と防火性能の高い住宅を取得すると、火災保険料が安くなります。火災保険料は住み続ける限り節約できますので、その為にもこれらの性能が高い家を取得することが重要になってきます。

室内での死亡リスクが低い家を得る

実はこれが一番大切なことかも知れません。住宅内での死亡率は高齢者世帯になればなるほど高くなり、未然に防ぐことが何よりも大切といえます。

特に浴槽内で心臓に異常を来して死亡する「ヒートショック」は住宅内の温度管理の不備が原因ともいえるので、住宅を取得する段階でリスクを減らす手立てを考える必要があります。安全は全てに優先します。

取得前に知っておきたいマイホーム豆知識

変動金利か固定金利か

住宅ローンを語るとき、「変動金利か固定金利か」ということがしばしば論争になります。どちらにも長所短所があるのですが、固定金利は将来に渡り返済額が一定で収支が立てやすい方法です。

ただし金利上昇リスクに備えて、あらかじめ金利が高く設定されているので、結果として変動金利型に比べ返済総額が高くなる可能性が有ります。

変動金利は昨今の低金利を反映して、かなり金利が低く設定されています。ですが将来的に金利上昇によって月々の返済額が高くなるリスクがあるといえます。

長期優良住宅認定のメリット

予備知識にはなりますが、新築する際に「長期優良住宅」の申請をして認定されると税金面やローンで優遇されます。

長期優良住宅とは、長く快適に暮らせる家として耐震性や省エネルギー性などの基準をクリアした家のこと。この認定をうけることで、新築してからの固定資産税半額減免期間が2年間延長となるなどの優遇を受けられます。

長期優良住宅の申請を受けると住宅ローンにおいても、フラット35S金利Aプラン(当初10年間金利0.25パーセント引下げ)の利用適用物件となります。フラット35Sとは、フラット35の種類の一つで、特定の条件を満たした住宅の場合、フラット35の金利から一定期間の金利優遇を受けられる制度です。

老後に備える住宅の資質とは

介護認定が受けられるようになると、住宅のバリアフリー化に介護保険からの助成を受けられることは、よく知られています。ですが、老後の生活に備える「リバースモゲージ」について、知っておられる方は意外と少ないようです。

リバースモゲージとは、ひとことで言えば「住んでいる住宅を担保に老後の資金を得る担保ローン」となります。この制度は自宅を手放すこと無く住み続けることができるので、少子高齢化に伴って最近見直され始めました。

ただしこの制度の対象となる住宅には、一定の水準が求められます。取り扱う金融機関にもよりますが、対象となる住宅はマンションでは厳しく戸建てのみになる場合が多いです。

マンションは各戸の土地部分占有率が低く資産価値のほとんどが居住空間なので、よほどのビンテージ物件(古くなっても資産価値が落ちない物件)でないと適用物件にならないようです。

ビンテージ物件のマンションとなると東京都内では城南3区(世田谷区 目黒区 渋谷区)など限られた地域となり、かなり高額な購入価格となります。

そういったことから考えると、老後に備えるならば性能が高い戸建て住宅がおすすめです。

中古物件購入で 注意すべきこと

 
ここで、中古物件を買う際に注意すべきことについて、いくつかご紹介させていただきます。

再建築不可物件というワナ

最初のチェックポイントは、その物件が再建築不可物件でないかどうかです。再建築不可物件とは、建築基準法に抵触し解体してしまうと建物を建築することができない土地に建っている物件のことをいいます。

例えば建築基準法では道を幅4メートル以上と定めていますが、定められた「道」に隣接していない建物は再建築不可物件となります。

このような物件は建て替えができないばかりか、売却することさえできず無駄に固定資産税のみ支払い続けるということにもなりかねません。贈与や相続で得た物件でも該当例が多く、注意が必要です。

境界線が不明瞭な物件

購入後に隣人とトラブルが生じたり売却できなかったりといった危険性が高いのが、境界線が不明瞭な物件です。

中古のマンションを購入する場合

中古物件の購入で特に注意したいのが、マンションを購入するときです。以下、問題がある物件について書いてみます。

修繕費の積立に問題があるマンション

中古マンションを購入する際に注意したいのが、修繕費用の積立額と築年数です。購入したものの、改築や修繕が必要になったときに管理組合の資金が不足し、入居して早々に追徴されるといった悲劇が無いとは限りません。

物件を見るときは、修繕積立金の額をチェックしましょう。東京都内のマンションだと、修繕費が1億円以上かかるケースもあり、必ずチェックすべきポイントです。

先のオーナーに積立金・管理費などの滞納がある物件

買い主は、先に住んでいた人の滞納金を引き継いで支払わねばならないことが法律で義務づけられています。

今後、修繕積立金が増える可能性が高いマンション

新築マンションはほとんどの場合、分譲時に段階増額方式(住んでいる間に積立金が増額されていく)が採用されています。築年数が浅い物件を購入する際は、ご自分の立場や年収などと比べて必ずチェックしておきましょう。

疎かにすると、ローン破綻する危険性が高くなります

中古マンションは 必ず重要事項調査報告書をチェックすること

中古マンションの修繕積立金や滞納金・管理費用や積立金の制度・方式などの情報については、仲介業者が提供する「重要事項調査報告書」に記載されているのが通例です。

購入を検討する前に必ず、重要事項調査報告書の内容をチェックしておきましょう

最後に

最後までお付きあいいただき、どうもありがとうございました。

賃貸にもマイホームにもそれぞれ魅力があり、そういった中でマイホームを選ぶ理由とは何でしょうか? それは、「自分の家を持つ醍醐味」といえるでしょう。

ですがそれを実現するためには、ローンと共に長い旅を経なければなりません。
住宅ローンというのは確かに遠く長い船旅といえますが、途中でどの港に碇を下ろすか、また最後はどの港で旅を終えるのかで結果が大きく変わります。

今回私がお伝えしたかったのは、「ローンの返済額だけが、生活を圧迫するわけではない」ということです。それと同時に工夫次第で「負担を抑えながら、快適で性能が高く資産価値のある家をゲットする」ことも可能だということです。

快適な生活をしながら、経済的な負担を減らせるならば、これに越したことはないですね!
 
あなたが良い住まいを得られ、末永く幸せに過ごされることを心よりお祈りいたします。

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