タイミングがポイント!住宅ローンの一括返済について解説

住宅ローンの一括返済はタイミングがポイント
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住宅ローンは、返済期間が長期になればなるほど金利の負担は大きくなります。家計に余裕ができたら、思い切って住宅ローンを一括返済しようと考える方も多いことでしょう。ただ、住宅ローンの一括返済は、残額や借入期間、金融機関によって返済手数料や諸費用が変わるため注意が必要です。

ここでは、一括返済のメリットとデメリットについてご紹介します。

住宅ローンを一括返済する最大のメリットは、長期にわたって支払う予定だった利息をカットできることです。住宅ローンは、30年から35年の長期で組まれることがほとんどで、元金に利息が上乗せされた金額を支払うことになります。したがって、残りの返済期間が長いほど、一括返済によって利息の負担は軽減されます。

例えば、金利3%で借りた住宅ローン残高が1,000万円、返済残り期間が10年の場合、一括返済すると利息分の約160万円が節約できる計算になります。ただし、残りの返済期間が短いと返済額のうち利息が占める割合は低くなるので、一括返済の効果は少なくなります。そのため、住宅ローンの一括返済は、時期を見極める必要があると言えます。

さらに、住宅ローンの一括返済をすると、住宅ローンを組んだ際に一括で支払った保証料が戻ってくるケースがあります。金融機関によって違いがありますが、一般的には手数料を差し引いた金額が返金されます。住宅ローンの保証料は、借入金額の年0.2%~0.4%ですので、年数によってはかなりまとまった金額となります。

住宅ローンの一括返済のデメリットとして考えられるのは、貯蓄などの手持ちの資金がなくなることです。一括返済した後に、不測の事態による出費に対応できない場合もあるかもしれません。さらに、ほとんどの住宅ローンには、団体信用生命保険が付加されています。

団体信用生命保険とは、契約者が死亡、または高度障害になった場合に、残りの住宅ローンの支払いを保険会社が代わりに行う保証保険制度です。

一括返済することによって、団体信用生命保険の保険期間も終了することになるので、一括返済後にもしもの事態があっても保険金は支払われません。

また、住宅ローンの一括返済には一定の手数料が必要となります。借り入れしている金融機関や住宅ローンの種類によって違いがありますが、数万円程度は必要となります。さらには、住宅ローンの一括返済に伴う抵当権の抹消手続きを司法書士に依頼すると数万円の費用が必要となります。

住宅ローンの残期間によっては、手数料などのこれらの諸費用が利息分を上回る可能性も考えられます。住宅ローンの一括返済を検討する際には、借り入れしている金融機関に相談した上で、必要となる手数料や諸費用について事前に確認しておきましょう。

住宅ローンには、残りの返済期間によって住宅ローン減税が適用されます。住宅ローン減税とは、住宅ローンを借り入れた最初の10年間に限り、年末の住宅ローン残高の1%が所得税から控除される制度です。

住宅ローンの借り入れから10年以内に一括返済を検討する際には、将来的に支払う予定の金利負担額と減税額をとを比較検討する必要があります。

住宅ローンの一括返済は、借り入してからの年数が短いほど、残りの返済期間が長いほど利息軽減効果が期待できます。住宅ローンは、一般的な元利金等返済の場合、返済当初は返済額のうち利息が占める割合が高く、回数を重ねるごとに元金返済の割合が増える仕組みになっているからです。

なお、住宅ローンの一括返済の金額は元金に充当されるため、利息分を支払う必要はありません。

しかし、一方で住宅ローンを借り入れて、すぐに一括返済できるほどの手持ち資金を用意できる方は少ないのではないでしょうか。最適なタイミングとしては、住宅ローン減税が終了する借入の10年後以降と言えそうです。

つまり、多くの方が利用する35年ローンの場合、残り25年分を一括返済すると利息軽減効果が高いのではないでしょうか。

逆に、住宅ローンの返済期間が10年を切っている場合には、一括返済しない方がお得になるケースも考えられます。住宅ローンは、他のローンと比較して金利が低く設定されているからです。

一括返済してしまうと、手持ちの資金が底をつき、いざというときに急な出費に対応できないかもしれません。そのようなときに、住宅ローンよりも金利の高いローンを利用せざるを得ないとなると本末転倒です。

教育資金や生活費、車の購入などライフスタイルを考慮した上で、一括返済するかどうかを検討する必要があります。

一方で、本人の意思に関わらず借り入れている金融機関から住宅ローンの一括返済を請求されるケースがあります。一回でも支払いが滞ると、借り入れしている金融機関からの督促が届きます。これが、住宅ローンの支払いの遅延による一括請求です。

事前に交わした住宅ローンの契約に基づき、返済が滞ったことにより、分割払いの権利を失うことになるのです。現金による一括返済ができない場合は、住宅を売却して返済資金に充当しなければなりません。金融機関からの督促を無視していると、住宅は競売にかけられるという最悪の事態を招く結果になるかもしれません。

住宅ローンの一括請求には、「予告通知」と「期限の利益の損失」があります。「予告通知」の場合は、金融機関が返済プランの見直しなどの相談に応じてくれます。しかし、「期限の利益の損失」の場合には、金融機関からの現金による住宅ローンの一括返済を迫られることになります。

住宅ローンの支払いが遅延すると、金融機関は保証会社に代位弁済を請求します。代位弁済とは、支払い不能におちいった債務者にかわって保証会社が残りのローンを負担することです。代位弁済が行われると、保証会社は物件を競売にかける権利を得ることになります。

つまり、保証会社が代位弁済によって住宅ローンを肩代わりしてくれても、金融機関から保証会社に債権が移行しただけで、残額の支払い義務が消失するわけではないので注意しましょう。

住宅ローンの一括返済の手続きは、借り入れしている金融機関で対応してくれます。住宅ローンを返済している口座の通帳と届出印鑑、本人確認書類を持参した上で、住宅ローンの一括返済の旨を伝えます。一括返済に必要となる手数料は金融機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

一括返済が完了すると、担保となっていた土地と建物の抵当権を抹消する手続きが必要となります。必要な書類は金融機関で用意してくれます。ただし、一般的に司法書士に依頼すると数万円の手数料が発生します。自分で行うと、抵当権の抹消登記費用は、数千円程度で済む場合もあります。

いかがでしたか。住宅ローンの一括返済のメリットとデメリットについてご紹介しました。住宅ローンは長期にわたる支払いを負担に感じる人も多いのではないでしょうか。

一括返済して心理的な負担を軽減させたいという方も多いかもしれません。しかし、住宅ローンの契約内容や返済期間によっては、必ずしも一括返済はメリットがあるとは限りません。ライフスタイルに合わせて最適なタイミングを計りながら、住宅ローンを一括返済するべきかどうかを慎重に検討してみてはいかがでしょう。

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