• 2020.07.06

ボーナス払いはリスクが多い?メリット・デメリットやボーナス払いが有利になる条件について解説

監修者: 白坂大介 (ジョインコントラスト株式会社 代表取締役)

住宅ローンを組む際、ボーナス払いという言葉を耳にした人も多いと思います。

ボーナス払いは毎月の負担を減らすことができる一方で、返済にリスクを抱える可能性がある返済方法です。

そのため、毎月の返済が減るからといって申し込むと、人によっては後悔してしまうこともあります。

しっかりと特徴を把握して、自分にとって向いているか判断して決めましょう。

この記事では、

  • ボーナス払いのメリット・デメリットは?
  • ボーナス払いとそうでない場合の返済額の差
  • どんな人がボーナス払いに向いているか

を紹介していきます。

住宅ローンの返済プランを決める際の参考にしてくださいね。

この記事を執筆・監修している専門家

監修者

白坂大介

ジョインコントラスト株式会社 代表取締役

保有資格・検定

2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、証券外務員1種

お客様と一生涯のお付き合いができる仕事に憧れ、大学卒業と同時にハウスメーカーに就職。 2008年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。 2013年にはジョインコントラスト株式会社を設立し、webサイト「家計教師.com」を運営。 主にマイホーム購入や住宅ローン、生命保険、資産運用など、一般家庭向けのコンサルティングや講演会を行なっている。

執筆者

秦 創平

ライター

保有資格・検定

管理業務主任者、シニアライフコンサルタント

国内不動産会社の経験が10年・海外不動産投資会社の経験が2年あり。一般的な住宅から投資物件まで取り扱ってきた。現在はフリーライターとして不動産関連の記事を中心に執筆している。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

ボーナス払いの仕組みとは

通常の住宅ローンは毎月決められた金額を返済していきます。

ボーナス払いとは、ボーナスが支給された月に合わせて、毎月の返済額に加えてボーナス払い分としての返済をする方法のことです。

ボーナス時に返済をまわすことで、年間の返済額は同じでも、月々の返済負担を抑えることができます。

【結論】ボーナス払いに向いている人

以下の2点が最初からわかっている人にはボーナス払いが向いています。

ボーナス払いが向いている人

  • 安定してボーナスが支給されること
  • ボーナス支給月が毎年決まっていること

ただし、ボーナスの支給と支給月が決まっていても、受け取ったボーナスを全て住宅ローン返済に充ててしまうのは危険です。

他にも様々な支出があるので家計の収支計画をきちんと立てた上で、ボーナス返済に充てても問題の無い金額の範囲内でボーナス返済を活用しましょう。

つまり、ボーナス払いに向いているのは、公務員や大企業の正社員など安定した職業に就いていて、ボーナスで住宅ローン返済をしてもなお、貯蓄もできるくらいに余裕のある人です。

ボーナス払いのメリット・デメリットを紹介

ボーナス払いには毎月の返済額を抑制できるメリットがあります。

しかし、ボーナス払いは「毎年安定的にボーナスが出る」ことを前提とした返済方法です。

ボーナス払いを利用するならば、ボーナスが出なかった場合のリスクやデメリットに注意しておく必要があります。

メリット:毎月の返済額を抑えることができる

ボーナス払いを利用すると、決まった時期にまとまった金額を返済することになるため、毎月の返済額を低額に抑えることができます。

毎月の負担を軽減できるのは大きなメリットです。

実際に、ボーナス払いの有無による毎月の返済額を比較してみましょう。比較条件は以下の通りです。

借入額 2,000万円
(内ボーナス分 950万円)
年間のボーナス返済額 約40万円
返済期間 25年
返済方法 元利均等
金利種類 変動金利 0.38%

比較結果は以下のようになりました。

  ボーナス払いあり ボーナス払いなし
毎月の返済額 36,694円 69,894円
総返済額 20,975,600円 20,968,200円

参考住宅ローン返済額の比較シミュレーションツール(新規借り入れ)

