• 2020.09.01

住宅ローンの一括返済は資金に大きな余裕があればおすすめ!お得な理由と気を付けたいポイントを徹底解説

執筆者: 白坂大介 (ジョインコントラスト株式会社 代表取締役)
家の模型を前に電卓を持つスーツ姿の男性

住宅ローンの一括返済は、利子の支払額を軽減できる魅力的な返済方法です。

しかし、住宅ローンの一括返済を検討していても、どのタイミングで一括返済すべきかわからない人もいるでしょう。

結論として、住宅ローンの適用金利や諸条件次第では「住宅ローン控除の期間が終了し、完済後も十分な資金が手元に残るとき」が、一括返済に最適なタイミングと言えます。

ただし、住宅ローンの一括返済を利用する際には注意点もあります。

今回は、住宅ローンを一括返済すべきタイミングや、一括返済のメリット・デメリット、住宅ローンを一括返済する方法を紹介します。

  • 住宅ローンの一括返済について詳しく知りたい
  • 住宅ローンを早く完済して毎月の返済から解放されたい

上記に該当する人は、ぜひ当記事を参考にしてください。

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

白坂大介

ジョインコントラスト株式会社 代表取締役

保有資格・検定

2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、証券外務員1種

お客様と一生涯のお付き合いができる仕事に憧れ、大学卒業と同時にハウスメーカーに就職。 2008年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。 2013年にはジョインコントラスト株式会社を設立し、webサイト「家計教師.com」を運営。 主にマイホーム購入や住宅ローン、生命保険、資産運用など、一般家庭向けのコンサルティングや講演会を行なっている。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

【結論】住宅ローンを一括返済をすべき場合

「手元にある資金に十分な余裕があり、住宅ローンの控除期間が終了している場合」であれば、住宅ローンの一括返済を検討してもよいでしょう。

当然ですが、住宅ローンの残債を一括して繰り上げ返済するためには、まとまった資金が必要となります。

また、住宅ローン控除の適用が受けられる期間中に完済すると以後は住宅ローンの残債がなくなるので、ローン控除を受けることもできません。

そのため、住宅ローンの一括返済を検討している人は、上記を十分に考慮したうえで計画的に繰り上げ返済を行うことをおすすめします。

住宅ローンの一括返済を利用する場合のメリット

住宅ローンの一括返済には、下記のメリットがあります。

一括返済のメリット

    住宅ローンの一括返済をうまく活用すれば、利子の負担だけでなく、トータルの支払額を大きく軽減できる場合もあります。

    ここからは、住宅ローンを一括返済するメリットの2点を紹介します。

    将来支払うはずだった利子の支払いが不要になる

    住宅ローンの一括返済は、利子の軽減効果が高いことが大きなメリットです。

    一括返済で住宅ローンを完済することで、将来支払う予定だった利子の支払いをカットすることができます。

    一括返済の有無による返済シミュレーション

    ■共通条件

    借 入 額:3,000万円
    返済方法:元利均等方式
    返済期間:35年
    金  利:固定金利1.110%

    ■シミュレーション結果

      一括返済を行わなかった場合 返済開始15年目で一括返済を行った場合
    総返済額 36,217,361円 34,073,567円
    繰上金額 0円 18,551,807円
    利子軽減額 0円 2,143,794円

    3,000万円の住宅ローンを借りて一括返済を行わなかった場合、最終的な総返済額は約3,622万円となり、利子の金額は約620万円となります。

    一方で返済開始15年と12か月目で一括返済を行った場合は、総返済額が約3,410万円・利子の金額が約410万円となるため、約210万円の利子を削減できます。

    このように、一括返済以降に支払うはずだった利子をすべてカットできるため、住宅ローン残高が多いタイミングでの一括返済は総返済額を大きく抑えることになります

    保証料が戻ってくるケースがある

    住宅ローンを借りる際に保証料を前払いしていた場合は、一括返済により保証料が返金されることがあります。

    ■りそな銀行の例

    10年後に全額繰上返済した場合の戻し保証料  約22万円

    2020年9月現在

    ■前提条件

    借入金額:3,000万円
    返済期間:
    35年
    保証料:
    一括前払い型
    (出典:りそな銀行「融資手数料型と保証料一括前払い型と保証料金利上乗せ型って?」