ボーナス払いをすることで、月々の返済額が約33,000円も負担が軽減されます。年額にして396,000円です。

デメリット:ボーナスが出なかった場合のリスクがある

ボーナス払いには毎月の返済額を減らす大きな効果があることがわかりました。

しかし、ボーナスが会社の業績などで、支給額が大きく変動する人や、支給されない時もあるような人にとっては、ボーナス払いはあまり向いていません。

ボーナスが支給されなかったり、想定していたよりも支給額が少なかったなどの場合に、家計に対する負担が大きくなるからです。

また、一般的には、ボーナスの支給額は景気変動に大きく影響を受けます。

2020年現在ではコロナウイルスの影響によって景気が世界的に後退しており、日本においても今後さらに影響が出ることが考えられます。

住宅ローンでは多くの方が20年~35年という長い期間にわたりお金を返していくのですが、数十年先の景気について見通すことは、経済の専門家でも予測が困難です。

ボーナスの有無や支給額は、外部要因によって変動する可能性が大きいので、ボーナス払いには一定のリスクがあるといえます。

デメリット:ライフステージの変化に対応できないリスクがある

例えば結婚を機に住宅を購入したとして、その後に子どもが生まれた結果、想定していなかった出費がかさんでしまうということも起こりえるでしょう。

また、子どもが成長すれば必要な教育費は増えていくので、ボーナスから住宅ローンの返済に充てる金額を確保できなくなることも考えられます。

出産前の段階から子育てに関する出費を明確に把握しておくのは、難易度が高いです。

ボーナスの使途をあらかじめ限定してしまうと、想定していなかったライフステージの変化が起きたとき、対応しきれないリスクがあることも認識しておくのが重要です。

ボーナス払いは支払総額が減らない為おすすめできない

ボーナス払いをすると一度にまとまったお金を返しているため、返済が早く進み、さらには金利の負担も軽減されていると錯覚をしている人もいるかもしれません。

しかし、ボーナス払いを利用しても、結局は月々の抑えた支払い分をボーナス時にまとめて払うため、年間の返済額や、総返済額もほとんど変わりません。

  ボーナス払いあり ボーナス払いなし
毎月の返済額 36,694円 69,894円
総返済額 20,975,600円 20,968,200円

ボーナス払いの有無による総返済額の差は、7,000円程度です。

また、前項で月々の返済額は33,000円変わると解説しました。

これは年額にすると396,000円ですが、ボーナス払いの返済額を年間約40万円としてシミュレーションしているため、月々の返済額がそのままボーナス払いに置き換わっただけともいえます。

つまり、ボーナス払いは、単純に支払い時期をずらしているだけという捉え方もできるでしょう。

総返済額の差から判断しても、ボーナス払いによるコスト面でのメリットはほとんどないと考えられます。

ボーナス払いによる支払い時期が調整できるというメリットに対して、ボーナス払いをすることによるリスクとではあまりバランスがよいとはいえません。

このため、毎月の返済額を抑制しなければいけない余程の事情がない限りは、ボーナス払いによる返済は避ける方が無難でしょう。

こんな時はどうする?
ボーナス払いで想定されるケース

ボーナス払いはメリットが大きくないといえど、それでも事情は人によって様々なので、どうしても毎月の返済額を抑制したいという人もいるでしょう。

しかし、当初はボーナス払いでローンをスタートしたものの、想定していなかった状況の変化によって、ボーナス払いが難しくなってしまうということは起こりえます。

ボーナス払いから途中で変更したい

ボーナス払いによる返済が厳しくなったため、ボーナス払いをやめたい場合は、まず金融機関に問い合わせましょう。

ほとんどの住宅ローンは、所定の手続きを取ればボーナス払いの有無に関して途中で変更できます。

しかし、返済途中でローン契約の内容を変更するためには、手数料がかかるので注意が必要です。

ボーナスが出なかったので、支払うことができない

契約内容変更の手間や手数料の関係から、返済途中でローン契約の内容を変更するのはできる限り避けたいところです。

このため、ボーナス払いを利用するならば、ボーナスが出なかったため返済ができなくなってしまうという状況は、あらかじめリスクとして認識しておく必要があります。

ボーナス払いを利用している場合には、状況の変化に対する備えとして毎月一定額を貯金し、いつでも不測の事態に対応できるようにしておくことが重要です。

ボーナス払いについてのアンケート結果

住宅ローンの利用を検討している方の中には、

ほかに住宅ローンを返済している人で、ボーナス払いを利用している人はどれくらいなのかな……

と思う方もいるのではないでしょうか。

ナビナビ住宅ローンでは、住宅ローンに関するアンケートを実施しています。

アンケート結果は以下グラフの通りです。

住宅ローンボーナス払い2

参考記事住宅ローンの利用者は43%が30年以上を選択!返済プランについての実態調査

全体の46%がボーナス返済を利用していない

ボーナス返済時の返済額が0円となっているのは、ボーナス払いを利用していない人たちです。

つまり、アンケート回答者のうち、半数近くの人はボーナス払いを利用していません。

ボーナス払いでの返済額は10万円以上~30万円未満が22%

一方、ボーナス払いを利用している人に目を向けてみると、最も多くの割合を占めているのは返済額を10万円以上30万円未満としている人で、その割合は22%です。

なお、1万円以上〜10万円未満としている人も12%いて、合計は34%です。

ボーナス払いを利用している人の半数以上が、ボーナス払いの枠を1万円以上〜30万円未満としていることがわかります。

ボーナス払いを利用している人も、ボーナス払いの返済額をあまり大きくしていないといえるでしょう。

一部繰り上げ返済という方法もある

住宅ローンの返済方法には、ボーナス払いのほかに一部繰り上げ返済という方法もあります。

一部繰り上げ返済に関しては手数料がかからない住宅ローン商品も多いです。

通常、一部繰り上げ返済は、変動金利のローンを契約していて金利が上がってしまった時などに推奨されます。

一部繰り上げ返済は、まとまったお金を返済するという点ではボーナス払いとも似ていますが、これらを比較した場合、最初からボーナス払いで返済を約束してしまうよりは、繰上げ返済の方は可能なタイミングでまとめて返済するので、デメリットやリスクが少ないといえるでしょう。

つまり、ボーナス払いで住宅ローンを契約しなくても、ボーナス支給額のうち返済にまわす割合をあらかじめ自分で決めておき、一部繰り上げ返済するという方法も有効です。

まとめ

ボーナス払いには毎月の返済額を抑制できるメリットがありますが、その反面、ボーナス支給がなくなった時のリスクもあります。

なお、ボーナス払いによる返済額と、月々に抑えることのできる返済の合計額とはほとんど同額です。

つまり、ただ単純に月々の支払いで減らした分をボーナス時にまとめて支払うだけのことです。

また、リスクの面から考慮すると、ボーナス払いに向いているのは、公務員や大企業の正社員など安定してボーナスをもらえることがわかっている人です。

実際、住宅ローン利用者の半数近くはボーナス払いを利用していないうえ、利用したとしても大半はボーナス払いの支払額を抑制しています。

住宅ローンを利用する際には、なんとなくのイメージで決めるのではなく、メリットとデメリットをきちんと理解してから返済方法を決めることが重要です。

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