    戻ってくる保証料の金額については、繰り上げ返済した時点での住宅ローンの残期間に応じて算出されます。

    また金融機関ごとに設定されている所定の手数料が控除される場合もありますので、具体的に戻ってくる金額を知りたい場合は金融機関へ問い合わせてみましょう。

    住宅ローンの一括返済を利用する際に注意したいデメリット

    住宅ローンの一括返済にはメリットがありますが、デメリットも存在します。

    一括返済を考えている人は下記のデメリットがあることも考慮して、一括返済すべきかよく検討しましょう。

    一括返済のデメリット

    手持ちの資金が大きく減ってしまい、想定外の出費に対応できなくなるリスクがある

    当然ですが「手持ちの資金が大きく減ること」は、住宅ローンの一括返済に伴うデメリットと言えます。

    住宅ローンの一括返済では、まとまった資金を残債の支払いのために充てます。

    住宅ローンの月々の返済はなくなりますが、完済後に病気やケガなど不測の事態が生じることで大きな資金が必要となるリスクもあるでしょう。

    そのため、手元の預貯金を大きく減らしてまで住宅ローンを一括返済することが必ずしも正しいとは限りません

    不測の事態に対応できるよう、十分な資金を確保してから一括返済を行いましょう

    ある程度の預貯金が手元に残らないような場合は、繰り上げ返済のタイミングを慎重に検討することをおすすめします。

    【デメリットの対応策】
    完済後における生活費などの支出や当面のライフイベントも考慮し、十分な預貯金を確保したうえで繰り上げ返済を実行する。

    借入から10年以内の場合は住所ローン控除が受けられなくなる

    住宅ローン控除期間中の一括返済は、その後の住宅ローン控除が受けられない点に注意が必要です。

    住宅ローン控除では、住宅購入後の10年間または13年間にわたり、所得税と住民税が減税されます。

    当然、控除期間中に住宅ローンを完済すると、住宅ローン控除を利用することはできません。

    住宅ローンの適用金利などの条件次第では、一括返済で軽減される利子の金額よりも、住宅ローン控除の減税額のほうが大きくなる場合があります。

    そのため、住宅ローンの借入から10年以内に一括返済しようと考えている場合は「一括返済しなかったときの住宅ローン控除の減税額」と「一括返済したときの利子の軽減額」を比較しましょう。

    住宅ローン控除による減税額と一括返済での利子の軽減額を比較した結果、減税額が大きくなる場合は、控除期間が終了した後に一括返済を行うことで減税の恩恵を最大限に受けられるでしょう。

    【デメリットの対応策】
    住宅ローン控除の減税額と一括返済による利子の軽減額を比較し、お得に完済できるタイミングを見極める。

    住宅ローンを一括返済する方法を紹介

    基本的に、住宅ローンの一括返済は店頭窓口で申し込みを受け付けています。

    ここからは、店頭窓口で一括返済の手続きを行う際の流れを紹介します。

    STEP1:
    店頭窓口へ行く

    • 返済用預金口座の届出印
    • 通帳またはキャッシュカード
    • 返済予定表
    • 口座番号のわかるもの

    上記を持参して、住宅ローンを借りた銀行の店頭窓口へ行き、一括返済の手続きを申し込みます。

    STEP2:
    依頼書を提出する
    必要事項を記入した全額繰上返済依頼書を提出します。
    STEP3:
    入金する
    繰上返済日の前営業日までに、一括返済の資金を返済用預金口座に入金しましょう。

      銀行によっては、インターネットから一括返済の手続きを受け付けている場合があります。

      手続きの流れが上記と異なることもあるため、一括返済の手続きの詳細を知りたいときは、住宅ローンを借りた銀行に直接確認しましょう

      一括返済の手続きには手数料がかかる

      一括返済の手続きには所定の手数料が必要です。

      ■りそな銀行の例

      変動金利の場合 11,000円
      固定金利の場合 33,000円

      2020年9月現在
      (出典:りそな銀行「住宅ローンの手数料・諸費用」

      なお、手数料の金額は金融機関や住宅ローンの金利タイプによって異なります。

      一括返済を行う前に、手数料がいくら必要なのかも確認するとよいでしょう。

      返済のストレスや負担を軽くする方法は他にもある

      住宅ローンの一括返済は、総返済額を減らすことができる魅力的な手段です。

      しかし、手元にまとまった資金が必要となるだけでなく、住宅ローン控除期間中に一括返済することが得策と言えない場合もあります。

      とはいえ、住宅ローンの一括返済を検討している人の中には

      • 毎月の住宅ローンの返済が精神的な負担となっている
      • 住宅ローンの控除期間中だが返せるうちに返したい
      • 変動金利で返済額が変わるストレスから解放されたい

      という人もいるでしょう。

      最後に、一括返済以外で返済のストレスや負担を軽減する方法を紹介します。

      一部繰り上げ返済を活用する

      一括返済以外で住宅ローンの返済負担を少しずつでも軽くしたいときは、「一部繰り上げ返済」を検討しましょう。

      一部繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に借入金の一部を繰り上げ返済する方法のことです。

      一部繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。

      「期間短縮型」と「返済額軽減型」
      期間短縮型は利子の総支払額を、返済額軽減型は毎月の返済額を抑えることが可能です。

      一部繰り上げ返済がおすすめの人

      • 一括返済するほど資金に余裕がない人
      • 住宅ローン控除を最大限利用したい人

      一部繰り上げ返済の詳細は、下記の記事を参考にしてください。

      全期間固定金利へ借り換えを行う

      住宅ローンを一括返済したいと思っている人の中には

      変動金利で返済額が上昇するリスクから解放されたい

      と考えている人もいるでしょう。

      住宅ローンの金利動向を見通すことは決して簡単ではありません。

      そのため、金利の上昇や利息を気にしながら返済することが、ストレスに感じることもあります。

      変動金利の上昇に対応できるか不安を感じている場合は「全期間固定金利へ金利プランの変更や借り換え」を検討してみてください。

      全期間固定金利であれば、借入期間中に金利が変動することはなく、毎月の返済額が一定となるため、金利の上昇リスクを心配する必要はありません。

      全期間固定金利の借り換えがおすすめの人

      • 変動金利の上昇リスクが大きなストレスとなっている人
      • 金利の上昇に伴い返済額が増えると家計が苦しくなる人

      住宅ローンの借り換えについては、下記の記事でわかりやすく解説しています。

      まとめ

      住宅ローンの一括返済は、利子の支払いが減ることで総返済額も抑えられることがメリットです。

      住宅ローンの借入時に保証料を前払いしている場合は、保証料が戻ってくることもあります。

      しかし、住宅ローンを一括返済する際は手元に十分な資金が残るようにしなければ、想定外の出費に対応できなくなってしまいます。

      住宅ローンの返済負担を軽くしたいときは、一括返済だけでなく、一部繰り上げ返済や借り換えも視野に入れましょう。

      そのうえで、一括返済による利子の軽減額と住宅ローン控除の減税額を比較検討し、一括返済を行うのに最適なタイミングを見極めることが大切です。

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